正義の味方じゃなくてもいいんです――善いことも悪いこともすべてはプレイヤーの思うがままに!「Fallout 3」レビュー(1/2 ページ)

PS3、Xbox 360でリリースされる、核戦争後の荒廃した世界が舞台のRPG「Fallout 3」。襲い掛かる巨大生物、暴徒と化した人間、過酷な環境のアメリカを生き残れ!

» 2008年12月12日 21時10分 公開
[増山裕樹,ITmedia]

海外で絶大な人気を誇るRPGがついに日本上陸!

 核戦争後の荒廃した世界を描いた「Fallout」シリーズは、1997年にアメリカのインタープレイから発売し、2作目はその翌年1998年にリリースされた。残念ながらこの2作は日本では発売されていないが、去年の2007年に「The Elder Scrolls IV:オブリビオン」(以下、オブリビオン)を手がけたベセスダ・ソフトワークスが同シリーズの版権を取得し、3作目が開発されることになったのは既報のとおり。

 本作は、2277年核戦争後の荒廃したワシントンD.Cが舞台となっている。建物は崩壊し、土地や水は放射能に汚染され、放射能の影響で巨大化した昆虫や、ミュータントが徘徊する世界。危険な地表から逃れた人々は「Vault-Tec」社の優れた技術により生まれた核シェルター「Vault 101」を居住区としていた。北米では、発売後1週間で470万本を出荷するほどの大ヒットとなっている本作を、今回は序盤のプレイを通して魅力をお伝えしていきたい。

核戦争によって街は破壊され、見渡す限り荒れ果てた大地が続く
何もないサバイバルな環境では、時として人間も襲い掛かってくる

核戦争後に地下シェルターで誕生する新たな生命

 ゲームは核シェルター「Vault 101」で主人公が誕生するところから始まる。ここで、プレイヤーが操作するキャラクターの顔を作成する。カスタマイズ内容は性別、人種、髪型、目、鼻、耳などの細かいパーツが変更可能。キャラクターを作ると、チュートリアルを兼ねたVault 101での生活が始まる。1歳の赤ん坊のシーンでは、基本操作の説明と「S.P.E.C.I.A.L.」と呼ばれるパラメーターの割振りを行う。「S.P.E.C.I.A.L.」は筋力、敏捷性、カリスマ、運などの7つに別れており、この構成が後のプレイに大きく関わってくる。

 主人公が10歳になると、誕生日パーティーが開かれ、責任ある任務に就く一人前の証としてパラメーターやマップなどの確認ができる「Pip-Boy 3000」がプレゼントされる。ここでプレイヤーは初めて父親以外のVault 101の住人と交流ができるようになる。住人はプレイヤーが話しかけなくても勝手に雑談をしていて、賑やかな雰囲気が演出されている。パーティーに出席している老婦人パルマーに話しかけ、プレゼントのロールケーキを貰うと、ガキ大将のブッチがロールケーキを奪おうと声をかけてくる。この時、プレイヤーの会話・行動の選択肢が表示され、大人しく相手に従うこともできるし、抗うことも可能だ。別にロールケーキくらいくれてやってもよかったのだが、相手のいいなりに渡してしまうのも嫌だったので「誰がお前にやるもんか」と答える。するとブッチは力ずくで奪おうと殴りかかってきた。数発殴られダメージを受けたが、何とかロールケーキを死守することができた。

キャラクターメイキングはかなり細かいところまでカスタマイズが可能
会話の選択肢が豊富で、この選択によってその後の展開を左右することも

 その後、父親から「BBガン」を貰い、戦闘のチュートリアルを受ける。マトを撃つチュートリアルの途中、巨大ゴキブリの「ラッドローチ」が出てくる。こんなのが実際にいたら卒倒してしまいそうなくらいデカく、カサカサと動き回る様がリアルこのうえない。ゴキブリが苦手な筆者はビビってしまい、うまくラッド・ローチを狙えない。ここで便利な戦闘システム「V.A.T.S.(Vault-Tec Assisted Targeting System)」の登場だ。この機能が割り振られているボタンを押すと、時間の流れが止まって敵にクローズアップし、頭、胴体、腕などの選択した箇所を自動で攻撃してくれる。これのおかげでFPSなどのシューティングに慣れていない人も、敷居がグンと下がることだろう。このV.A.T.S.は「AP(アクションポイント)」を必要とし、APがある限り、連続してターゲットに攻撃できる。V.A.T.S.使用時、プレイヤーのパラメーターや敵との距離に応じて各部位への命中率が異なる。また、ゲーム中のプレイ画面はFPS(一人称視点)、またはワンボタンでTPS(三人称視点)に切り替えることができる。

