マウスいらずのシンプル操作「タンくる」を遊んでみた「タンくる」インプレッション

先日行われたオンラインシューティング「タンくる」のクローズドβテストに参加してみた。ベルクスとバンダイナムコゲームズによる共同プロジェクト第2弾の中身は?

» 2008年03月25日 16時26分 公開
[麻生ちはや,ITmedia]

名作「バトルシティー」の正統進化?

 3月14日〜17日の4日間、企画・開発はバンダイナムコゲームスが担当し、ベルクスが運営するオンラインシューティング「タンくる」のクローズドβテストが実施された。プレイ可能なゲームモードやアバターアイテムの数は少なかったが、今回はゲームバランスの調整や動作確認が目的のあくまでテクニカルテストだ。これを踏まえたうえで、「タンくる」とは一体どんなゲームなのか、その雰囲気をお伝えしよう。

 「タンくる」は名前も見た目も愛らしいオンラインシューティングゲームだが、そのベースとなっているのは本タイトルの開発元バンダイナムコゲームスが1985年に、ファミリーコンピュータ用ソフトとして発売した名作「バトルシティー」だ。10代〜20代の読者にはいまひとつピンとこないかもしれないが、筆者はこの「バトルシティー」をリアルタイムで遊んだ世代にあたり、「タンくる」のβテストを実は楽しみにしていたプレイヤーの1人だったりする。

 基礎知識としての「バトルシティー」を(ものすごく)簡単に説明すると、プレイヤーは戦車を操作して各ステージで敵戦車を倒しつつ、自軍の司令部を守りきるのが目的。シンプルなゲーム内容なれど、レンガや水、森といった地形を生かしたステージ構成と攻略、完全ランダムに出現するアイテムパネルで微妙に変化する難易度が特徴だ。1人よりも2人協力プレイがより楽しいとあって、友達同士はもちろん、親子でも一緒に遊べる数少ないタイトルであった。

 もちろん、「タンくる」はこのバトルシティーをそのままオンライン版にしたわけではない。2D固定画面のマップはフル3Dにお色直しされ、キャラクター&タンクを用意。4人 vs 4人でスコアを競い合う「チーム戦」もプレイ可能。さて、昔の話はここらでいい加減切り上げて、「タンくる」の詳しいゲーム内容を順番に解説しよう。

キャラクターとタンク達

 対戦に参加する前にまず、プレイヤーは操作するキャラクターを男の子「ヴィノ」か、女の子「ヒノ」のどちらかから選ばねばならない。本家「バトルシティー」に出てくるのは無骨な戦車のみであり、ここで紹介する2人はタンくるオリジナルのキャラクターだ。攻撃/防御/速度という3つのステータスの初期値はどちらも同じだが、ヴィノは序盤成長型で、対するヒノは大器晩成型と紹介されている。4日間のβテストでその差は体感できなかったが、対戦を通じてレベルアップした際の成長率が異なるのだろう。

 キャラクターの顔立ちやアバターアイテムは結構良くできていて、クローズドβテストに参加したプレイヤーの評判も上々。特にヒノはショップに並ぶ衣装も可愛いデザインが多いせいか、ゲーム内ではヒノを使うプレイヤーが心もち多かったような……。

ヒノ
ヴィノ


 プレイヤーが乗り込むタンク(戦車)は各キャラクターが持っている初期タンクとは別に、ゲーム内通貨の「t(タン)」で購入できる高性能なタイプを2種類用意。ゲーム内ではレジェンドタンくると呼ばれるもので、どちらも同じ「ディグダグ」シリーズに登場するキャラクターがモデルになっている。このあたりは、ベルクスとバンダイナムコゲームズによる共同プロジェクト第1弾、「ディグダグアイランド〜南の島のプクプクポン〜」ともうまく絡めているなあといった感じである。

タイゾウタンくる
プーカァタンくる

マウスいらずのシンプル操作で撃ちまくる、2つのゲームモード

 キャラクター作成が終わったら、とりあえず対戦へ。まず「エリア(サーバ)」、次に「フロア(チャンネル)」を選び、あとは空いているルームに入るか自分でルーム作成を行い、チームメンバーを募るだけだ。通常のオンライン対戦ゲームの場合、4人部屋なら2対2のペア戦となるのが一般的だが、タンくるではルームに入ってきた4人は全員同じチームという扱いだ。4人そろった時点でオートマッチングが始まり、相手チームが見つかればそのまま対戦となる。クローズドβテストでは「バーサスバトル」と「バトルロイヤル」のうちバーザスバトルのみプレイ可能で、「チーム戦」と「司令部戦」の2つのルールがある。対戦が始まるまで、どちらのルールになるかプレイヤーは選べないのはちょっと残念だ。

