実に人間らしい思考をする――プロ棋士がうなる「最強将棋 BONANZA」発売記念発表会
サクセスは12月18日に発売を予定しているPSP用ソフト「最強将棋 BONANZA」の記者発表会を開催。女流棋士の上田二段を招き、その魅力を語った。
最強の将棋思考エンジン「BONANZA」を搭載
サクセスは12月18日、PSP専用ソフト「最強将棋 BONANZA」を発売するにあたり、記者発表会を催した。発表会では最強の呼び声高いBONANZAの棋力を確かめるため、女流棋士の上田初美二段を招き、BONANZAの出す一手について解説しながら、その魅力を語ってくれた。
BONANZAとは、2006年に開催された世界コンピュータ将棋選手権で初出場ながら、市販の将棋ソフトを押さえて初優勝を果たした理論物理化学研究者・保木邦仁氏作の将棋思考エンジンのこと。2007年3月21日に最強戦の創設を記念して、当時の竜王・渡辺明氏との特別対局が組まれたことも記憶に新しい。特別対局では、からくも渡辺竜王の勝利に終わったが、その棋力の高さから「10秒勝負なら10回に1〜2回はやられる」と言わしめたほど。公の場でコンピュータ将棋が、タイトル保持者と平手で対局するのは史上初めてのことであり、歴史的な対局となった。
その最強の思考ルーチンを搭載したPSP専用将棋ソフト「最強将棋 BONANZA」では、強さのレベルや各種ハンディを設定した通常対局モード以外にも、初心者から上級者まで楽しめる詰将棋も収録。アドホックモードを使用した対戦も可能となっている。将棋のルールが分からなくても丁寧に解説してくれ、さらに「ひねり飛車」や「棒銀」、「穴熊」など将棋の定跡も説明してくれるモードも収録されている。
今回の記者発表会でも上田二段がその充実ぶりに感心しきりで、いかにも“人間らしい手”を打ってくるあたりがBONANZAがBONANZAであるゆえんだと解説する。今回行われたデモンストレーションでも、その“人間らしい手”がかいま見えた。
デモンストレーションの前に登壇したサクセス代表取締役社長の吉成隆杜氏は、「たかが将棋との声もあったが、将棋のプロが将棋ソフトと対局したこと自体が快挙であり、竜王がやるんじゃなかったと後悔するほどの棋力を持っている」と、最強の思考ルーチンを継承して誕生した携帯ゲーム機用ソフトに対していかに信頼しているかを語った。
こうしたゲームの思考ルーチンで有名なのは、1996年当時のチェス世界チャンピオン、ガルリ・カスパロフ氏と勝負し打ち負かした、IBMが開発したチェス専用スーパーコンピュータ「ディープ・ブルー」ではないだろうか。1秒間に2億手の先読みを行うとされるその計算能力により、翌1997年での再戦でも勝利を収め、チェスでは人間を超えたと言われていた。
それから約10年、AIは飛躍的に進歩し、ついにはPSPのように携帯して持ち運べるほどまで小型化し、かつ複雑な思考を持つにいたっている。チェスは一度取ったコマは使えないが、将棋は再利用できる。この再利用できることで、思考ルーチンはさらなる可能性の計算が必要になる。従来の将棋ソフトであればしのぐことができたのが、これまでの将棋ソフトと一線を画すBONANZAでは、竜王ですら「やるんじゃなかった」と思わせるほどの潜在能力を秘めているという。そこには“人間らしい手”を好む思考ルーチンを実現したことが大きいのではないだろうか。
デモンストレーションではすでに対局も中盤に差し迫った状態からのスタート。先手のプレイヤー側は37手目、7八に銀を上げ攻撃に転じようとするのに対して、後手のBONANZA側は美濃囲いで守りつつ、角で金を狙う構えからとなった。上田二段は、この角で金を狙ってくる手こそBONANZAらしいと解説する。
自身もBONANZAと何度と個人的に対局している上田二段は、通常の将棋ソフトでは点数の高いと言われる角で金は交換しづらいのだそうだ。人間であればあえて劣勢に持っていく場面も見られるのだが、BONANZAはそれを平気でやってくるし、相手の差し手を読んでいるからこそ、あえて相手に一手預けるという受けの余裕も持ち合わせているのだとか。事実、上田二段が予言したとおり、40手目にBONANZAは角を上げ、金との交換に踏み切った。また、美濃囲いからの可能性を広げるために、9四に歩を進めるかもしれないという予想も的中させた。デモンストレーションでは残念ながら時間がなかったため、中盤の攻防のみで終了となった。
