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2007年12月14日 00時00分 更新

くねくねハニィの「最近どうよ?」(その18):

ゲーム業界のM&Aを語ってみる (1/3)

Activision Blizzardの誕生に度肝を抜いた皆様も多いかとは思うけど、何とハニィはそのニュースをアメリカでリアルタイムで知った! だから何(笑)? ちょっと難しいM&Aもいろんな見方をすると違った背景も見えてくるので読んでみてちょーだい!
wk_071214kune01.jpg メリークリスマース!

 12月になってしまいましたん。気がついたら年末でしたね〜、今年中にもう1回原稿が上げられるかもしれないので、年末の挨拶はまだしておかないわん(編:本当ですか?)。

 11月のハニィは珍しくシンガポールへ出張に行っていました。PSPを持って路上で遊んでいるお兄さんたちと、レストランでおとなしくニンテンドーDSでそれぞれ遊んでいる子供たち(兄弟かなぁ)を見て、どこも一緒だなぁとニヤニヤしながら観察。ゲーム屋さんもありますけど、日本や欧米に比べるとお店の数も品揃えも寂しい感じ。シンガポールは英語と中国語が通じるので、英語版のソフトが多いのかなぁ? と思ってると、日本語版のソフトがそのまま売ってたり(これは正規版なのか? 並行輸入なのか?)して、ちょっと興味深いもんでしたよ〜。

 と、シンガポールから今度はアメリカへと高飛び。アメリカではWiiがまだ足りてない様子。プレイステーション 3は値下げしてから順調とのことで、11月だけで40万台を超えそうな勢い。あとはソフトの充実が待たれますね。クリスマス近し、ってことでお店は活気に満ち溢れてました、いや、ホント。年末商戦真っ只中って感じでしたよ〜。

 さてさて、今回は久しぶりの大きなニュースに驚いたといこともあり、ゲーム業界のM&Aについて述べてみたいと思うハニィなのだ(原稿を書いている途中にまさかまさかのActivisionとVivendiの大型合併のニュースが入ってきた! 先見の明ありか!! 笑)。でも、その前にいつものニュース関連を片付けてみっかい(最近またキャラ変わってきましたね……)!

10月の北米市場はどんなだったの?

 年末商戦ド真ん中! 10月の北米売上データが入ってきました〜。ちなみにここで紹介しているデータは「セルスルー」と言われているもので、メーカーが言う売上、つまりメーカー側がディストリビュータや小売に引き渡したもの(セルイン)ではなく、エンドユーザーが実際に購入した数字なので、誤解なきよう。

 PS3の値下げ(いや、スペックダウンと言うべきか)の発表が10月18日にあったし、Xbox 360はCore SystemのスペックアップモデルXbox 360 Arcade(Core system+ワイヤレスコントローラ+HDMI端子+256Mバイトのメモリーカード+パックマンやUNOなどのXbox LIVE アーケードゲーム×5)を発売したの(値段は現行Core System同様279ドル)。

 確実に出荷台数は増加しているものの、北米ではWiiは相変わらず手に入らないハード。アナリストの予測では2008年中も在庫不足が続くのではないか、との声も。うれしい悲鳴ですが、小売店からは機会損失とクレームもあがってる模様。で、データですが、Wiiは51万6千台。前月にWiiを抜いていたXbox 360は36万5千台で、ようやく北米で700万台を達成したの。続いてまだまだ健在PS2は18万3千台。安い40Gバイトモデルを11月に発売するPS3は買い控えで12万1千台。11月のデータが楽しみね〜。

 ハンドヘルド(携帯ゲーム機)はどうかというと、ゲームボーイアドバンスがいまだに月販5万台程売っちゃってるのがとても奇異ではありますが、45万3千台のニンテンドーDSと28万6千台のPSP。大体安定して売れていますね。年末に向けてゴールドニンテンドーDS(「ゼルダの伝説 夢幻の砂時計」と同梱)なども発売されて、ますます来月のデータが楽しみだわね〜。びっくりナンバーが出るかなぁ。

