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2007年10月16日 00時00分 更新

くねくねハニィの「最近どうよ?」(その16):

ところで年末商戦って何だ? (2/2)

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年末商戦とは?

 昔はよくクリスマス商戦と言われましたね。クリスマスプレゼントに向けてみんなが買い物に行くので、それを当て込んで商品を準備するんですけど、最近はハロウィーン、サンクスギビング、クリスマスぜんぶひっくるめて年末のホリデーシーズンに向けて商品投下を行うことが多くなりました。そもそも、クリスマスにモノを発売しても、そんなギリギリにプレゼントを探す人はいないから、やっぱり10月11月に投下しておかないと話になりませんってとこなので、実際には12月上旬までに発売しないと「商戦」に参戦したことにはならんのよ。

 最近ではQ4のみならず、9月も年末商戦の範疇に入るとも言われていて、すでに今年も9月から年末商戦に突入しているとも言えるわけですね。「Halo 3」や「Bioshock」なども、年末商戦の第1弾ともいえるわけですよ。日本では最近初動が命で、発売した直後に売れなければツラいことになっているんだけど、欧米の場合は地理的な状況や、口コミによる商品需要の喚起率の高さからして、あんまり初動だけでは語れない市場なのだよん。だから、早く出せば早く出すほど市場に滞留している時間が長くなって、ユーザーの目に触れる機会を増やせるわけで、いかに商戦の始めのほうに出せるかってのも肝になるわけなんですね〜。

 では、新規の大型タイトルだけの市場となるのか? といえば、それも違っていて、「安ければ買う」って人々もたくさんいる。なので、既存の商品でも、年末商戦に一気に値段を下げて、ユーザーが手に取りやすくするって施策が取られたりもする。初動からしばらく経っていたとしてももう一度値下げで市場を喚起する、一粒で二度おいしい感じでぇす。でも、全部のタイトルを置くだけの棚はないから、価格を下げるだけでは小売店に置いてもらえんのですわ。商品の競争力がないと値段を下げたとしても棚からは消えていってしまう……。ま、すべては小売店が決めることですがね。

 っていう意味では、小売店の棚の争奪戦でもあるんですわ、これが。結局は新製品を投入しようが、価格を下げようが、小売店の棚に並ばなければ、買ってもらえない(最近ではインターネット販売やダウンロードコンテンツなどもありまするが)ので、とどのつまりは「棚の争奪戦」ってことなんです。従って、まとめますると、年末商戦とは“9月から始まって、10月〜12月上旬までのホリデーシーズンの購買増加に向けて新規商品を投入、または既存商品の価格戦略を通じて棚を争奪すること!”なんですね〜。

もう年末商戦の仕込みは終わっている!

 前に海外プロモーションに関してリポートしたところでも述べたけど、メディアに広告宣伝を載せたり、体験版に入れてもらったりするのはホントに大変だし、納期的にとても厳しい。日本のような島国と違って、地理的に大きな市場であるので、ある程度時間の拘束はありましょうが、3カ月前とか4カ月前って、先生、あまりにあんまりじゃありませんか?

 生産に関しても10月11月発売分の発注はそろそろ終わってて、あとは製品ができて出荷するだけ。今年の年末の仕込みは夏には終わっているのだ。今頃はゲーム業界の人々もホリデーシーズンにゆっくり突入しているのですわ。あ、一部ギリギリの開発をしている方々はいまだにひ〜ひ〜言われているかもしれませんが……。プロモーションが早くから動いているから、開発が遅れて発売遅延とかになると、すご〜く打撃になるのも分かるよね〜。

 余談でやんすが、こんな時期に10月18日〜21日にLAコンベンションセンター(前年までE3をやっていた会場)でE for Allなるイベントが開催されますの。これは、思いっきりユーザー向けのゲームショーで、入場料を払えば誰でも入れちゃう。せっかく仕込みが終わって休もうと思っているゲームメーカー社員さん達からは実はブーイングが出ていますが、年末商戦最後の追い込みなだけに無視はできません。ただ、意味がないと言って参加しないメーカーさんもたくさんいたりもする。プラットフォーマーが任天堂だけってのも気になりまする。ハニィもちょっくら覗きに行って来ようと思うので、リポートをお楽しみに!

年末商戦だけが商戦じゃない!