さて、このBONANZAもそうだが将棋ソフトでは、最良の手を思考するために何手も先を読むため、思考にある程度の時間を要する。今回のデモンストレーションでも開発中とはいえ、思考に数分かかる場面も多かった。そのため、長時間のプレイではACアダプタを差し込んでのプレイを推奨していた。さすがに終盤の手が狭くなってきた頃には思考も早くなるとのことだが、コマが隣接し盤が荒れてくると何万手と思考することになる。場合によっては7分ほどかかる一手もあるのだとか。こうした思考の時間を楽しんでこその将棋ともいえる。心の余裕を持って将棋に向き合いたいものだ。これ1本で将棋のルールを一から指南してくれ、さらに定跡を知り、プロも舌を巻くその棋力との対局も楽しめる、「最強将棋」の名も納得の充実の内容ではないだろうか。
「最強将棋 BONANZA」 | |
対応機種 | PSP |
ジャンル | 将棋 |
発売予定日 | 2008年12月18日 |
価格(税込) | 3990円 |
プレイ人数 | 1〜2人 |
CERO | A(全年齢対象) |
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
-
不二家の「プレミアムショートケーキ(国産苺)」が半額に! 3日間限定キャンペーン
-
中山美穂、金髪&ミニ丈の大胆イメチェンに視聴者びっくり! “格付け”出演の最新ビジュアルに「誰だか分からなかった」
-
日本エレキテル連合・中野、ネタで酷使し容姿に異変→手術を決断 「ダメよ〜、ダメダメ」でブレイク、2022年にがん公表
-
動物病院の会計中、振り返って愛犬を見たら…… “柴らしい”もん絶級の光景に「天使かよ!」「帰れるもんねw」
-
「ハンガー・ゲーム」出演俳優、撮影中の性的暴行被害を告白 泣きながら撮った当時の写真添え「すごくつらかった」と胸中明かす
-
ミス筑波大モデル、25キロ減量したビフォーアフターに「ホント凄い」 整形疑う声も「元々は埋もれてたようですね」
-
上沼恵美子さん直伝「ホタテの一番おいしい食べ方」に絶賛の声続々! 「発想が主婦目線」「マネして作ってみます」
-
【今日の計算】「8×4−2+1」を計算せよ
-
1歳赤ちゃん、寝ぼけまなこの謎行動が150万再生突破 「仕事の疲れ、吹っ飛んだ」「少し出ちゃったの可愛すぎ」
-
「めざましテレビ」“新お天気キャスター”が「美しすぎる」と注目 ミス東京GP獲得から約4カ月で
- 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
- フワちゃん、収録中に見えてはいけない“部位”が映る まさかの露出に「拡大しちゃったじゃん」「またか」の声
- 「これは悲劇」 ヤマザキ“春のパンまつり”シールを集めていたはずなのに…… 途中で気づいたまさかの現実
- 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
- 田代まさしの息子・タツヤ、母の逝去を報告 「あんなに悲しむ父親の姿を見たのは初めて」
- 「遺体の写真晒すのはさすがに」「不愉快」 坂間叶夢さんの葬儀に際して“不適切”写真を投稿で物議
- 大友康平、伊集院静さんの“お別れ会”で「“平服でお越しください”とあったので……」 服装が浮きまくる事態に
- 妊娠中に捨てられていた大型犬を保護 救われた尊い命に安堵と憤りの声「絶対に許せません」「親子ともに助かって良かった」
- 極寒トイレが100均アイテムで“裸足で歩ける暖かさ”に 今すぐマネできるDIYに「これは盲点」「簡単に掃除が出来る」
- 「奥さん目をしっかり見て挨拶してる」「品を感じる」 大谷翔平&真美子さんのオフ写真集、球団関係者が公開
- 釣れたキジハタを1年飼ってみると…… 飼い主も驚きの姿に「もはや、魚じゃない」「もう家族やね」と反響
- パーカーをガバッとまくり上げて…… 女性インフルエンサー、台湾でボディーライン晒す 上半身露出で物議 「羞恥心どこに置いてきたん?」
- “TikTokはエロの宝庫だ” 女性インフルエンサー、水着姿晒した雑誌表紙に苦言 「なんですか? これ?」
- 1歳妹を溺愛する18歳兄、しかし妹のひと言に表情が一変「ちがうなぁ!?」 ママも笑っちゃうオチに「かわいいし天才笑」「何度も見ちゃう」
- 8歳兄が0歳赤ちゃんを寝かしつけ→2年後の現在は…… 尊く涙が出そうな光景に「可愛すぎる兄妹」「本当に優しい」
- 1人遊びに夢中な0歳赤ちゃん、ママの視線に気付いた瞬間…… 100点満点のリアクションにキュン「かわいすぎて鼻血出そう!」
- 67歳マダムの「ユニクロ・緑のヒートテック重ね着術」に「色の合わせ方が神すぎる」と称賛 センス抜群の着こなしが参考になる
- “双子モデル”りんか&あんな、成長した姿に驚きの声 近影に「こんなにおっきくなって」「ちょっと見ないうちに」
- 犬が同じ場所で2年間、トイレをし続けた結果…… 笑っちゃうほど様変わりした光景が379万表示「そこだけボッ!ってw」
- 新幹線で「高級ウイスキー」を注文→“予想外のサイズ”に仰天 「むしろすげえ」「家に飾りたい」