FPSの魅力が濃縮。しかも遊びやすい。さあ、世界へ羽ばたこう!「レジスタンス2」レビュー(3/3 ページ)

» 2008年12月25日 15時42分 公開
[水野隆志,ITmedia]
前のページへ 1|2|3       

対戦プレイ――「レジスタンス2」の華

プレイヤーの数が多いと迂闊(うかつ)なことはできない。下手に他人を攻撃すると自分の位置を教えることになり、たちまち砲火の雨が降り注ぐ。しかし、瞬時に敵を倒し、素早く移動すれば乱戦は回避できる。このあたりの駆け引きが熱い

 オンラインで行われる対戦プレイは、「レジスタンス2」を作ったスタッフたちの技量を見せつけてくれるモードだ。最大60人プレイヤーがストレスなく動き回れるさまはすごいを通り過ぎて感動物。この驚きをぜひとも多くの人に味わってもらいたい。

 対戦プレイはオンラインで他のプレイヤーと戦うモードだが、ルール設定により、さらに4種類のモードに分かれている。

 もっともオーソドックスなのが“デスマッチ”。これは参加者全員によるバトルロイヤルだ。規定のキル数を最初にクリアしたプレイヤーが勝者となる。制限時間内に誰も規定数に達しなかった場合は、最大キル数のプレイヤーが勝つ。

 次に“チームデスマッチ”。参加者が2つのチームに分かれて戦う。勝利条件は“デスマッチ”と同様。実力差がハッキリ出るモードなので、自分だけがボコボコやられているとチームの足を引っ張ってしまうことになる。対戦プレイの中でも、やや初心者には厳しいモードだ。味方に熟練者がいれば何もしなくても勝者に加われるという幸運に恵まれることもある。

 3番目が“コアコントロール”。名前だけ聞くとピンと来ないかもしれないがルールはよくあるフラッグ争奪戦。チーム対チームで戦い、パワーコア(エネルギー装置)の争奪をする。勝利条件はコアを味方の陣地に持ち帰ること。キル数だけで勝負できないので、チーム内の連携が必要になる。

スカーミッシュでは、任務が発令されるとその内容が画面に表示される。敵を倒すことよりも、任務を達成するほうが勝利に貢献できる

 最後に“スカーミッシュ”。敵味方それぞれが複数の分隊に分かれ、それぞれ与えられる任務を果たしていく。最大60人で行うと、敵味方それぞれ30人ずつ、5人の分隊が6つずつ編成される。敵を倒す以外に任務達成による経験値が入るので、射撃が下手なうちはありがたい。とはいえ、任務失敗を続けていると、獲得経験値が0になることもある。


遮蔽の取り方、移動の速度、射撃後の対応など、ベテランの動きは初心者のとって最大の教科書となる。みんな下手だった時代はあった。継続こそが力なり

 対戦プレイはプレイヤーのスキルがもっとも如実に表れるため、初心者のうちはあまり戦果が挙がらないことも多い。60人いてランキングが60位だったりすると、さすがにがっくりくることもないではないが、これは仕方ない。そもそも初めてすぐに優勝できるようでは、やり込む楽しさがないではないか。初めは相対的なランキングなど気にせず、自分なりの目標を立てていこう。例えば、前回キル数が0だったならば、次回は1人でいいから倒すといった具合だ。そして他人の動きにしっかりと注意を払おう。上手い人は動きに無駄がない。それを見て研究することで考え方が分かってくる。後はそれを実践するだけ。それには慣れるのが一番速い。

「レジスタンス2」を通してFPSへの第一歩を記そう

 ここまで「レジスタンス2」が搭載している3つのモードについて説明してきた。それらはいずれも非常に完成度が高く、特に対戦プレイの見事さは特筆すべきレベルにある。だが、水を差すわけではないが、「レジスタンス2」の3つのモードは別にこの作品のオリジナリティではない。というよりも、FPSならばごく一般的に見られるモードと言っていいだろう。

 だが、それでも「レジスタンス2」は、あまたあるFPSの中でも極めて初心者にやさしい作品だといえる。モードそれ自体に差がないのに、なぜそう言い切れるのか。それはゲームデザインが抜群にいいからだ。

