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2008年05月30日 17時43分 更新

ロード時間短縮の切り札――CRI・ミドルウェアより発売

圧縮すればするほどロード時間が早くなる?

 CRI・ミドルウェアは、プレイヤーを待たせないゲームを実現するための新しいファイルシステム「ファイルマジックPRO」をゲーム開発者向けに提供すると発表した。

 ゲームをロードする際の「Now Loading」という画面表示が当たり前になって久しいが、実際プレイヤーにとっても、ゲーム開発者にとってもこの待ち時間は本意ではない。CRI・ミドルウェアの統計によれば、ゲームクリエイターの89%が「ロード時間の短縮」についての悩みを抱えており、その解決手法を探しているとのこと。快適にゲームを楽しむことへの重要性が高まっていることを鑑みて、「ファイルマジックPRO」が「圧縮&展開」と「ファイル配置の最適化」により、ロード時間を半分以下に削減した。

 ロード時間とは、ゲームの起動時やステージの変わり目などに、DVDディスクなどの記録メディアからゲーム機本体の内蔵メモリ領域にプログラムやデータを読み込むのにかかる時間を指す。一般的に、ロード中はゲームを遊ぶことができないため、プレイヤーはロードが終了するまで待たされることになる。そこでクリエイターは、ロード中にゲームの操作方法や攻略ヒントを表示したり、アニメーションを再生したりと、待ち時間の苦痛を和らげるための工夫が行われてきた。しかし、それにも限界がある。開発者は、常にロード時間そのものを短くするための根本的な解決策を求めていたのだ。

 「ファイルマジックPRO」は、圧縮することで読み込むファイル自体のサイズを縮小している。一般的な圧縮展開手法では、圧縮して読み込んでも展開処理に時間がかかり、かえってゲームプレイまでの時間が長くなる傾向があったが、独自の展開技術「マジック・ディコンプ」を採用し、ワークメモリを一切使用せずCPUの空き時間にバックグラウンドで展開処理を行うことで、読み込み処理と展開処理とを並列実行することで、(実効)展開時間をほぼゼロにすることを可能とした。

 “圧縮すればするほどロード時間が早くなる”」という仕組みを実現し、ロード時間削減に成功したのだ。ここで、非圧縮の場合と比べてみよう。ロードのスピードは2倍以上となったことが分かる。

ファイル圧縮によるファイルロード時間短縮の効果

プラットフォーム非圧縮圧縮速度比
Wii10.9秒4.6秒2.4倍
Wiiウェア2.3秒1.1秒2.1倍
Xbox 36036.3秒15.5秒2.3倍
プレイステーション 322.8秒9.9秒2.3倍
PSP11.1秒5.0秒2.2倍
ニンテンドーDS1.4秒1.0秒1.4倍

 さらに、ファイルのディスク上での配置を最適化することで、シークの発生を抑え、ロード時間を削減している。シークとはディスク上の特定の位置からファイルを読み込むためにヘッド(ピックアップ)を物理的に移動させることだが、シークには非常に時間がかかるため、その発生を抑えることはロード時間短縮の大きな要因となりえる。

 「ファイルマジックPRO」は、このファイル配置の最適化を実現するために「グループロード機能」と「デュプリケート機能」という2つの機能を搭載した。「グループロード機能」は、大量のファイル群をあらかじめグループ化しておき一括ロードする機能で、ファイル同士を近接配置することでロード時間を短縮。「デュプリケート機能」は、特定のシーンで使用するファイルが別のシーンでも使われるような場合に、そのファイルを自動的にデュプリケート(複製)し、それぞれのシーンの近くに配置する機能だ。これにより、ディスク上の未使用領域を最大限に活用し、ロード時間を短縮できるというわけだ。

 なお、ファイル圧縮には「ロード時間が短縮できる」というメリットだけでなく、「メディアへ収めるファイル量を増やすことができる」という側面もある。事実、多くのクリエイターはゲームメディアの容量不足に悩んでいる。メディアの有効活用という点でも大きく貢献できるだろう。

 「ファイルマジックPRO」は、2008年10月より提供を開始。全機能が利用可能な「ファイルマジックPRO」と、機能を絞った「ファイルマジック Standard」の2種類が用意される予定だ。

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