 過去に何度もリポートしてまするが、欧米市場では小売店が強いので、ユーザーのところにゲームをお届けするには小売店の門番がいるわけで、門番のOKが出ない限りは世に出すことが難しいんですよ。年末に棚に順調に並べられるってことが、本当に大変なことなんですよ〜。

 ちなみに、商品を棚に並べるか(つまり、店においてくれるかどうか)は、バイヤーと言われる人々が決めるのだけど、その店舗のカラーにもよるのね。例えば、WalmartやTargetなどの大きなGMS(General Merchandise Store: 大型スーパー)だったら、ライトなものや、売れ筋のものを置くし、玩具系(トイザらすなど)だったら低年齢層や家族でわいわい楽しめるソフトを好んで置くだろうし、Gamestop(EB Gamesと合併)のようなコアユーザー向けだったら、レアモノも含めていろんな品揃えをしてくる。必ずしも全部の流通に乗せられるわけではないから、メーカー側の営業はいかに商品がいいものか、置いてもらったら店側が得か、ってことをプレゼンをするんだなぁ。

 年末は商品量がさらに増加するので、こんな涙ぐましい営業の努力でやっと棚を勝ち取るわけですわ。でも、大型タイトルが新規に投入され、過去にヒットしたタイトルが値下げをするという過激な市場の中で無理して戦うことはない、って考え方もできるのさ。確かに「何かを買う」雰囲気は街にあふれてるけど、みんなのお財布は無限ではないんだから、出したら売れる! って短絡的に考えるのはナンセ〜ンス。大きなタイトルの中でうずもれるよりは、空いている時期に、目立つタイトルにしようよ、ってのもいい戦略かもしれない。

 最近では、あえて時期をずらして無理な競争をしないことによって、商品を手にとってもらう機会を増やそうとしているメーカーもありますねん。だって、棚争奪戦だって年末に比べれば、その時期をはずしたほうがハードルは下がってると思うし。年間全売上に対してのQ4の比率が下がっている(3、4年前から50%を切った)ことを考えると、間違いではないのかもしれないよね。

ハニィのあとがき

 正しく理解していただきたいなと書いてみたけど、要は「年末に出せば売れる!」ってのはあまりにステレオタイプ。いろいろな施策と商品性と価格戦略とプロモーション戦略がかみ合って初めて達成できることなのだ!

 今年の「Halo 3」は止められないでしょうね〜。ものすごいことになっているのはホント。ニュースで書いた通り、北米だけで初日に300万本弱を売ったらしいけど、発売1週でワールドワイドでは3億ドル(約360億円)を売り上げたと発表があったんだぁ。それって推定するに500万本くらい売っちゃったってことじゃん……。恐るべし。当初予定されていた「Grand Theft Auto IV」も来年に延びてしまったため、これに対抗するソフトはない、と断言してもいいでしょうなぁ。

 それにしてもXbox 360のすごいところは、発売されて2年近いハードなのに、まだ北米で700万台も行ってない(8月末現在)ってこと。比較すると良くわかるんだけど、PS2が約4000万台近いことを考えるとコンソールのプラットフォームとしてはまだまだってこと。実はPSPが830万台くらい(8月末現在)なので、PSPよりも売れてないってこと。それなのに、ソフトは平気でミリオン越えしてる、ってことはもう既にハードを持っている人たちがすごい確率でソフトを購入するってことであり、ハード稼働率がすごく高いってことだよね。これを「ハードに対してロイヤリティが高い」(←ハニィ命名)といいます。

 しかしながら、発売1年未満のWiiが400万台を8月末時点で超えて、さらに売上を伸ばしていることを鑑みると、WiiがいつXbox 360を抜くのか? ってのが話題になっとるんですわ。抜かれる前にHalo 3効果でXbox 360がさらに水をあけるのか、それとも任天堂が「Super Mario Galaxy」(11月12日発売)を引っさげて、この勢いでXbox 360を抜き去るのか、ハードの意味でも年末商戦は気になりますね〜……あれ、PS3は?

 ってことでハニィ、久々のアメリカ出張に行ってまいります! 次はE for Allリポートで会いましょう!

くねくねハニィのプロフィール

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1967年アメリカサウスダコタ生まれの日本人。

小学生からはゲームセンターに通いまくってやたら大きく育つ。

1990年に都内K大学を卒業後、大手ゲーム会社にて海外ソフト担当となり、2001年に退職。それ以降は自称フリーのゲームアナリストとして暗躍。暗躍しすぎたので名前を変えて表舞台に。くねくねと唐突に現れて「親父ギャグ」をかまして周りの人々のレベルを下げまくる困ったやつ。独特の語り口調ですが、もう慣れてくださいとしか言えません。言ってる中身は至極マジメなので。ちなみに「風来のシレン」が好物で、名前もそこから借用。なんだか公認してもらったそうです。

なにやら知らないうちにE for Allに行くことになっているのですが、聞いてませんよ? 仕事っすよね?


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