家の中にゲレンデがひろがる! Wiiだからこそ実現した新感覚のスキーゲーム「ファミリースキー」レビュー(3/3 ページ)

» 2008年02月21日 00時00分 公開
[仗桐安,ITmedia]
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 “じゆうにすべる”の中では、もちろんどこをどう滑ってもいい。最初のうちは目的なくただ滑るだけでも十分に楽しいはずだ。スキーの“滑る行為そのものが楽しい”という感覚を味わえる。

 ただ、そうは言ってもゲームなので、ただ滑るだけのスキーシミュレーターでは終わらない。各地にいるNPCには話しかけることができる人がいる。積極的に話しかけていくと「俺と勝負しろ」とか「うちの生徒を助けてほしい」とか「○○さんを見つけることができるかな?」というような、ちょっとしたイベントが発生するのだ。これらをクリアしていくことで、ゲレンデスターポイントがもらえる。このポイントを集めることでショップにウェアなどのアイテムが追加されていくというシステムだ。

画像画像 話せる人には話しかけていこう。いろんなイベントが盛り沢山だ
画像 着替えの画面でスキーショップを選ぶと、ウェアやグローブ、ストックなど各ギアを付け替えられる

画像 これまたスキー場に行った気になるんですよなあ。写真撮影、ホント楽しいっす

 また、ゲレンデでは時折写真家と遭遇することがある。この写真家に写真を撮ってもらうことでアルバムに写真が保存されていく。自分で背景を決めてポーズを決めて自由に写真を撮るモードもあり、こちらもアルバムに保存が可能だ。これらの写真はWii伝言板に貼ることもできるし、BGMつきのスライドショーを再生することもできる。スキー場での思い出がよみがえる、楽しいオマケ機能だ。

 広大なスキー場を思うがままに楽しむ“じゆうにすべる”に対して、“きょうぎ”では限定された条件で他のプレイヤーやコンピュータとの対戦が楽しめる。チャレンジできるのは“レース”“タイムチャレンジ”“モーグル”の3つだ。最大4人まで参加できて、競技のレベルを決めることでコースも変わってくる。レベルは1から20まであるので、ボリューム的にも申し分ない。競技終了後のリプレイで自分のプレイをチェックすることも可能。友人を呼んで熱いデッドヒートを繰り広げれば盛り上がること間違いなしだ。

画像 ライバルと勝負!
画像 リプレイで自分の滑りを確認することができる
画像 勝利すれば満面の笑みを浮かべるプレイヤーキャラ。Miiの表情の豊かさも楽しさに彩りを添える

今までにないスキーゲーム! 冬のスポーツゲームの定番になりえる良作

 従来のスキーを題材にしたゲームを思い起こすと、ゲーム性重視で、レースやトリックでの技術を競うものが多かったように思う。また、インタフェースはもちろんボタン操作のため、スティックや十字ボタンによる移動は、実際のスキーとは程遠いものだった。

 そう考えると、本作はスキーゲームとしていとも簡単にひとつ上の次元にぴょいっと行ってしまった感がある。本作をプレイしている様子は誰がどう見てもスキーそのものだ。クラウチングの時には実際はしゃがまなくてもいいのだが、体をしゃがませて風を切っているつもりになった方が断然楽しいし、バランスWiiボードを使うときはなりふり構わず腰を振ってターンをした方が面白い。とっつきやすい割にやり込もうと思えばやり込めるゲームバランスもいい。間口の広さと奥の深さを感じさせる内容になっている。

 それでいて、競技的なところではなく、架空のスキー場に来て滑ったり休んだりしているという、その行為自体が楽しいと思える作りになっているのが素晴らしい。事実、筆者はスキー数回、スノボ数回しか行ったことがないので、ウィンタースポーツのコアなファンではないのだが、本作をプレイしたことで無性にスキー場に行きたくなってしまった(まあ、実際は本作みたいに華麗にトリックを決めたりはできないんですがね……)。ゲームをやって本家スポーツをやりたくなる、というのは、それだけ本家スポーツの魅力を表現できているからだろう。

画像

 ただそれに付随して、本作で歯がゆく思ったのは「ふもとのレストランに入りたい!」とか「もっとスキー場のあれやこれやを楽しみたい!」という点だ。ゲームとしてかなり面白いからこそ、そういうぜいたくな注文も出てくるというもの。ついでに欲張りなことを言わせてもらえば「もっと他の山も滑ってみたい!」、「実際のスキー場を再現したコースにも行ってみたい!」、「広瀬香美とかZOOとかウィンターな歌謡曲をもっとかけてほしい!」、「Wi-Fiに対応してほしい!」と、要望は果てしなく広がってしまう(MMORPGならぬ、MMOスキーゲームとか? Xbox 360の「テストドライブ アンリミテッド」のような自由にツーリングできるオンライン化を夢想してしまう)。

 本作がダメだから改善してほしい、ということではないのだ。本作がしっかりバッチリ面白いから、さらに面白いものを期待してしまうのである。今後“スポーツわいわい”シリーズはさまざまなスポーツをゲーム化するのだろうけど、「ファミリースキー2」、「ファミリースキー3」……というように冬の定番スキーゲームとしてフィールドや機能を広げていく、という続編の展開があることを祈らずにはいられない。

 スポーツ好き、スポーツゲーム好きなWiiユーザーの皆様、だまされたと思ってちょっと手にとってみてください。これは長く愛されるスポーツゲームになる! と筆者は断言させていただきます。

ファミリースキー
対応機種 Wii
ジャンル スキー
発売日 2008年1月31日
価格(税込) 5500円
CERO A区分(全年齢対象)
(C)2007 NBGI


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