 ソフトはどうかと申しますと、10月はActivisionの「Guitar Hero III」一色でした。発売1週間未満で、PS2版、PS3版、Xbox 360版、Wii版あわせて約140万本(含コントローラ同梱版)も売り上げちゃった……。9月に330万本売上げた「Halo3」も10月は43万3千本に落ち着いてきた様子。10月で驚いたことには、北米で「FIFA」(EA)が売れているってこと。PS2版が12万3千本、Xbox 360版が10万5千本、PS3版が7万2千本も売れているのだ! 「サッカー(ゲーム)は売れない」ってのがアメリカの定説だったんですが、ベッカム効果ですかね〜。もう1つ注目すべきは「Half Life 2: The Episode 2 The Orange Box」。

 ハンドヘルド向けソフトのナンバー1は「ゼルダの伝説 夢幻の砂時計」。発売月(9月)を上回っての売上本数をたたき出して(26万3千本)2カ月連続1位。ニンテンドーDSは相変わらず絶好調で、眼力トレーニング(英語名:「Flash Focus:Vision Training in minutes a day」)も発売直後のトップ10入りの5万本。注目は、「Final Fantasy Tactics: War of the Lions」が3位に入っていること。PSPタイトルで9万8千本とは、やはりFF強し。10月はPSPが頑張っていたようです。「Star Wars Battlefront」(Lucus Atrs)が4万9千本、「悪魔城ドラキュラ」(KONAMI)が4万7千本。任天堂以外の日本メーカーがなかなか難しい北米市場において、スクエニ、KONAMI、よくがんばりました!

 PSPが毎月30万台近く売れているのに、PSPタイトルはもうちょっと売れてもいいかもって声が多かったけど、やっぱり「メガヒットを出しやすいけど売れない場合は、とことん売れない」ニンテンドーDSと、「ちょこちょこ売れるけどバカ売れしない」PSPってすみ分けになっている今、どちらのハードでソフトを開発するかってのはメーカーにとっても苦渋の決断だね〜。

 11月の売上データは20日頃出ると思われまするが、11月は大型タイトルがたくさん発売になってるはずなので、これも見逃せないよね。初代「Guitar Hero」の開発会社Harmonixが発売する「Rock Band」(MTV Games)、「Price of Persia」チームがオリジナルで開発した「Assasin's Creed」(UBI)、最近EAに買われてしまったBioware開発の「Mass Effect」(Microsoft)などなど、下馬評の高いソフトが続々と発売されているから、要チェックですぜ〜。

M&Aの話の前に〜パブリッシャーとデベロッパーの関係は?

 そもそも海外では日本のように社内で開発を持っているのは一部の大きなパブリッシャーだけで、デベロッパーとは、ソフトを開発する独立企業であることが多かったの。独立系のデベロッパーは、もちろんパブリッシャーから委託を受けてパブリッシャーのIP(知的財産権と訳すけど、まぁ、タイトルブランドってことね)を使って開発を行うことも多いけど、大きな独立系デベロッパーになると、自らの独自IPのソフトを開発してパブリッシャーに売るってことも多いわけ。日本と違うのはここで、同一タイトルの続編が違うパブリッシャーから発売される、なんてこともよくあるわけですな(日本でも「カルドセプト」の例もあるけどね〜)。ってことで、ユーザーはパッケージのパブリッシャーロゴよりもデベロッパーロゴを見てソフトを買うってとこも付け加えておくね。

 実は日本でも欧米化が進んでいて、外注のデベロッパーを使うのはフツーになってるし、大きなデベロッパーがパブリッシャーにタイトルを売り込むのは最近当たり前になってるけど、基本は同じタイトルの続編は同じパブリッシャーで発売されるよね。パブリッシャーの移行が頻繁に起こると、ユーザーにとっても不利益だし、パブリッシャーがIPを持っていないと、そのIPを使って自由にマーチャンダイジング(グッズとかへの二次使用)もできないから、「買取」というやり方でデベロッパーに著作権を主張させない、って縛り方もするわけですな。IPの所有者を確認するには、ソフトの(C)マルシーを確認するといいですよん。

 「そうは言ってもおつき合い」文化の日本ではなかなか理解できないことだけど、結構シビアなビジネスディールをするわけですな。だから最近ではM&Aも含めた資本による縛りによって、デベロッパーが自由に複数のパブリッシャーと取引するのを防御する傾向になるわけよ。

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