ニヤけて笑えて素敵にシュール――世にも珍妙なジェスチャー連想ゲーム「ミブリー&テブリー」レビュー(3/3 ページ)

» 2008年03月18日 00時00分 公開
[ITmedia]
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みんなで遊べば大笑い バカバカしくも熱い、最大4人での対戦

 「ひとりであそぶ」を複数人でわいわいとやるのも楽しいが、友人と本作を遊ぶなら「みんなであそぶ」で白熱したバトルを繰り広げてほしい。

 「みんなであそぶ」は、「ひとりであそぶ」とは多少勝手が違う。最大4人での対戦が可能で、最初に設定したクリアスコア(300点、500点、1000点、3000点、5000点から選べる)に1番早く達するか、自分以外のプレイヤーのHPが0になった時点で勝利が確定する。 ここでは、「ひとりであそぶ」で登場する海域や島ではなく、5×5のマスを使って勝負だ。各マスには3、5などの数字が書いてある。この数字が問題の文字数だ。最初の出題マスはランダムに決定され、以降は正解したプレイヤーが次のマスを選ぶことになる。

 また、数字の書かれたマス以外に宝箱のマスもあり、ここで正解すると宝箱をゲット。「高得点」「1点」「爆弾(HPが2減る)」のどれかが入っているので、正解したのに爆弾で脱落……などという理不尽なことも起き得る。宝箱はギャンブル要素の強い両刃の剣なのだ。

画像 クリアスコアの設定でプレイ時間が変わってくる
画像 長い言葉を選ぶか短い言葉を選ぶか……選択権は勝利者にある

 「ひとりであそぶ」では難しい問題に対してヒント魔法を使えたが、「みんなであそぶ」では使うことができない。問題は早押しで、分かった人はすかさずAボタンを押して答えを入力する。1度目のジェスチャーで正解者がいなかった場合に、2度目のジェスチャー再生時にモジモジと同じ効果のヒントが追加される。それでも正解者がいなければ3度目の再生でコエコエと同じ効果のヒント、4度目以降は正解の文字が1文字ずつ追加、というように、何度もジェスチャーを見ればだんだん正解に近づけるようになっているのだ。

 正解に近づくのはもちろん自分だけではなく周りの対戦者も同じ条件。人より早く分かってスコーンと答えた時は爽快だし、逆に自分がさっぱり分からない問題をあっさりあてられた時の悔しさたるやハンパではない! そして調子に乗った正解者が宝箱マスで爆弾をひきあてて憤死したり、「こんなのわかんねえのぉ」と余裕で回答した人が不正解だったりと、とにかくプレイしていて笑いが耐えない。クスクスだったりワハハだったりギャーだったり、本作を大勢でプレイするところには笑いや悲鳴の渦が巻き起こるだろう。深夜のアパートやマンションでのプレイ時には要注意だ。

 なお、「ギャラリーモード」では今までに「ひとりであそぶ」で正解した問題のムービーや、プレイ中に聴いたBGMを鑑賞することができる。ヘンテコな曲が多く収録されているので、ここでBGMのみを楽しむのもいいだろう。

画像 ヒントなしで正解を出した方が高得点を得られる。なるべく少ないヒントで誰よりも早く答えよう
画像 曲名もかなり変です。ギャラリーモードで聴き放題!

この珍味テイスト、ぜひお召しあがりください

 1人でコツコツとやり込むというよりは、大勢でわいわい遊ぶ“接待ゲーム”向きではあるので、家族や友人とWiiで遊ぶ機会が多い人にはオススメだ。ただ、やり込んでいるプレイヤーとやり込んでいないプレイヤーが対戦した場合に明らかな実力差が出てしまうあたりや、問題のボリュームが多いとはいえ、いずれすべてのジェスチャーや粘土を目にしてしまうであろう点などを考えると、延々遊び続けられるようなゲームではないという側面もある。

 また、クラシックコントローラに対応している点からも分かるように、本作はWiiリモコンのポインティング機能を生かすわけでもなく、操作だけ見ればこれまで通りの、ファミコンのようなシステムを採用している。ジェスチャーによる問題の数々はさすがにファミコン方式では無理だが、プレイステーションやNINTENDO64くらいの容量でも十分に実現できるのではないかと思ってしまう。その単純明快なゲームシステムそのものが「なんで今これをWiiで出すんじゃ!」というツッコミを待っている冴えたボケのようにも思えてくる。

画像

 ただ、問題数の限界や単純な内容も踏まえたうえで、それでも本作でできる体験を、いったい他のどのゲームで体験できるだろうか……というところを考えてほしい。分かりやすいものから分かりにくいものまで、わざわざ実写で撮られたジェスチャーで出された問題に答えていくという内容は、現時点では本作でしか味わえないはずだ。前述したが独特のセンスやテイストにピンと来るかどうかも大事なところ。「メイドインワリオ」だとか「せがれいじり」だとか、そういったヘンテコ味のゲームが好きな人であれば、きっと腹をかかえて笑いながら本作を味わい尽くすことだろう。

 けして万人受けな作品ではないが、好きな人にはたまらなくツボな、紛れもない“珍作”。筆者はその称号を、惜しみない愛とともに本作に与えたいと思う。フツーのRPGやアクションに飽きてしまい珍味を食べたくなった時は、ぜひちょいとつまんでみてほしい、愉快なゲームだ。

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