ネズミ年の締めはこれ! 「マッピー」ゲイムマンの「レトロゲームが大好きだ」(2/2 ページ)

» 2008年12月19日 12時00分 公開
[ゲイムマン,ITmedia]
前のページへ 1|2       

マイクロマウスの先輩

 ところで私は、ゲームのマッピーが登場するより以前に、マッピーとニャームコを見たことがある。

 1982年、日本橋高島屋で開催された「大ロボット博」。工業用ロボットからヒューマノイドタイプのものまで、いろんなロボットが展示されていた。ヒューマノイドタイプといっても、今のASIMOみたいなものではなくて、ブリキのロボットを大きくしたような感じだった。

 確か、ロボットと一緒に撮った写真を持っていたはずで、今回載せようと思っていたのだが、家中を探しても出てこなかった。

 この大ロボット博には、「namco」と書かれたロボットが多かったので、私は当時、ナムコはロボットを作る会社なのだと思っていた。「ギャラクシアン」や「パックマン」を作ってる会社だということは後に知った。

 そんなナムコ製ロボットの中に、マッピーとニャームコがあった。迷路の壁をセンサーで感知して、外部からの操作なしで、自ら迷路を走って抜けるロボットだった。こういうロボットを「マイクロマウス」というそうで、現在でも、迷路を抜ける速さを競う全国大会が開催されているらしい(こないだニュースで見て知った)。

 ちなみにプレイステーション版「ナムコミュージアムVol.1」では、マッピーとニャームコを含む、昔のナムコのロボットを、ごくわずかだが見ることができる。

 マッピーは「ナムコミュージアム」シリーズには欠かせないゲームのひとつで、プレイステーション版のナムコミュージアムVol.2、プレイステーション 2版「ナムコミュージアム アーケードHITS!」、PSP版の「Vol.2」、ニンテンドーDS版「ナムコミュージアムDS」、さらにWiiの「みんなで遊ぼう!ナムコカーニバル」に収録。アーケードの「ナムコクラシックコレクション Vol.1」でもプレイできる。

 前述の通り、アーケード版登場の翌年、1984年にファミコンへ移植されているが、このファミコン版をベースにしたのが、ゲームボーイアドバンス版(ファミコンミニ)と、Wiiのバーチャルコンソールへの移植だ。

 アーケード版とファミコン版は縦横比が違うためか、操作感覚が微妙に異なる。個人的には、ファミコン版のほうが難度が低いような気がした。アーケード版ではラウンド8を越えられないけど、ファミコン版ならラウンド12まで行ける。

 そのほか、各キャリアのケータイや、ゲームボーイ(「ナムコギャラリー Vol.1」)、変わったところでは、ファミコンの少し後に発売されたゲーム機、スーパーカセットビジョンにも移植されている。

ランドとキッズと優しい奴ら

 マッピーの続編は、アーケードで「ホッピングマッピー」というゲームがあった。マッピーがホッピングに乗って盗品を回収するゲームらしいが、私は写真でしか見たことがない。これもケータイのアプリになっているということは、今調べて知った。

 続いてファミコンで、1986年に「マッピーランド」が発売される。マッピーが、ガールフレンド・マピコさんの誕生日プレゼントとして買ったチーズを、ニャームコ一味に奪われてしまったという設定。マッピーランドの8つの町(エリア)にそれぞれ6個ずつあるチーズを、すべて回収するのがこのゲームの目的だ。

photo ニャームコの服装が各ステージごとに変化する。ステージ1では駅長の格好をしている

 マッピーランドでもトランポリンで上下に移動できるが、マッピーと違ってドアがない。代わりに登場したのが、猫たちを足止めする多数のアイテムだ。どこでも使えるものと、エリアに設置されているものがある。

 前者はミューキーズを踊らせるネコジャラシ、ニャームコを踊らせる小判など。後者はエリアごとに変わり、飛びついて敵をなぎ倒せる滑車、パンチするとしばらく揺れて、敵を跳ね飛ばすパンチングボール。果ては、後から来た敵を花火にして飛ばす爆弾や、一直線に砲弾を飛ばす大砲なんてものまで存在する。