 完成度が高いゲームという言葉にはいくつかのバリエーションがある。「レジスタンス2」のそれは気づきが多い、ということによって示される。FPSに限らず、どんなゲームも最初は無駄なプレイをしがちだ。しかし、出来のいいゲームはわずかなプレイ時間でプレイヤーに的確なヒントを出してくれる。それもひとつふたつではなく、ドンドン教えてくれる。そのおかげでプレイヤーは失敗をしつつも次にすべきことが分かり、効率のいいプレイが可能になっていく。もちろん、気づくのはプレイヤーなのだが、プレイヤーがそうだと分からないようにいかにうまく誘導できるかがゲームデザイナーの腕だ。この幸福な錯覚を味わわせてくれる作品こそが、ジャンルを問わず、傑作の名に値するといえるだろう。そして、初めてのジャンルに触れる場合、誘導の巧みさは大きな影響を及ぼす。初心者なのに気持ちよく遊べたという記憶が刻まれてこそ、プレイヤーはそのジャンルを好きになるのだから。

 何事も初めは肝心。FPSが苦手な人、嫌いな人、関心がなかった人。このレジスタンス2で、その扉を開けてみてください。そして世界中のプレイヤーを相手に、同じ世界を共有する楽しさを味わってみてください。

 明日は、「レジスタンス2」開発元・インソムニアックへの現地取材リポートをお届けする。ここでは「レジスタンス2」のコンセプトや、PSP版の情報についても紹介したい。また、インソムニアック代表取締役社長兼CEOのテッド・プライス氏へのインタビューも掲載する予定だ。


「RESISTANCE(レジスタンス) 2」
対応機種プレイステーション 3
ジャンルアクション・シューティング
発売日2008年11月13日
価格(税込)6980円
RESISTANCE is a registered trademark of Sony Computer Entertainment Inc.
Developed by Insomniac Games. (C)Sony Computer Entertainment America Inc.


前のページへ 1|2|3       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
先週の総合アクセスTOP10
  1. 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
  2. フワちゃん、収録中に見えてはいけない“部位”が映る まさかの露出に「拡大しちゃったじゃん」「またか」の声
  3. 「これは悲劇」 ヤマザキ“春のパンまつり”シールを集めていたはずなのに…… 途中で気づいたまさかの現実
  4. 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
  5. 田代まさしの息子・タツヤ、母の逝去を報告 「あんなに悲しむ父親の姿を見たのは初めて」
  6. 「遺体の写真晒すのはさすがに」「不愉快」 坂間叶夢さんの葬儀に際して“不適切”写真を投稿で物議
  7. 大友康平、伊集院静さんの“お別れ会”で「“平服でお越しください”とあったので……」 服装が浮きまくる事態に
  8. 妊娠中に捨てられていた大型犬を保護 救われた尊い命に安堵と憤りの声「絶対に許せません」「親子ともに助かって良かった」
  9. 極寒トイレが100均アイテムで“裸足で歩ける暖かさ”に 今すぐマネできるDIYに「これは盲点」「簡単に掃除が出来る」
  10. 「奥さん目をしっかり見て挨拶してる」「品を感じる」 大谷翔平&真美子さんのオフ写真集、球団関係者が公開
先月の総合アクセスTOP10
  1. 釣れたキジハタを1年飼ってみると…… 飼い主も驚きの姿に「もはや、魚じゃない」「もう家族やね」と反響
  2. パーカーをガバッとまくり上げて…… 女性インフルエンサー、台湾でボディーライン晒す 上半身露出で物議 「羞恥心どこに置いてきたん?」
  3. “TikTokはエロの宝庫だ” 女性インフルエンサー、水着姿晒した雑誌表紙に苦言 「なんですか? これ?」
  4. 1歳妹を溺愛する18歳兄、しかし妹のひと言に表情が一変「ちがうなぁ!?」 ママも笑っちゃうオチに「かわいいし天才笑」「何度も見ちゃう」
  5. 8歳兄が0歳赤ちゃんを寝かしつけ→2年後の現在は…… 尊く涙が出そうな光景に「可愛すぎる兄妹」「本当に優しい」
  6. 1人遊びに夢中な0歳赤ちゃん、ママの視線に気付いた瞬間…… 100点満点のリアクションにキュン「かわいすぎて鼻血出そう!」
  7. 67歳マダムの「ユニクロ・緑のヒートテック重ね着術」に「色の合わせ方が神すぎる」と称賛 センス抜群の着こなしが参考になる
  8. “双子モデル”りんか&あんな、成長した姿に驚きの声 近影に「こんなにおっきくなって」「ちょっと見ないうちに」
  9. 犬が同じ場所で2年間、トイレをし続けた結果…… 笑っちゃうほど様変わりした光景が379万表示「そこだけボッ!ってw」
  10. 新幹線で「高級ウイスキー」を注文→“予想外のサイズ”に仰天 「むしろすげえ」「家に飾りたい」