レビュー
2008年05月30日 19時11分 更新

「オレンジボックス」レビュー:

FPSファンはこれを遊ばなきゃモグリ!――傑作FPSが5本も遊べてお得 (1/3)

FPSに多大な影響を与えた「ハーフライフ2」をはじめ、FPS作品が5本パックになった作品が登場。どの作品もボリュームたっぷり、これだけで相当長時間遊べることは間違いナシだ。

そんで、どんなゲームが入っているの?

wk_080530orange01.jpg 5本のゲームが収録されているが、ゲームディスクはDVD1枚のみ。起動後、メニューから遊びたい作品を選択する仕組み

 エレクトロニック・アーツより、FPS5本がセットになったXbox 360用ソフト「オレンジボックス」が発売された。収録されている作品は下記の通り。

  • 「ハーフライフ2」
  • 「ハーフライフ2:エピソード1」
  • 「ハーフライフ2:エピソード2」
  • 「ポータル」
  • 「チームフォートレス2」

 日本ではなじみが薄いが、ゲーマーの諸兄ならば、名前を聞いたことがあるタイトルがあるかもしれない。いずれにせよ、どのゲームもきっちりと独立して作りこまれており(「ハーフライフ2」および「ハーフライフ2:エピソード1」は、数年前にPC版が単品で発売されている)、ミニゲーム集とは一線を画しているので誤解のなきよう。では、各々の作品を個別に見ていこう。

「ハーフライフ2」シリーズは全部入り!

 オリジナルのPC版は2004年に発売された「ハーフライフ2」。その後日談である「ハーフライフ2:エピソード1」、さらにその後を描いた「ハーフライフ2:エピソード2」の3作品がすべて収録されているため、本作ひとつで「ハーフライフ2」シリーズの物語を余すことなく楽しめる。

 オリジナル版は意外と古い「ハーフライフ2」だが、実は家庭用ゲーム機で日本語版が登場するのはこれが初めて(海外では初代Xboxに移植された)。海外版やPCゲームに手を出さない一般ユーザーにしてみれば、「なんかウワサのすげぇゲームがやっと遊べる!」というワケで、実はこのタイトルを期待していた人もかなり多いのではと予想している。

 というわけでストーリーを解説……と思ったのだが、その前に前作「ハーフライフ」のあらすじをサラッと紹介しよう。ブラック・メサという研究所に赴任してきた、主人公のゴードン・フリーマン博士。だが研究所で大事故が発生、異界との扉が開いてしまい、エイリアンが襲ってきた! さらに政府はこの事故をもみ消そうと考え、関係者を抹殺するために軍隊を派遣してきた。かくして、ゴードン博士、米軍、エイリアンの三つ巴の戦いが発生したのだ。

 「ハーフライフ2」は、その後の物語。異次元に幽閉されていたゴードン博士だが、気がつくと“シティ17”へ向かう電車の中に乗り込んでいた。しかも、あの事件から15年ほど経過しているようだ。“シティ17”では、ブラック・メサ時代の上司ブリーン博士が都市を牛耳っており、コンバイン兵とよばれる兵士が都市を管理し、一般人は虐げられている。

 右も左も分からぬゴードン博士だが、ナニが気に食わなかったのか、一人のコンバイン兵に目をつけられ、別室へ連れ込まれてしまう。そこに待ち受けていたのは拷問……ではなく、かつての仲間であるバーニィだった。

wk_080530orange02.jpg ゴードン博士がたどり着いたシティ17は、高圧的なコンバイン兵が監視する、息苦しい管理都市であった
wk_080530orange03.jpg かつての仲間、バーニィと再開! 以後もことあるごとにゴードン博士をサポートしてくれる、頼れる仲間だ

 表向きはコンバイン兵となったバーニィだが、裏では打倒ブリーン博士を目指すレジスタンスとして活動している。ゴードン博士もこのレジスタンスに加わり、ブリーン博士とエイリアンを打ちのめすために戦いへと赴く……というのが本作の物語だ。あー、長い!

撃つだけがFPSじゃないんですよ!

