海外ではハード別にどんなゲームソフトが売れるのか考察してみたくねくねハニィの「最近どうよ?」(その27)(4/4 ページ)

» 2008年10月31日 16時09分 公開
[くねくねハニィ,ITmedia]
前のページへ 1|2|3|4       

ニンテンドーDS向けのソフト

 DSは海外でも日本とまったく同じユーザー層を持っているの。北米でも脳トレを老若男女が遊んでいるし、1人1台って意味では、家族がそれぞれのDSを持ってるってことも容易に想像できるハードなのだ。ライトユーザーが簡単にプレイできる、ってのがDSでは基本。DS向けのMレーティング(17歳以上)ゲームはあまり売れてましぇん。

 DSこそ高グラフィックではなくゲーム性が問われるゲーム機だよね。1人1台持ってるからこそ、口コミ率も高い。いいゲームだったらそれなりに売れるはずなのだ。「任天堂のソフトだけ売れる」っていうクリティシズム(批判)も、逆を言えば「任天堂のソフトのクオリティが高い」のだね。これは単にお金をかけているということではなくて、アイデアや煉り込まれたゲーム性という意味。

 サードパーティの事例をここでひとつ。北米でMajescoから発売されてる「Cooking Mama」(日本ではタイトー)のお話だけど、このタイトル、2006年9月に発売して以来、現在まで北米単独で100万本を超えていて、欧州全体でも100万本を超えているんです。日本発のクッキングゲームがこの快挙。もちろんパブリッシャーのプロモーション施策や価格戦略の効果もあるんですが、タイトルの持つ特性が海外の子供たちの共感を得たことは確かなよう。もともと日本向けに作っていたのでレシピは「餃子」や「みそ汁」なんかも含んでいるのだ。じゃ、どうしてここまで海外で受け入れられたのか?

 「直感的に楽しめる」、「結果がすぐ出るので気軽にできる」、「親子で楽しめる」などなどいろんなコメントがあったわ。ハニィはE3(あら、3カ月も前のことだわ)でこの開発会社の社長さんとお話することができたの。どうしてこのゲームを作ったのか? という質問に対しては、自分の娘さんに遊んで欲しいゲームを作ってみた、とのこと。

 娘さんに楽しく遊んで欲しい、という純粋な気持ちが海外で受け入れられたってことですな。結局ゲームとは日和って作るもんではないな、と改めて思いましたね〜。北米市場に向けて、知りもしない文化に合わせたゲームを作る必要はないのだね。「Cooking Mama」を語るとき、北米欧州とも「イノベーティブ!」と言われるけど、作り手はそれを狙ってたわけでもなく、結果的にイノベーティブになった、ってことなんだろうね〜。これは任天堂がイベントの際に必ず掲げているポリシー、人々にスマイルを! ってことにもつながるよね。

 と、ネットの話もせねば。DSはPSPとは正反対のことを言っちゃおうかな〜。DSは子供たちが容易に持てるハードだし、子供同士で「つるめる」のだ。つまりアドホックが可能。また、北米や欧州の一部では、家族で出かけるマクドナルドでDSのWi-Fi機能が簡単に使えるようになってるからオンラインも可能。子供たちは兄弟や友達と一緒に遊べるソフトを勧めるから口コミによるプロモーションも効果的なのね〜。

 ここで欲をかいてはいけないのさ。オトナはつるまない、って原則を考えれば、ゆめゆめ大人向けのバリバリアドホック/インフラストラクチャゲームはリスキーかと。

ハニィのあとがき 

 だいぶご無沙汰しちゃったので何だか調子が狂うわ。最近、「すっ転んだりするのは筋肉が衰えてるからです(キッパリ)」との指摘を受けて、週に1回オフィスの近くの加圧トレーニングに昼休みに通っていますの〜。そんな時間があったら原稿書けって? あああ、すいまめん。

 今回はハニィなりに相当過激なことを書いてしまったかも。かなり極端な意見ですけど、すべてに当てはまるわけではないのでご了承くださいませ。いつも通り「ステレオタイプ」なお話と受け止めていただければコレ幸いです。

 東京ゲームショウのお話もしないとね。例年と変わらずハニィはTGS会場にはほとんど顔が出せず、近隣のホテルなどでミーティング三昧をしていたでやんすが、ビジネスデーの会場に行ったら何だか空いていた感は否めなかったなぁ。海外のプレスは多かったのですが……。まぁ、一般デーは盛り上がってましたんでいいんですけど。テレビでは「世界最大のゲームショー! ゲーム業界には不況は関係ないよね?」的な報道がされてて、うぬぬ? と首をかしげる場面もございました。というのも、現在世界最大のゲームショーといえば、Game Convention(GC・ドイツで開催)という認識だから。

 ところで展示会と言えば! 来年のE3の概要が発表されたのじゃ。2009年6月2日〜4日(なぜか火曜から木曜)LAコンベンションセンターにて開催、とのことですわ。規模も大幅に拡大して入場員数を制限するのも止めるみたい。

