日本が再び世界のリーダーとなるために必要なこと――和田洋一氏基調講演:東京ゲームショウ2008
東京ゲームショウ2008の基調講演に社団法人コンピュータエンターテインメント協会(CESA)会長の和田洋一氏が登場。日本のゲーム業界が世界のリーダーではなくなってしまった理由などを語った。
「日本ゲーム産業新世代 世界は日本のゲームメーカーに何を求めるのか」と題された基調講演において、社団法人コンピュータエンターテインメント協会(CESA)会長の和田洋一氏はまず、日本のゲーム業界が世界のリーダーではなくなってしまった理由を考察した。
世間的には“日本のゲームは欧米向けに作られていないので売れない”といった嗜好の問題や、“ゲーム機が高度になって開発コストが高騰した”という資金の問題が挙げられているとした和田氏だったが、「世界的なコンテンツというのは、ゲームにしろアニメにしろ映画にしろマンガにしろ、世界的に売れている。嗜好というのは言い訳にはならない。また、コストが上がっているのは日本だけではなく、世界中で上がっている。むしろ日本のゲーム企業の財務は非常に強固で、バランスシートは世界でトップレベルの強さを誇る」と話すなど、これには否定的な見解を示す。
和田氏曰く、日本のゲーム業界が欧米に遅れを取っている本当の理由は、「我々の作る能力自体が、欧米に上回られた」とのことで、「20年ほど前は、モノを作るうえで非常に豊かなコミュニティが、極めてアクティブな状態で発達していた。この時、私どもゲーム業界がもっと色々とやれば良かったんです。日本から海外に向けてコミュニティを伸ばしていく努力を怠ったというか、例えば、アメリカのゲーム業界がハリウッドとの交流を高めたように、テレビや映画など、他業種とのコミュニケーションをもっと取ればよかったかもしれません。マンガやアニメといったポップカルチャーとは交流できたが、それ以外については必ずしもできていなかった」と、日本が欧米に追い抜かれたことに関して、独自の考えを披露した。
また、モノを作るという根源的なところにおいて、日本のゲーム業界は構造的な問題を抱えていると和田氏は指摘する。この構造的な問題を解決するために「ゲーム産業をネットワーク構造にする必要がある」と続けた和田氏は、克服すべき課題として“概念の混乱”“心理的抵抗”“制度上の不整合”“実務的困難さ”の4つを挙げるとともに、何より大事なことは「まず危機だと思うこと」だと話した。
「危機の本質はお金のことではない。モノ作りに対する日本の土壌がやせ始めているということで、これはゲーム業界に限らず、日本全体の問題だと思っている。あるタイミングがきたら解決する問題ではなく、意識して相当無理しなくてはならない」(和田氏)
最後にまとめとして、「世界は日本のゲーム業界が、世界のコミュニティに積極的に関わり、すばらしいコンテンツを供給することを期待している(ハズ)」と話した和田氏。続けて、「ハズというのは、我々に残されている時間が非常に短いということです。数年の後に、我々が決定的に変わっていかないと、ハズが取れて、期待していないとなるかもしれません」と話すなど、業界全体に対して苦言を呈した。
関連記事
- 「鉄拳6(仮)」がXbox 360で発売――MSの基調講演で「Halo 3:Recon」の国内発売も発表
東京ゲームショウにおいて、マイクロソフトのジョン・シャパート氏による基調講演が行われ、「NINETY-NINE NIGHTS II(仮)」や「鉄拳6(仮)」が発売されることが明かされた。「Halo」シリーズ最新作「Halo 3:Recon」と「HALO WARS」についても触れられた。 - 特集:東京ゲームショウ2008特設サイト
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
-
