ゲーム漫画好きの必読書「雑君青保プ」と「雑君赤保プ」が発売日々是遊戯

デビューはアーケード専門誌「ゲーメスト」。以降、ゲーム専門誌を中心に数多くのゲームパロディ漫画を送り出してきた、自称“毒POP漫画家”雑君保プのお仕事が、2冊にまとめられて発売となった。

» 2008年07月23日 15時30分 公開
[池谷勇人,ITmedia]

独特のシュール&シニカルギャグに酔いまくり

 雑君保プ、と聞いてすぐに「あ、ゲーメストの人ね」と浮かぶ人は、たぶん青春時代をゲームセンターで過ごした、バリバリの格闘ゲーム世代だろう。中には「あ、ゲームサイド(ユーゲー)の人ね」という、レトロゲーム好きな若者もいるかもしれない。

 そんな知る人ぞ知るゲームパロディ漫画家・雑君保プ先生のコミックが、このたび2冊にまとめられてマイクロマガジンより発売となった。

 タイトル名は「雑君青保プ」と「雑君赤保プ」。デビュー連載の「ゲーセンおわらえ」から、現在もマイクロマガジン社「ゲームサイド」誌上にて連載中の「軸盆&ハーポのドメジャーハンター」まで、ゲームアンソロジーを中心に収録した“青”と、「キャプテン・ラヴ」、「エロフラグラボ」、「情熱ブンチキ日記」など、オリジナル作品を中心に収録した“赤”の上下2巻構成で、過去の雑君作品を(ほぼ)すべて網羅。また幕間のインタビューコーナーでは、デビューのきっかけや、おなじみの「目玉キャラ」、「白目キャラ」の由来などにも触れられており、まさに雑君ファンにはたまらない2冊となっている。価格が各1680円(税込)と少々お高いのがネックだが、合計600ページ超という大ボリュームや、当時のカラーページもそのまま収録している点などを考慮すると、価格相応の満足感はアリ。何より独特のシュールかつシニカルな作風は、当時のゲーム漫画の中でもずば抜けており、ゲーム好きなら読んでおいて損はないはずだ。

“青”の方はすでに発売中で、下巻にあたる“赤”は7月30日に発売予定。公式特設ページ「雑君裏保プ」では一部立ち読みもできるので、興味がある方はそちらへどうぞ。ちなみに雑君先生本人のHP「情熱ブンチキ御殿」でも、さらなる詳細を載せた私設紹介ページが公開中。

 ところで雑君保プと言えば「目玉キャラ」の印象が強いが、あらためて読み返してみて、けっこうかわいい女の子を描く人だったんだな、ということを今さらながらに再確認。特にリアル頭身のセクシーキャラと、デフォルメされた「白目キャラ」時のギャップが素敵ですな。

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