 6万人を動員していた過去のE3から「E3 Media & Business Summit」と銘打って2年前に5000人規模に縮小したE3。失われた2年を経て元の形に戻るのか? はたまた中途半端なショーになってしまうのか? E3、いや、ESA(Entertainment Software Association)の迷走はここで終止符を打たれるのか? 確かめないといけませんな。

 ちなみに、ハニィが去年間違って(爆)行った「E for All 2008」は、東京ゲームショウの1週間前に10月3日(金)から3日間LACCで行われたらしいよ。日本ではまったくニュースになってませんけど、去年のしょぼさからさらにしょぼくなって、去年フラッグシップをうたってた任天堂も不参加だったし、大手はほぼお付き合いで小さなブースを出すにとどまったみたい。参加者も昨年より減って、おいおいアレより少なかったんかい! 元々はESAと共同でE3を開催していたIDGが主催のこのイベント。E3が縮小されて、ESAによるビジネスオンリーのEXPOになったので、E for AllはIDGが運営してユーザー向けにって形を取ってたんだけど、E3が再度拡大基調に流れるなら、E for Allはなくなるでしょうなぁ。

 次回はいつなんだろー。え? どうせ年末まで書かねぇんだろって? いえいえいえいえ、今度こそ間を空けずに書くぞ! と言って「オオカミ少年」扱いを受ける今日この頃のハニィでした〜(涙)。

くねくねハニィのプロフィール

1967年アメリカサウスダコタ生まれの日本人。

小学生からはゲームセンターに通いまくってやたら大きく育つ。

1990年に都内K大学を卒業後、大手ゲーム会社にて海外ソフト担当となり、2001年に退職。それ以降は自称フリーのゲームアナリストとして暗躍。暗躍しすぎたので名前を変えて表舞台に。くねくねと唐突に現れて「親父ギャグ」をかまして周りの人々のレベルを下げまくる。独特の語り口調ですが、もう慣れてくださいとしか言えません。言ってる中身は至極マジメなので。ちなみに「風来のシレン」が好物で、名前もそこから借用。なんだか公認してもらったそうです。

本人も書いてますが、遅筆です。次はきっちり年内に書いていただきますのでお覚悟を。


前のページへ 1|2|3|4       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

先週の総合アクセスTOP10
  1. 小1娘、ペンギンの卵を楽しみに育ててみたら…… 期待を裏切る生き物の爆誕に「声出して笑ってしまったw」「反応がめちゃくちゃ可愛い」
  2. 富山県警のX投稿に登場の女性白バイ隊員に過去一注目集まる「可愛い過ぎて、取締り情報が入ってこない」
  3. 2カ月赤ちゃん、おばあちゃんに少々強引な寝かしつけをされると…… コントのようなオチに「爆笑!」「可愛すぎて無事昇天」
  4. 異世界転生したローソン出現 ラスボスに挑む前のショップみたいで「合成かと思った」「日本にあるんだ」
  5. 【今日の計算】「8+9÷3−5」を計算せよ
  6. 21歳の無名アイドル、ビジュアル拡散で「あの頃の橋本環奈すぎる」とSNS騒然 「実物の方が可愛い」「見つかっちゃったなー」の声も
  7. 1歳赤ちゃん、寝る時間に現れないと思ったら…… 思わぬお仲間連れとご紹介が「めっちゃくちゃ可愛い」と220万再生
  8. 業務スーパーで買ったアサリに豆乳を与えて育てたら…… 数日後の摩訶不思議な変化に「面白い」「ちゃんと豆乳を食べてた?」
  9. 祖母から継いだ築80年の古家で「謎の箱」を発見→開けてみると…… 驚きの中身に「うわー!スゴッ」「かなり高価だと思いますよ!」
  10. 「妹が入学式に着るワンピース作ってみた!」 こだわり満載のクラシカルな一着に「すごすぎて意味わからない」「涙が出ました」
先月の総合アクセスTOP10
  1. フワちゃん、弟の結婚式で卑劣な行為に「席次見て名前覚えたからな」 めでたい場でのひんしゅく行為に「プライベート守ろうよ!」の声
  2. 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
  3. 水道検針員から直筆の手紙、驚き確認すると…… メーターボックスで起きた珍事が300万再生「これはびっくり」「生命の逞しさ」
  4. フワちゃん、収録中に見えてはいけない“部位”が映る まさかの露出に「拡大しちゃったじゃん」「またか」の声
  5. スーパーで売れ残っていた半額のカニを水槽に入れてみたら…… 220万再生された涙の結末に「切なくなった」「凄く感動」
  6. 桐朋高等学校、78期卒業生の答辞に賛辞やまず 「只者ではない」「感動のあまり泣いて10回読み直した」
  7. 「これは悲劇」 ヤマザキ“春のパンまつり”シールを集めていたはずなのに…… 途中で気づいたまさかの現実
  8. 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
  9. がん闘病中の見栄晴、20回以上の放射線治療を受け変化が…… 「痛がゆくなって来ました」
  10. 食べ終わったパイナップルの葉を土に植えたら…… 3年半後、目を疑う結果に「もう、ただただ感動です」「ちょっと泣きそう」