 マッピーはジャンプができるようになったが、基本的にはチーズやアイテムを取るためのジャンプであり、猫たちを飛び越すのは至難の業だ。

 エリア4とエリア6が特殊で、とりわけエリア4が非常に難しい。ジャングルの中で、上下や左右に動くトランポリンを飛び移り、ツタにつかまって移動するのだが、トランポリンからツタへ、またはツタからトランポリンへ飛び移るタイミングが微妙で、私はここで地面や海に落ちまくった。コンティニューのないゲームだから辛い。

 またエリア6は、風船につかまって空を飛ぶという、ほかのエリアとは違ったアクションがメイン。キューティーという幽霊に懐中電灯を当てて消しながら、鍵を回収して教会に入り、十字架を手に入れて脱出する。

photo エリア2「ウェスタンワールド」。大砲を撃って、ニャームコ一味をまとめて吹っ飛ばしたところ
photo エリア4「ジャングルワールド」。トランポリンから飛び移る際、ツタとツタの間に飛んで、落ちてしまうことも多々ある
photo エリア6「ゴーストタウン」。あまり左右にうろうろしてると、幽霊の餌食になる危険性が高い

 エリア8が終わるとエンディングになるが、私は最後の時間制限に間に合わず、マピコに怒られるバッドエンドしか見られなかった。

 とはいえ、このゲームの本番はここから。エリア8をクリアするごとに、新たなストーリーが用意されるのだ。集める物もそれによって変わり、2周目は結婚式の指輪、3周目はクリスマスツリー、4周目になるとマッピーJr.が登場し、彼の誕生日プレゼント(野球のボール)を集めることになる。

 各エリアの背景は同じだが、マップが変わって難しくなっている。さらに、1周目のエリア6と同じように、秘密の入口からサブエリアに入って、アイテムを取らなければクリアできないエリアが増えてくる。

 コンティニューがないので、まともにプレイしたら2周目以降にたどり着くのは難しいが、幸いにも裏技が用意されている。タイトル画面で上A下B左A右Aと押し、セレクトボタンを押しながらスタートすれば、何周目から始めるかを選ぶことができるのだ。

二代目は苦しんじゃう

 1989年には「マッピーキッズ」が発売された。マッピーの息子の、ハッピーとラッピーが主人公。オーソドックスな横スクロールアクションゲームで、Aボタンでジャンプ、Bボタンでキック。キックの射程は短いが、ジャンプのほうは使い勝手が良い。ジャンプ中にAボタン連打で、尻尾を回してゆっくり下りられる。

 ハッピー(ラッピー)の目的は、各ステージで集めたお金で家を建て、ピッキーというネズミと結婚すること。だからただステージをクリアするだけではなく、道中にあるコインや宝箱を積極的に取っていかなければならない。敵に当たったりフィールドから落ちたりすると、ライフが減る上に、所持金の一部がフィールド上を飛び跳ねる。回収できないと所持金は減ったままだ。

 ステージをクリアするとボーナスゲームに突入。まずスロットで賞品を決める。「50000円」とか「家の部材ひとつ」などがある一方で、「100円」とか、果ては「家の部材を減らされる」というのもあるので、このスロットは気が抜けない。

 賞品を獲得するために、ミューキーズたちとミニゲームで対決する。ミューキーズの中の誰が相手になるかもスロットで選ぶ。ゲームは旗揚げ、尻相撲、間違い探しのいずれかで、何となく「ワギャンランド」っぽい。負けると賞品が得られない上に、所持金を万単位で減らされる。痛い。

 ボーナスゲームが終わると、ショップで家の部材を買うことができる。最後のステージをクリアして買い物を終えた時点で、すべての部材がそろっていれば、家が完成してハッピーエンド。さもなくばピッキーにふられてしまう。家が完成しそうになかったら、終盤でゲームオーバーになって、途中のステージからやり直したほうがいい。

