イカしたオヤジたちが繰り広げる裏切りと哀愁のクライムアクション! 「KANE&LYNCH」は映画を超えた!?:「KANE&LYNCH:DEAD MEN」発売直前リポート(2/2 ページ)
今回は4人で「フラジールアライアンス」を体験した。最初にプレイしたのはコーヒーショップのステージ。議員と護衛たちが運んでいる現金をいただく、というのが強盗としての目的だ。スタート地点から道路を渡ったところにあるバーガーショップを目指し、さっそくミッション開始!
まずは店外にいる警備員を狙撃し、4人でバーガーショップに侵入。護衛の抵抗を排除していると、後ろのレジを開ける音が。振り返ると、K氏がこっそりレジからお金を回収していた。「……こっちが命がけで戦ってるのに、レジからお金抜いてるのかよ!」 あとで裏切り&処刑することに決定。K氏、これはそういうゲームなので恨まないでください。床にうずくまっている一般人からも抜け目なく現金を回収し、店の裏口へ。この広場に脱出用の車がやってくるはずだ。だが、向かいの建物が怪しい。
様子を見に行くと、今回のミッションの目的である現金を護衛するガードマンがうろうろ。こいつらを倒して大金をいただくとしよう、と勇んで突入したが、死んでしまったことで強盗から警備員に姿を変えていたプロデューサー赤石沢氏が、突然目の前に出現! どうやら、大金に寄せられて近寄ってくるプレイヤーを待ち伏せしていたようだ。あえなくヤられている間に、I氏が1人で脱出成功。小額ながらも無事お金をゲットして脱出したI氏がトップ、筆者を倒して賞金を獲得したプロデューサー赤石沢氏が2位となった。筆者は莫大なお金に目がくらんで、逃げられるときに逃げなかったために持っていた数万ドルを失ってしまった。裏切るタイミングだけでなく、逃げるタイミングも重要なようだ。死んでしまっては元も子もないので、お金よりも命を優先にしないといけないのだ。
次は宝石店のステージにチャレンジ。最上階3階からスタートして、2階の宝石店でお宝を回収、1階のエントランスにやってくる車で脱出するという流れ。2階の宝石店を襲撃しているあたりで、警備員に加えてSWATチームが1階に突入してくる。SWATはかなりの強敵なので、うかつに仲間を裏切ればあっさり全滅しかねない。そこで一計を案じた筆者、宝石店を襲う仲間を尻目にまずは1階へ。SWATもやりすごし、ひたすら脱出用の車近くで姿を隠す。そのうちSWATチームとの戦いを切り抜けたI氏が巨額のお金を抱えて登場! 頭上に所持金額が表示されているのだが、あまりにケタが多くて一瞬いくらか分かりませんでした。
ここぞとばかりにI氏に銃弾を浴びせる筆者。しかし、I氏はなかなか倒れない。お宝を持った状態で攻撃を受けると、体力より先に所持金が減るシステム。つまり、お宝をたくさん持っていれば体力が多くなっているのと同じことなのだ。結局I氏は所持金が多少減った状態で脱出。筆者はI氏を追ってきたSWATに攻撃され、ほうほうの体で脱出した。脱出時の所持金、I氏38万ドルに対して筆者2万ドル。だが、脱出した2人で20万ドルずつの山分けになるので、筆者は18万ドル得した計算になる。楽して儲けてごめんなさい。だが、作戦は大成功だ。
筆者はこのモードの特性を生かすべく、なるべく積極的に裏切るようにプレイを進めたので、一緒にプレイしたプロデューサー赤石沢氏、+D Games編集部編集担当K氏、I氏からすればうとましい存在だったのは間違いないだろう(苦笑)。
見ず知らずの相手とネット上でプレイするのもよし、仲のいい友達とプレイして、相手の本性を知るのもよし。フラジールアライアンスは、裏切りと協力の絶妙なバランスが勝負を分けるなど、これまでのゲームにはなかった緊張感と駆け引きが楽しめるモードだ。
テレビの洋画劇場を強く意識しました
フラジールアライアンスで過激な対戦をしたあと対戦興奮も冷めやらぬ中、プロデューサーの赤石沢氏に本作の魅力について聞いてみた。
―― ジャンル名が「シネマティックシューター」となっています。これはどういう意図でつけた名前なんでしょうか。