 さて、今度は16歳になって職業適性試験「GOAT(Generalized Occupational Aptitude Test)」を受ける場面になる。試験会場に行く際に、Vault 101を指揮する監督官の娘のアマタがガキ大将のブッチ率いる不良グループ「トンネルスネーク」に絡まれている。ここで無視して試験会場に行くことも可能だが、アマタを助けようとブッチと会話による説得を試みる。しかし、会話の選択を誤ったらしく、なかなかアマタを開放しようとしない。拉致があかないので、ブッチに殴りかかり暴力で解決しようとすると、ブッチの手下たちも主人公に襲いかかってきて、ボコボコにされながら、何とかアマタを助けることに成功した。話がそれたが、GOAT試験はかなり変わった内容で、思わず笑ってしまうような問題も用意されている。

 そして19歳のある朝、幼馴染のアマタに起こされる場面から始まる。なんと父がVault 101を脱走してしまったのだ。監督官の怒りの矛先が主人公に向き、主人公もVault 101から脱出するはめに。脱出する途中、ブッチが「母親がラッドローチに襲われているので助けて欲しい」と懇願してくる。普通の正義の味方なら過去のことは水に流し、ブッチの母親を助けに行くのが良くあるパターンだろう。しかし筆者は、ブッチにボコボコにされた事を根に持っているため「消えうせろ。誰が助けるもんか」を選択して助けに行かなかった。さらに、ラッドローチに殺されたブッチの母親の死体を漁り、アイテムだけはきちんと回収するという極悪非道プレイを敢行。生きていくためには悪行も許される自由度もこのゲーム魅力といえるだろう。

登場する生物も非常に細かく描かれており、テカり具合もかなりリアル
攻撃する部位によって、ダメージを多く与えたり動きを止めたりできる

生まれて初めて体験する見渡す限りの荒れ果てた世界

 Vault101を脱出すると、プレイヤーの眼前に広がるのは砂埃が舞う荒れ果てた世界。ほとんどの建物はボロボロだが、建築物や車のデザインを見ると1950年代のアメリカを彷彿させるものになっている。失踪した父の情報を得るために、ガレキでできた街「メガトン」へ向かう。道中、放射能の影響で凶暴化した犬、巨大なネズミやハエ、サソリといった様々な生き物に襲われる。装備も貧弱な筆者のキャラクターは逃げ回り、街に着くころには満身創痍の体になっていた。

 右も左も分からない世界でPip-Boy 3000は非常に頼れる存在だ。プレイヤーのステータスやアイテム管理のほか、マップを表示することもでき、1度行った建物や場所はマップに表示され「ファストトラベル」が使えるようになり、一瞬で目的地まで行けるようになる。