 2人プレイでは、家の完成度の高い方がピッキーと結婚できる。ステージではコインや宝箱の取り合いになり、ボーナスゲームはハッピー(1P)とラッピー(2P)の対決となる。

photo ステージは巨大な家や下水道。「爆チュー問題」をほうふつとさせる
photo ボーナスゲームの間違い探し。間違いの場所はある程度決まっているので、あとの2つに比べると楽なゲームだ
photo 2人プレイでは画面が上下に分割される。ステージ数はシングルプレイ時より少ないが、コインや宝箱の数は多い

京橋はええとこだっせ

 さて、警視庁前でマッピーをプレイしたものの、うまくいかず、もっと警察について勉強しようと考えた私が、次に向かったのが京橋である。

 京橋といっても、グランシャトーで有名な大阪市の京橋ではない。日本橋の近くの、……といっても大阪のニッポンバシではなくて(あぁややこしい)、東京都中央区のほうだ。日本橋と銀座の間にあって、かつては同名の橋も存在したが、川のほうが埋め立てられて高速道路となり、現在は欄干の柱のみが保存されている。

photo 明治時代の京橋の親柱が保存されている場所にある警察博物館。入口に大きなピーポくんと白バイが並ぶ

 その高速道路の脇に、警視庁の警察博物館がある。川路利良大警視らによる欧州警察制度の視察資料に始まり、西南の役関連資料(官軍に警視庁の警視隊が加わっていた)、歴代の警察官の制服、殉職された警察官の遺品、昔の庁舎の模型、警察官の装備品(警棒や手錠など)、鑑識に使われる機材、制服についているエンブレム(各県警ごとにマークが違う)、警視庁音楽隊で使われた楽器や楽譜(東京五輪のファンファーレに使われたラッパも)などが展示されていた。

 明治初期の、今とは別の曲がついていた「君が代」や、警視庁のマスコット・ピーポくんのうたを聴くこともできる。

 さて警察についてじっくり勉強したところで、再びマッピーをプレイしてみよう。果たしてどのくらいの盗品を回収できるだろうか?

 ……ラウンド1もクリアできずにゲームオーバー。

 銀座近くの人通りが多い場所だから、やっぱり気が散る。というかそもそも、“警察官としての自覚”はゲームをやる上では必要ないのではないだろうか?

 それよりも、トランポリンの使い方を勉強したほうがいいかもしれない。

 今回は行く暇がなかったが、いずれ、あの廣田遥選手がかつて練習したという、阿倍野の高速道路下にあるトランポリンクラブに行って、練習風景を見ながらマッピーをプレイしてみたいと思う。

※ゲイムマンからのお知らせ
この連載が単行本化されることになりました。「レトロゲームが大好きだ 昭和編」、マイクロマガジン社から12月25日に発売です。

●取り上げてほしいなつかしゲー募集

思い出のあるゲームについて、ゲイムマンと語ってみませんか? あのゲームが好きだったのに今はもう手元にない、けどもう一度見てみたい! とか、俺が好きだったこのゲームを紹介しないなんて許せない! というあなた。是非こちらから、取り上げてほしいゲームをリクエストしてください。