不二家の「プレミアムショートケーキ(国産苺)」が半額に! 3日間限定キャンペーン
-
中山美穂、金髪&ミニ丈の大胆イメチェンに視聴者びっくり! “格付け”出演の最新ビジュアルに「誰だか分からなかった」
-
日本エレキテル連合・中野、ネタで酷使し容姿に異変→手術を決断 「ダメよ〜、ダメダメ」でブレイク、2022年にがん公表
-
動物病院の会計中、振り返って愛犬を見たら…… “柴らしい”もん絶級の光景に「天使かよ!」「帰れるもんねw」
-
「ハンガー・ゲーム」出演俳優、撮影中の性的暴行被害を告白 泣きながら撮った当時の写真添え「すごくつらかった」と胸中明かす
-
ミス筑波大モデル、25キロ減量したビフォーアフターに「ホント凄い」 整形疑う声も「元々は埋もれてたようですね」
-
上沼恵美子さん直伝「ホタテの一番おいしい食べ方」に絶賛の声続々! 「発想が主婦目線」「マネして作ってみます」
-
【今日の計算】「8×4−2+1」を計算せよ
-
1歳赤ちゃん、寝ぼけまなこの謎行動が150万再生突破 「仕事の疲れ、吹っ飛んだ」「少し出ちゃったの可愛すぎ」
-
「めざましテレビ」“新お天気キャスター”が「美しすぎる」と注目 ミス東京GP獲得から約4カ月で
- 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
- フワちゃん、収録中に見えてはいけない“部位”が映る まさかの露出に「拡大しちゃったじゃん」「またか」の声
- 「これは悲劇」 ヤマザキ“春のパンまつり”シールを集めていたはずなのに…… 途中で気づいたまさかの現実
- 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
- 田代まさしの息子・タツヤ、母の逝去を報告 「あんなに悲しむ父親の姿を見たのは初めて」
- 「遺体の写真晒すのはさすがに」「不愉快」 坂間叶夢さんの葬儀に際して“不適切”写真を投稿で物議
- 大友康平、伊集院静さんの“お別れ会”で「“平服でお越しください”とあったので……」 服装が浮きまくる事態に
- 妊娠中に捨てられていた大型犬を保護 救われた尊い命に安堵と憤りの声「絶対に許せません」「親子ともに助かって良かった」
- 極寒トイレが100均アイテムで“裸足で歩ける暖かさ”に 今すぐマネできるDIYに「これは盲点」「簡単に掃除が出来る」
- 「奥さん目をしっかり見て挨拶してる」「品を感じる」 大谷翔平&真美子さんのオフ写真集、球団関係者が公開
- 釣れたキジハタを1年飼ってみると…… 飼い主も驚きの姿に「もはや、魚じゃない」「もう家族やね」と反響
- パーカーをガバッとまくり上げて…… 女性インフルエンサー、台湾でボディーライン晒す 上半身露出で物議 「羞恥心どこに置いてきたん?」
- “TikTokはエロの宝庫だ” 女性インフルエンサー、水着姿晒した雑誌表紙に苦言 「なんですか? これ?」
- 1歳妹を溺愛する18歳兄、しかし妹のひと言に表情が一変「ちがうなぁ!?」 ママも笑っちゃうオチに「かわいいし天才笑」「何度も見ちゃう」
- 8歳兄が0歳赤ちゃんを寝かしつけ→2年後の現在は…… 尊く涙が出そうな光景に「可愛すぎる兄妹」「本当に優しい」
- 1人遊びに夢中な0歳赤ちゃん、ママの視線に気付いた瞬間…… 100点満点のリアクションにキュン「かわいすぎて鼻血出そう!」
- 67歳マダムの「ユニクロ・緑のヒートテック重ね着術」に「色の合わせ方が神すぎる」と称賛 センス抜群の着こなしが参考になる
- “双子モデル”りんか&あんな、成長した姿に驚きの声 近影に「こんなにおっきくなって」「ちょっと見ないうちに」
- 犬が同じ場所で2年間、トイレをし続けた結果…… 笑っちゃうほど様変わりした光景が379万表示「そこだけボッ!ってw」
- 新幹線で「高級ウイスキー」を注文→“予想外のサイズ”に仰天 「むしろすげえ」「家に飾りたい」