戦争によって街は壊滅状態、ゴーストタウンと化してしまった
Pip-Boy 3000を呼び出せば、ゲームの状態が止まるので安心して使っていける

ガレキの街「メガトン」にいるルーカスは、保安官の役割を果たしている
クエストはこんな小さな子供から依頼を受けることも
       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2404/19/news036.jpg 1歳赤ちゃん、寝る時間に現れないと思ったら…… 思わぬお仲間連れとご紹介が「めっちゃくちゃ可愛い」と220万再生
  2. /nl/articles/2404/17/news037.jpg 【今日の計算】「8+9÷3−5」を計算せよ
  3. /nl/articles/2404/19/news128.jpg 「プロ野球チップス」で誤字 伊藤大海投手を「176m」と記載してカルビー謝罪
  4. /nl/articles/2404/16/news112.jpg 「ママ友襲来10分前」→さぁ、どうする……? 大爆笑の“あるある”再現が400万再生突破「腹ちぎれました」「バナナ食べんでもええやん」
  5. /nl/articles/2404/18/news134.jpg 21歳の無名アイドル、ビジュアル拡散で「あの頃の橋本環奈すぎる」とSNS騒然 「実物の方が可愛い」「見つかっちゃったなー」の声も
  6. /nl/articles/2404/18/news032.jpg 2カ月赤ちゃん、おばあちゃんに手をスリスリされた瞬間…… 愛と幸せあふれる空間に笑顔になる「これぞ天使だ」
  7. /nl/articles/2404/18/news130.jpg 漂う違法感 東京に戻る息子へ持たせた“大量のブツ”に「九州人あるある」「帰省からの帰りいつもこれ」の声
  8. /nl/articles/2404/18/news176.jpg 「大型魚の餌に!!」 熱帯魚店の“思わず目を疑うPOP”に恐怖 「サメでも飼うの?」
  9. /nl/articles/2404/18/news015.jpg 【追記】クルマのヘッドライトを「魔法の水」で磨いてみたら…… SNSで話題「ダイソーのアルカリ電解水」の効果に「今日やってみます」「参考になりました」の声
  10. /nl/articles/2404/16/news135.jpg 鼻がムズムズの2カ月赤ちゃん、息を吸い込んだ次の瞬間……! まるで天使な8秒に「このくしゃみは何!?」「全てがかわいい」
先週の総合アクセスTOP10
  1. 生後2カ月の赤ちゃんにママが話しかけると、次の瞬間かわいすぎる反応が! 「天使」「なんか泣けてきた」と癒やされた人続出
  2. 車検に出した軽トラの荷台に乗っていた生後3日の子猫、保護して育てた3年後…… 驚きの現在に大反響「天使が女神に」「目眩が」
  3. 安達祐実、成人した娘とのレアな2ショット披露 「ママには見えない!」「とても似ててびっくり」と驚きの声
  4. 兄が10歳下の妹に無償の愛を注ぎ続けて2年後…… ママも驚きの光景に「尊すぎてコメントが浮かばねぇ」「最高のにいに」
  5. “これが普通だと思っていた柴犬のお風呂の入れ方が特殊すぎた” 予想外の体勢に「今まで観てきた入浴法で1番かわいい」
  6. 「虎に翼」、新キャラの俳優に注目が集まる 「綺麗な人だね」「まさか日本のドラマでお目にかかれるとは!」
  7. 「葬送のフリーレン」ユーベルのコスプレがまるで実写版 「ジト目が完璧」と27万いいねの好評
  8. お花見でも大活躍する「2杯のドリンクを片手で持つ方法」 目からウロコの裏技に「えぇーーすごーーい」「やってみます!」
  9. 弟から出産祝いをもらったら…… 爆笑の悲劇に「めっちゃおもろ可愛いんだけどw」「笑いこらえるの無理でした」
  10. 3カ月の赤ちゃん、パパに“しーっ”とされた反応が「可愛いぁぁぁぁ」と200万再生 無邪気なお返事としぐさから幸せがあふれ出す
先月の総合アクセスTOP10
  1. フワちゃん、弟の結婚式で卑劣な行為に「席次見て名前覚えたからな」 めでたい場でのひんしゅく行為に「プライベート守ろうよ!」の声
  2. 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
  3. 水道検針員から直筆の手紙、驚き確認すると…… メーターボックスで起きた珍事が300万再生「これはびっくり」「生命の逞しさ」
  4. フワちゃん、収録中に見えてはいけない“部位”が映る まさかの露出に「拡大しちゃったじゃん」「またか」の声
  5. スーパーで売れ残っていた半額のカニを水槽に入れてみたら…… 220万再生された涙の結末に「切なくなった」「凄く感動」
  6. 桐朋高等学校、78期卒業生の答辞に賛辞やまず 「只者ではない」「感動のあまり泣いて10回読み直した」
  7. 「これは悲劇」 ヤマザキ“春のパンまつり”シールを集めていたはずなのに…… 途中で気づいたまさかの現実
  8. 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
  9. がん闘病中の見栄晴、20回以上の放射線治療を受け変化が…… 「痛がゆくなって来ました」
  10. 食べ終わったパイナップルの葉を土に植えたら…… 3年半後、目を疑う結果に「もう、ただただ感動です」「ちょっと泣きそう」