連載
2008年05月19日 14時52分 更新

ゲイムマンの「レトロゲームが大好きだ」:

出世指南のシリアスゲーム「太閤立志伝」 (1/5)

この連載ではたいがい昔のことばかり書いてますが、今回は一気に戦国時代まで飛んでみます。連載第60回は「太閤立志伝」(コーエー)。個人的に思い入れのあったゲームなんで、ゆかりの場所もあちこち回ってみました。
画像 豊臣秀吉の居城だった大阪城にて。今回は秀吉ゆかりの地を巡ってみた

 「信長の野望」や「三國志」は、シリアスゲームのはしりみたいなもので、組織を運営する上で大事な要素が盛り込まれている。生産力を上げなければ軍事力も上がらない、民の暮らしを良くして忠誠度を上げる、などなど。実際のビジネスシーンにおいても役に立ちそうなゲームであり、事実、社員教育に使った会社もあったらしい(参考:「電脳遊技考」山下章著、電波新聞社)。

 わたしも学生時代からハマった。これらのゲームをプレイした経験が、実生活で役に立ちそうだなと思いつつプレイしていたが、当時から始めていたライター業において、その経験はあまり役に立たなかった。

 主人公が最初から、組織の長だったからである。

 どちらのゲームも、組織を率いる人(編集長とか)にとっては大いに参考になるかもしれないが、駆け出しのライターが参考にできる要素は少ない。

 わたしは、「駆け出しの状態からのし上がっていくシミュレーションゲームがないかなあ」とずっと思っていた(当時PCに「斬〜陽炎の時代〜」(ウルフチーム)というゲームがあったが、まだ家庭用ゲーム機に移植されていなかった)。

 それから少し経った1992年。光栄(現・コーエー)が、“リコエイションゲーム”シリーズの一作として、豊臣秀吉を主人公にしたゲームを発売した。それが「太閤立志伝」である。

画像 オープニングデモの木下藤吉郎。「太閤立志伝」は彼に焦点を当てて戦国時代を描いた作品だ(画面はスーパーファミコン版)

 “リコエイションゲーム”とは、シミュレーションゲームにRPGの要素を取り入れたもので、1人の主人公が成長しながら、だんだん目的に近づいていく。1988年の「維新の嵐」に端を発し、「太閤立志伝」のほかに、「大航海時代」「伊忍道 打倒信長」「三國志英傑伝」なども登場した。

 「太閤立志伝」は、豊臣秀吉の人生をシミュレートしたゲーム。本能寺の変が起こってからは独立した大名となるが、それまではもっぱら織田信長の家中での出世を目指すことになる。

 このゲームの発売当時わたしは、連載を持っていた「ウォーロック」という雑誌が突然休刊になり、浪人状態だった。そこから新たな雑誌に“仕官”し、トップクラスのライターに成り上がるために、「太閤立志伝」は参考になるだろうと思ったのだ。

 しかしわたしは当時PCを持っていなかったので、初めてプレイした「太閤立志伝」は、翌1993年に発売されたスーパーファミコン版。わたしは「HiPPON SUPER!」で1回だけ記事を書いた後、「マイコンBASICマガジン」でお仕事をいただけるようになったばかり。より「太閤立志伝」ゲームスタート時の秀吉(木下藤吉郎)に近い立場となって、ゲームをプレイすることになった。

清洲城で雑務を積極的にこなす

画像 清洲城。朱塗りの橋や、枯山水の庭も印象的。名古屋から清洲・新清洲までは電車で10分くらい

 JR清洲駅、または名鉄新清洲駅から徒歩15分ほどの所に清洲城がある。すぐ近くを東海道線の線路が通るが駅がない。

 清洲城の天守閣は、1989年(平成元年)に復元された。木下藤吉郎がいた時代よりもう少し後、織田信雄(のぶかつ)が城主だった頃の姿を再現しているとされるが、当時の資料が少ないため、推測に基づく部分も多いようだ。高欄からは、名古屋駅(JRセントラルタワーズ)や、東海道線の電車、新幹線がよく見える。

 城内では、桶狭間に出陣する前、織田信長が敦盛を舞う場面が再現されている。

 「太閤立志伝」は1560年5月19日の、桶狭間の戦いから始まる。清洲城で敦盛を舞った織田信長は、わずか4千の軍勢で、田楽狭間に駐留していた今川義元の本隊に突撃。首尾よく義元を討ち果たし、清洲城に帰還した。

 ゲームの中で木下藤吉郎は、足軽頭として戦いに加わるが、ここではあまり活躍できない。本格的にゲームが始まるのは、今川家の脅威が去り、つかの間の平和が訪れた清洲城からとなる。


画像 桶狭間では野戦となるが、義元を討ち取られた今川軍の士気は急激に低下。織田軍に蹴散らされる
画像 月1回の評定では、積極的に具申して仕事をもらおう

 評定に参加する人々の中で、藤吉郎は一番の下っ端。ということで毎月、兵糧の売却を命じられる。誰でもできる仕事だからということだが、お米屋さんとの交渉次第で、成果に大きな差が現れる。

 まず、どこの町でも米の価格は同じなので、清洲城から最も近い、稲葉山の町の米屋へ行く。最初に買取価格が提示されるが、これでOKしてはいけない。もうちょっと高く買ってくれるよう、繰り返しお願いするのだ。途中で米屋が怒り出して、交渉不成立となることもあるが、いったん店を出てすぐ入れば、また最初から交渉が始まる。粘りに粘って、米2000石を金1000貫以上で買ってもらったら、得られる信頼値(信長から得られる信頼の度合)は大きくなる。

 このように、信長から与えられた「主命」をこなすと、その結果や主命の内容によって信頼値が上がる(失敗した場合は下がることも)。また、主命の種類によって、藤吉郎の能力値も増減する。物の売り買いではおもに内政能力が、情報収集や敵将調略では外交能力などが、合戦参加では武力や統率力が上がる。

 兵糧売却は2日か3日もあれば終わるので、次の評定までかなりの時間が余る。だからその余った時間で、藤吉郎の能力を上げることに努めるといい。町の馬屋で下働きすると、騎馬を扱う能力が上がることがある。鍛冶屋なら鉄砲を扱う能力だ。ただし、重労働なので体力が下がる。特に鍛冶屋の仕事はきつい。

 武力は、自分より武力の高い同僚に頼み、剣術の訓練をして鍛えるのが基本。一方的に攻撃されてしまうと効果がないので、藤吉郎より武力が少し高くて、戦術レベルが低めの相手に習うのが理想。

 そのほかの能力向上にはアイテムが必要となるので、収入の少ない今の段階では難しい。ただし前田利家は親友なので、築城レベルCまでは無料で教えてくれる。

 せっせと米売りに精を出し、少しずつだが信長の信頼を得て、足軽頭から物頭に出世した頃、藤吉郎に新たな転機が訪れる。

画像 米屋では、たとえ「商売の邪魔だ」と追い払われても、粘り強く交渉して兵糧を高く売ろう
画像 馬屋で働くと体力が減る。お金に余裕があったら、医者に体力を回復してもらえば繰り返し働ける
画像 個人戦や剣術訓練では、武力はもちろん、戦術レベル(実戦経験)や、持っている武器も影響する
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