 さて、FPSをあまり知らない人は、FPSは「とにかく敵を撃つだけのゲーム」だと思っているかもしれない。確かにそんなFPSもあり(「Serious Sam」とかネ)、また撃つことは楽しいのだが、本作は全然違う。銃撃戦と謎解きが半々ぐらいで、さらに武器も銃器以外がたっぷりあるため、むしろ全体的に見ると“銃撃戦”はかなり少ない。

 では、その謎解きから紹介しよう。本作は物理エンジンを採用しており、その仕組みを使ったトラップが非常に多い。物理エンジンとは、簡単にいえば現実世界と同じように、ゲーム中の物を動かせるシステム、と認識しておけばいいだろう。

 例えば、高い位置にある窓から脱出したい場合。そのままでは届かないので、周囲を見回して見ると、木箱が置かれている。これを動かして積み重ね、足場として高い位置へ移動し、窓から脱出する……といった具合だ。

wk_080530orange04.jpg ゲーム中にあるアイテムは、基本的になんでも持てる。序盤では、コンバイン兵に空き缶を捨てるよう命令されたり……
wk_080530orange05.jpg 最序盤のトラップの1つ。このように木箱を積み重ね、その上に乗れば、高い場所にある窓から出られる、というワケ

 また、埋まった土管の上に大きな木の板が置かれているとしよう。木の板はシーソーのように動くので、高い位置からジャンプして目的の位置へ行こうとしても、乗った瞬間に主人公の体重で板が下がってしまう。

 そこで、周囲にあるブロックをシーソーの片側に置くと、その重さでシーソーが固定され、主人公が乗ってもしばらくはシーソーが傾かず、高い位置からジャンプできるのである。

 ゲーム中はこのような謎解きをタップリ楽しめる。ただし、どれもちょっと考えればすぐに分かるようなモノばかりなので、解けなくて詰まってしまう、なんてことはほぼないはずだ。軽い頭の体操感覚で楽しめるのである。

多彩な武器も魅力いっぱい

 本作に登場する武器も、変わったものが多い。拳銃やマシンガンなどスタンダードなものもあるが、ここでは本作ならではのモノを紹介しよう。

 まずは、重力銃。これは、木箱やボールなどのアイテムを引き寄せ、強烈な勢いで発射できるという武器。本来は危険物を扱うために開発されたらしいが、ゴードン博士の手にかかれば強力無比な武器に早変わりしてしまう。

 そのあたりにあるドラム缶を引き寄せれば、敵の弾丸をはじく盾として使える。そのまま敵に近づき、ドラム缶を投げ飛ばせば、敵を倒すことだってできるのだ。また、丸ノコの歯を吹き飛ばせば、ゾンビを真っ二つにすることもできる。設置されているタレット(銃座)は、そのまま重力銃で吹き飛ばせばいい。

 また、道をふさぐ廃車の山をどかすといった、トラップを突破するために使うことももちろん可能だ。とにかくなんでもホイホイ引き寄せて投げ飛ばす、この爽快感は本作ならでは。銃器と違い、残弾数を気にしながら戦う必要も無いので(周囲にアイテムがあるかどうかは気にかけないとダメだけど)、とにかく使い勝手がいいのだ。

wk_080530orange06.jpg そこいらのアイテムを吹き飛ばして攻撃する、重力銃。ブレードを投げ飛ばせばゾンビも一撃で倒せる
wk_080530orange07.jpg 所持して使うものではないが、飛行機のエンジンを縦に置いたような武器も。スイッチを入れるとプロペラがくるくる回り、近づいてきたゾンビをこれまた真っ二つにできる

 もう1つの変り種武器は、“フェロポッド”という。ゲーム中盤で、昆虫型の敵“アントライオン”が登場するのだが、それを操れるというものだ。それまではやっかいな敵だったアントライオンが、一変して頼もしい味方になるのは快感である。

 使い方は、攻撃したい付近にフェロポッドを投げるだけ。アントライオンはその位置に向かって移動し、付近に敵がいれば勝手に攻撃する。また、倒されても次々と新しいアントライオンが現れる。こちらも重力銃と同じく弾数がないため、無限に利用できるのがうれしい。ただし、アントライオンは砂の中に生息しているため、砂地でなければ利用できないという制限がある。

 こういった「ハーフライフ2」ならではの武器を利用して戦うバトルは、銃器を使う戦闘とは大きく異なる魅力がある。ドラム缶を投げてコンバイン兵を吹き飛ばせば爽快感満点だし、フェロポッドを使えば百獣の王になった気分すら味わえる。もちろん、強力な武器であることは間違いないが、何も考えずに使っても勝てるというほど甘くはないので、戦闘の戦略性も楽しめるわけだ。

wk_080530orange08.jpg 手に持っているのがフェロポッド。これを投げた場所に、アントライオンという巨大な昆虫が集まり、敵を攻撃する。ゴードン博士自身は攻撃されない
wk_080530orange09.jpg フェロポッドをコンバイン兵に直接ぶつけると、慌てふためき、短時間無力化することができる。こういった戦い方もできるのだ
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[板橋舟人,ITmedia]

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