赤石沢氏 その名のとおり「シネマ=映画」を強く意識しています。私はもともと映画が好きなんですが、特に日本語吹き替えしたものが好きなので、あの独特の世界観を出したかったんですよ。「シネマティックシューター」は、社内で検討して決めたジャンル名なのですが、他に挙がったキーワードとしては"オヤジ"とか“激シブ"、“チョイ悪”……、彼らのワルぶりはチョイじゃないですから“極ワル”なんてのもありましたね。
―― 日本語吹き替えの声優さんにブルース・ウィリスの吹き替えをしている内田直哉んや、大ベテランの麦人さんを起用したのも、映画を意識してのことですか。
赤石沢氏 そうですね。もともと映画を強く意識しているゲームですから、日本版にローカライズするときもそこにはこだわりをもってやりました。登場人物のセリフもアメリカ版の直訳ではなく、ちゃんと生きたセリフにしています。いわゆるアメリカンジョークは、直訳したらどこが面白いのか分からなくなってしまいます。そういうところには気を使ってセリフを作っています。
―― ハリウッドで映画化、しかもゲーム発売前に決定したということですが。
赤石沢氏 映画会社がゲームのシナリオや設定資料を見て映画化権を買った、ということのようです。それだけ、ストーリーや世界観に魅力があったのだと思います。噂の範囲内ですが、主演のケイン役は、ブルース・ウィリスに声をかけているみたいですよ。日本語吹き替えで内田直哉さんをケイン役でお願いしたのも、実はそれを意識してのことです。リンチ役はアンジェリーナ・ジョリーの元夫で、映画「アルマゲドン」に出ていたビリー・ボブ・ソーントンという話ですね。アメリカでは、様々なメディアにプレスキトが配られたのですが、それがとても凝った作りだったので、話題になったんですよ。キットの中身は、ケインやリンチが捕まったときの取り調べ調書や指紋を採取した証拠物などが収められていて、架空のジャーナリストが情報を横流ししてメディアに送ったという設定になっているんです。とても1つのゲームタイトルのためだけに作られたプレスキットと思えないですね。それだけ気合いを入れて作られた作品なんです。
―― 男2人が主人公というと、いわゆる「バディ・ムービー(主人公と相棒が掛け合いをしながら行動する。映画「ラッシュアワー」など)」的なものを想像しますが、ケインとリンチの2人はちょっとあてはまらないような気もしますが。
赤石沢氏 最初の設定ではそうは見えないでしょうが、ゲームが進行していくうちに2人の関係はどんどん変化していきます。そのあたりのストーリー進行もとても面白いですよ。また、主人公はあくまでケインですが、このゲームはリンチが精神的に成長する物語でもあります。ゲームが進むうちに、2人への見方がどんどん変わっていくはずです。
―― キャスティングやシナリオ以外で、「シネマティック」なポイントを教えてください。
赤石沢氏 登場する銃器は、名前こそ別の名前になっていますが、好きな人が見れば「ああ、あれだな」と分かるようにしっかりモデリングされたものになっています。ゲームが進むとケインとリンチをは世界中を回ることになりますが、皆さんおなじみの極東のある国では、本物そっくりの制服を着て本物そっくりのパトカーに乗った警官が登場しますよ。制帽には代紋もバッチリついています。当初は、規制されるかどうか心配していたのですが、そのままを提供できるのでひと安心しました。
―― 最後に、期待している皆さんへメッセージをお願いします。
赤石沢氏 セリフや吹き替えなど、ローカライズには非常に気を使いました。日本語吹き替えだけではなく、英語音声+日本語字幕にも切り替えられるようになっていますので、元のセリフが気になる方はそちらもあわせて見ていただくと、より「KANE&LYNCH」の世界を楽しめると思いますよ。
「KANE&LYNCH:DEAD MEN」(ケイン&リンチ:デッドメン) | |
対応機種 | プレイステーション 3、Xbox 360 |
メーカー | スパイク |
ジャンル | シネマティックシューター |
発売予定日 | プレイステーション 3/Xbox 360版:7月10日 |
価格 | 7140円(税込) |
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