 操作方法はキーボードのみのシンプルさでコントロールパッドにも対応。移動はカーソルキーを使用しサイドステップやダッシュもでき、通常攻撃がZキー、アイテムがVキーに割り当てられている。対戦が始まると視点は背後からの固定となり、画面中央に照準が表示されるFPSライクなインタフェースだ。

 対戦マップはビルや障害物が立ち並び、小さなタンくるに乗った状態では視界がほとんどきかない。ほとんどの建物は攻撃すれば崩れ落ちるので、ドカドカ壊して道を切り開くのは実に気分爽快……なのだが、その分敵チームから発見されやすくもなる。ゲームスタート時にはメンバー全員がばらばらの場所に配置されるが、画面左下のミニレーダーには敵味方双方の位置が示されるので、いち早くメンバーと合流しつつ、あえてビルを壊してショーッとカットを作って油断している敵タンクを襲うのもアリなのだ。次に個々のゲームルールを交えつつ、対戦の様子をスクリーンショットで見ていただこう。

ひたすら敵を倒す「チーム戦」

 チームの合計スコアを競うのがチーム戦。要は1回でも多くの敵タンクをふっ飛ばせばいいだけだ。ほぼ正面しか視界がきかないため、メンバーとの連携がかなり大切。調子にのって敵タンクを追いかけていると回り込まれてしまう。なお、一度倒されても時間内であれば何度でも復活できる。

チームカラーは画面右下のシンボルマークで確認できるが、対戦スタート前に何の説明もないので、慣れないうちは分かりにくい。出会い頭に敵と味方の判別が一瞬つきづらく、システム的にもうひと工夫ほしい
HPがゼロになると、くるくるくる〜っと空高く舞い上がってマップのどこかへ吹っ飛ばされ、そこから再スタートとなる。体制を立て直す時間を与えるためだろうが、まれに敵メンバーのまん前に落とされたことも……
お試し用として豊富なゲーム内通貨が配布されたので、前方を焼き尽くすアイテム「火炎」を装備して使ってみた。なかなか派手なエフェクトでいい気分だ

バトルシティらしさが味わえる「司令部戦」

 一方の司令部戦は、かつての「バトルシティー」らしさが強いゲームルールだ。マップのどこかに配置されている、敵司令部を先に破壊した方が勝利するわけだが、全員で敵司令部めがけてダッシュするもよし、2名を防衛に残して自軍の破壊を遅らせる作戦をとるもよし。先に述べたようにゲームスタート時には、マップのどこから自分のタンクが配置されるのか分からない。敵司令部からやたらと遠い場所にいる場合は、無理せず敵の妨害に回るといった作戦を事前にメンバー同士で話し合っておくことも必要だ。

少々分かりにくいかもしれないが、ビルの向こうにチラっと見えるのが敵司令部のシンボル。初めて目にしたときは思わず懐かしさがこみあげた、というには言いすぎ?
周囲の障害物をはねのけ、あとはひたすら敵司令部めがけてどっかんどっかん撃ちまくるだけ。当然敵チームも同じことをしているので、あとは時間との勝負だ
勝負が付くと、目の前で司令部のシンボルが煙とともに沈んでいく。正直あまりにモロいので、もう少し耐久度を持たせてほしかった

次回βテストまでの改善に期待を

 4日間のクローズドβテストを体験してみたが、テクニカルテストと言えども、なかなか厳しい部分が目に付いた。例えばチーム戦と司令部戦の2つがありながら、どちらのルールになるかは完全ランダムで、しかもローディング中に短時間しか表示されない点。初めて参加したプレイヤーの多くが「何をすればいいの?」ととまどうばかりで、対戦が終わってしまったり少々不親切な作りだ。公式サイトでうたっているシューティングの爽快さ、という部分も正直なところ感じられず、テスターに当選したものの、数回試してあとはログインせずというユーザーが多かったのではないだろうか?

 その結果、14日の金曜日にスタートしたにもかかわらず、土曜日の午後9時〜0時というゴールデンタイムには、既に対戦相手がみつからないという状況であった。対戦までに8名がそろわねばならないのは、クローズドβテストの環境下では厳しい条件だ。

 名作バトルシティーというベース、ユーザー受けはよかったアバター要素などはこのまま埋もれさせるには惜しい。今回のテスト結果を修正・バランス調整に反映させて、よりよい形で戻ってきてくれることに期待したい。

(C)2008 NBGI Published by VerX Inc.