前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2404/25/news174.jpg 身長174センチの女性アイドルに「ここは女性専用車両です!!!」 電車内で突如怒られ「声か、、、」と嘆き 「理不尽すぎる」と反響の声
  2. /nl/articles/2404/26/news154.jpg 元「AKB48」メンバー、整形に250万円の近影に驚きの声「整形しすぎてて原型なくなっててびびった」
  3. /nl/articles/2404/12/news174.jpg 築年数不明の平屋にある、ボロボロ床板をはがしてみたら…… 発覚したヤバい事実に「ビックリ!」「大丈夫でしたか?」心配と驚きの声
  4. /nl/articles/2404/26/news022.jpg ママの足にくっつく生後7カ月の赤ちゃん、甘えてるのかと思いきや…… 計算された行動と「ちいこい後ろ姿がかわいすぎ」て目が離せない
  5. /nl/articles/2404/21/news011.jpg 小1娘、ペンギンの卵を楽しみに育ててみたら…… 期待を裏切る生き物の爆誕に「声出して笑ってしまったw」「反応がめちゃくちゃ可愛い」
  6. /nl/articles/2404/25/news016.jpg 「電車の中で見ちゃダメ」「笑ったww」 実家からLINE「子ヤギがすばしっこくて捕まらない」→送られてきた衝撃姿が320万表示!
  7. /nl/articles/2404/25/news069.jpg “作画軽減ガンダム”をガンプラで作成 → 使用パーツも最小限の再現ぶりに「完全に一致」「部品軽減ガンダム」
  8. /nl/articles/2404/23/news090.jpg 誰も教えてくれなかった“裁縫の裏ワザ”が目からウロコ 200万再生のライフハックに「画期的」と称賛【海外】
  9. /nl/articles/2404/18/news134.jpg 21歳の無名アイドル、ビジュアル拡散で「あの頃の橋本環奈すぎる」とSNS騒然 「実物の方が可愛い」「見つかっちゃったなー」の声も
  10. /nl/articles/2404/26/news024.jpg 0歳赤ちゃん「(ママ来たっ!)」→喜びが抑えきれなくて…… 尊すぎるダンスが300万再生「心が浄化されていく」「朝から癒やされました」
先週の総合アクセスTOP10
  1. 小1娘、ペンギンの卵を楽しみに育ててみたら…… 期待を裏切る生き物の爆誕に「声出して笑ってしまったw」「反応がめちゃくちゃ可愛い」
  2. 富山県警のX投稿に登場の女性白バイ隊員に過去一注目集まる「可愛い過ぎて、取締り情報が入ってこない」
  3. 2カ月赤ちゃん、おばあちゃんに少々強引な寝かしつけをされると…… コントのようなオチに「爆笑!」「可愛すぎて無事昇天」
  4. 異世界転生したローソン出現 ラスボスに挑む前のショップみたいで「合成かと思った」「日本にあるんだ」
  5. 【今日の計算】「8+9÷3−5」を計算せよ
  6. 21歳の無名アイドル、ビジュアル拡散で「あの頃の橋本環奈すぎる」とSNS騒然 「実物の方が可愛い」「見つかっちゃったなー」の声も
  7. 1歳赤ちゃん、寝る時間に現れないと思ったら…… 思わぬお仲間連れとご紹介が「めっちゃくちゃ可愛い」と220万再生
  8. 業務スーパーで買ったアサリに豆乳を与えて育てたら…… 数日後の摩訶不思議な変化に「面白い」「ちゃんと豆乳を食べてた?」
  9. 祖母から継いだ築80年の古家で「謎の箱」を発見→開けてみると…… 驚きの中身に「うわー!スゴッ」「かなり高価だと思いますよ!」
  10. 「ゆるキャン△」のイメージビジュアルそのまま? 工事の看板イラストが登場キャラにしか見えない 工事担当者「狙いました」
先月の総合アクセスTOP10
  1. フワちゃん、弟の結婚式で卑劣な行為に「席次見て名前覚えたからな」 めでたい場でのひんしゅく行為に「プライベート守ろうよ!」の声
  2. 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
  3. 水道検針員から直筆の手紙、驚き確認すると…… メーターボックスで起きた珍事が300万再生「これはびっくり」「生命の逞しさ」
  4. フワちゃん、収録中に見えてはいけない“部位”が映る まさかの露出に「拡大しちゃったじゃん」「またか」の声
  5. スーパーで売れ残っていた半額のカニを水槽に入れてみたら…… 220万再生された涙の結末に「切なくなった」「凄く感動」
  6. 桐朋高等学校、78期卒業生の答辞に賛辞やまず 「只者ではない」「感動のあまり泣いて10回読み直した」
  7. 「これは悲劇」 ヤマザキ“春のパンまつり”シールを集めていたはずなのに…… 途中で気づいたまさかの現実
  8. 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
  9. がん闘病中の見栄晴、20回以上の放射線治療を受け変化が…… 「痛がゆくなって来ました」
  10. 食べ終わったパイナップルの葉を土に植えたら…… 3年半後、目を疑う結果に「もう、ただただ感動です」「ちょっと泣きそう」