ノスタルジックな雰囲気が漂う空の旅に出発――テクモ初の本格RPGのデキは?:「ノスタルジオの風」レビュー(1/2 ページ)
11月6日にテクモ初の本格RPG「ノスタルジオの風」がニンテンドーDSで発売された。果たして、どんな楽しみが体験できるんだろうか。実際にプレイをして確かめてみた。
テクモテイストのRPGとは?
テクモからRPG「ノスタルジオの風」がニンテンドーDSで発売された。老舗のゲームメーカーなので筆者としては意外な気がしたのだが、本格的なRPGをリリースするのは初めてだという。
そのテクモが「天外魔境」シリーズや「サクラ大戦」シリーズなどで知られるレッド・エンタテイメントと手を組んで制作したのが本作だ。古くから両メーカーを知る筆者としては、どんな作品に仕上がっているのか期待せずにはいられない。さっそくプレイを開始した。
まずは、ノスタルジオの風の舞台設定を紹介しておこう。本作は19世紀末の地球をモチーフにした架空の世界が舞台。ロンドンやカイロ、シベリア、ケープタウンなど、実在と同じ名前の街が存在するほか、バベルの塔やアトランティス大陸などの伝説の遺跡も登場する。産業革命によって飛空船の技術が発達しており、空賊と呼ばれる野盗が幅を利かせている世界だ。
本作のプロローグは次の通り。
冒険者ギルバート・ブラウンは、ある秘密結社に捕らわれている少女・フィオナを救い出すため謎の遺跡に潜入。秘密結社メンバーの扮装をして紛れ込み、フィオナを連れ出すことに成功する。
ところが、遺跡から脱出する直前で秘密結社に追いつかれてしまう。フィオナだけは、ギルバートの愛機である飛空船・マーベリック号に乗せて逃がすことができたが……。
数日後、地中海で不時着していたマーベリック号が発見されるが、ギルバートの姿はなかった。その知らせを聞いたギルバートの息子で主人公のエディが、父親を捜すために冒険に出ることを決意するのであった――。
少女の救出、行方不明の父親探し、秘密結社というネーミング、秘密結社の構成員が大きな目玉ひとつを持つ黒装束という出で立ちなど、王道ともいえる要素・表現が満載されており、20年来のゲーマーである筆者にとってはニヤリとせずにはいられなかった。最近の作品でも、王道的要素を盛り込んだものは数多くあるが、ここまで貫いている作品はとても珍しい。プロローグが終わるころには、次はどんな展開になるのか先が楽しみになるほど引き込まれてしまった。
プロローグ部分が終わり、いよいよ主人公・エディがギルバートの行方を探す旅に出発する。旅をするために必要な冒険者の資格を得るため、まずは冒険者協会へ行くことに。エディの家があるのはロンドンで、冒険者協会はロンドン中心街の北西にある。
協会の受け付けに行ってみると、冒険者になるにはテストを受けなければいけないとのこと。テストの内容は、地下水道に住み着いたお化けネズミの退治だ。ネズミくらいドンとこいや! ってなもんで、意外と簡単そう。そのままの足で地下水道へと出発した。
異なる戦略が必要な2種類の戦闘
地下水道はダンジョンになっており、最初はマップが真っ黒の状態。移動すると、その場所が地図で表示されるようになる仕組みだ。ダンジョンを歩き回っていると、モンスターと遭遇し、バトルに突入する。ダンジョンでの戦闘は、素早さの能力値順で行動するターン制が採用されている。直接相手を攻撃したり、防御したり、アイテムを使うことができるほか、スキルで相手に大ダメージを与えたり、仲間を回復することもできる。
敵に行動順番が回る前に集中攻撃して倒してしまうか、それともアイテムやスキルで体力を回復して安全策を取るのかなど、行動順を意識した戦い方が求められる。選択したコマンドの種類によっては、次に回ってくる行動順が違うこともある。また、状態異常で行動順が遅くなってしまうこともあるので、残りのHPと同様に行動順にも細心の注意を払う必要がある。
敵をすべて倒すとリザルト画面が表示され、経験値とスキルポイント、お金、アイテムが手に入る。さらに、戦闘の内容はランクのS、A、B、Cで評価され、高い評価で勝利し続けると、ランクボーナスが加算され、経験値やスキルポイント、お金のもらえる量が多くなる。さらに、レアアイテムが手に入りやすくなるというメリットも存在する。強くなって冒険者としての腕が上がるほど、おいしいご褒美がもらえるというわけだ。
地下水道を進むと、ネズミと戦っている銃使いの少年・パッドと遭遇した。パッドの協力を得て、地下水道のボスであるお化けネズミをなんとか撃破。パーティーメンバーが2人になると攻撃と回復のプランを立てやすくなるので、とても戦いが楽になる。冒険者協会にお化けネズミ退治の成功を報告して、冒険者の資格を手に入れた。
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