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2404/19/news036.jpg 1歳赤ちゃん、寝る時間に現れないと思ったら…… 思わぬお仲間連れとご紹介が「めっちゃくちゃ可愛い」と220万再生
  2. /nl/articles/2404/17/news037.jpg 【今日の計算】「8+9÷3−5」を計算せよ
  3. /nl/articles/2404/19/news128.jpg 「プロ野球チップス」で誤字 伊藤大海投手を「176m」と記載してカルビー謝罪
  4. /nl/articles/2404/16/news112.jpg 「ママ友襲来10分前」→さぁ、どうする……? 大爆笑の“あるある”再現が400万再生突破「腹ちぎれました」「バナナ食べんでもええやん」
  5. /nl/articles/2404/18/news134.jpg 21歳の無名アイドル、ビジュアル拡散で「あの頃の橋本環奈すぎる」とSNS騒然 「実物の方が可愛い」「見つかっちゃったなー」の声も
  6. /nl/articles/2404/18/news032.jpg 2カ月赤ちゃん、おばあちゃんに手をスリスリされた瞬間…… 愛と幸せあふれる空間に笑顔になる「これぞ天使だ」
  7. /nl/articles/2404/18/news130.jpg 漂う違法感 東京に戻る息子へ持たせた“大量のブツ”に「九州人あるある」「帰省からの帰りいつもこれ」の声
  8. /nl/articles/2404/18/news176.jpg 「大型魚の餌に!!」 熱帯魚店の“思わず目を疑うPOP”に恐怖 「サメでも飼うの?」
  9. /nl/articles/2404/18/news015.jpg 【追記】クルマのヘッドライトを「魔法の水」で磨いてみたら…… SNSで話題「ダイソーのアルカリ電解水」の効果に「今日やってみます」「参考になりました」の声
  10. /nl/articles/2404/16/news135.jpg 鼻がムズムズの2カ月赤ちゃん、息を吸い込んだ次の瞬間……! まるで天使な8秒に「このくしゃみは何!?」「全てがかわいい」
先週の総合アクセスTOP10
  1. 生後2カ月の赤ちゃんにママが話しかけると、次の瞬間かわいすぎる反応が! 「天使」「なんか泣けてきた」と癒やされた人続出
  2. 車検に出した軽トラの荷台に乗っていた生後3日の子猫、保護して育てた3年後…… 驚きの現在に大反響「天使が女神に」「目眩が」
  3. 安達祐実、成人した娘とのレアな2ショット披露 「ママには見えない!」「とても似ててびっくり」と驚きの声
  4. 兄が10歳下の妹に無償の愛を注ぎ続けて2年後…… ママも驚きの光景に「尊すぎてコメントが浮かばねぇ」「最高のにいに」
  5. “これが普通だと思っていた柴犬のお風呂の入れ方が特殊すぎた” 予想外の体勢に「今まで観てきた入浴法で1番かわいい」
  6. 「虎に翼」、新キャラの俳優に注目が集まる 「綺麗な人だね」「まさか日本のドラマでお目にかかれるとは!」
  7. 「葬送のフリーレン」ユーベルのコスプレがまるで実写版 「ジト目が完璧」と27万いいねの好評
  8. お花見でも大活躍する「2杯のドリンクを片手で持つ方法」 目からウロコの裏技に「えぇーーすごーーい」「やってみます!」
  9. 弟から出産祝いをもらったら…… 爆笑の悲劇に「めっちゃおもろ可愛いんだけどw」「笑いこらえるの無理でした」
  10. 3カ月の赤ちゃん、パパに“しーっ”とされた反応が「可愛いぁぁぁぁ」と200万再生 無邪気なお返事としぐさから幸せがあふれ出す
先月の総合アクセスTOP10
  1. フワちゃん、弟の結婚式で卑劣な行為に「席次見て名前覚えたからな」 めでたい場でのひんしゅく行為に「プライベート守ろうよ!」の声
  2. 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
  3. 水道検針員から直筆の手紙、驚き確認すると…… メーターボックスで起きた珍事が300万再生「これはびっくり」「生命の逞しさ」
  4. フワちゃん、収録中に見えてはいけない“部位”が映る まさかの露出に「拡大しちゃったじゃん」「またか」の声
  5. スーパーで売れ残っていた半額のカニを水槽に入れてみたら…… 220万再生された涙の結末に「切なくなった」「凄く感動」
  6. 桐朋高等学校、78期卒業生の答辞に賛辞やまず 「只者ではない」「感動のあまり泣いて10回読み直した」
  7. 「これは悲劇」 ヤマザキ“春のパンまつり”シールを集めていたはずなのに…… 途中で気づいたまさかの現実
  8. 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
  9. がん闘病中の見栄晴、20回以上の放射線治療を受け変化が…… 「痛がゆくなって来ました」
  10. 食べ終わったパイナップルの葉を土に植えたら…… 3年半後、目を疑う結果に「もう、ただただ感動です」「ちょっと泣きそう」