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なぜ、人はゲームにハマルのか?:第1回「なぜ、プレイヤーはマニュアルを読まなくてもゲームを遊べるのか?」 (1/2)

「ドラクエ」「スーパーマリオ」の記録的大ヒットの秘密は、ゲーム序盤のシーンに隠されていた!

「ドラゴンクエスト」大ヒットの秘密はラダトーム城の仕掛けにあり

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 1986年に第1作目がファミリーコンピュータ用ソフトとして発売されて以来、国民的RPGとして今なお絶大な人気を誇る作品といえば、ご存知「ドラクエ」こと「ドラゴンクエスト」シリーズ。今年7月に発売されたシリーズ第9弾、「ドラゴンクエストIX 星空の守り人」も出荷本数が400万本を超える大ヒットとなり、その人気は初代「ドラクエ」の発売から20年以上が過ぎた今もなお衰えを知らない。

 今でこそRPGは家庭用ゲームの花形ジャンルだが、初代「ドラクエ」の発売当時は、それまでRPGを一度も遊んだ経験のないファミコンユーザーが非常に多かった。少年時代の筆者も含め、「RPGとは何ぞや?」と聞かれてもピンとこない人が、当時はそれこそゴマンといたのである。

 そんな状況にもかかわらず「ドラクエ」はなぜ大ヒットしたのか? その理由のひとつに、ソフトが発売されるかなり前から「週刊少年ジャンプ」誌上などで何度もタイアップ記事や広告を掲載し、その特徴を読者に繰り返しアピールしていたことがあげられるだろう。

 とはいえ、実際にソフトを買ったユーザーにすぐ飽きられてしまってはブームが長続きするハズがない。筆者が思うに、「ドラクエ」最大のヒットの秘密は、RPG未経験者でもすんなりと操作方法などの基本システムを理解し、ゲームの世界に溶け込めるよう徹底的に工夫したことが一番の理由であると考えている。

 それでは、実際にムービーを使ってその具体例を解説していくことにしよう。

(C)1986 ENIX

 このムービーは、初代「ドラクエ」のオープニングの場面である。プレイヤーが主人公の名前を入力すると、王様から主人公(プレイヤー)に対して「宝の箱を取れ」「兵士に話を聞け」と、これから何をすればいいのかを懇切丁寧にアドバイスしてくれるのがお分かりいただけるだろう。

 さらに兵士に話しかけると、下のフロアに降りるための階段へとたどり着くには、通路上にある扉を開ける必要があることが分かる。このゲームにおいては、扉は「かぎ」のアイテムを使わないと開かないルールになっているため、プレイヤーは必然的に「かぎ」を探し出すことが必要となる。そして宝箱の中に隠されたを「かぎ」を発見し、これを使用することで主人公は初めて外の世界へと出られるようになるのである。

 いかがだろうか? たった1画面のマップ内を動くだけで、「はなす」「(宝の箱を)とる」「とびら(「かぎ」で開ける)」「かいだん(を降りる)」という、ゲーム中ひんぱんに使用するこれらのコマンドの使い方を、プレイヤーが自然にマスターできるよう巧みに作り込んでいることが理解していただけることだろう。また兵士に話しかけると、「『かぎ』は一度使うとなくなってしまう」などというように、まるでマニュアルを読んでいるかのごとく説明してくれる親切ぶりだ。

 この計算されつくされた「舞台設定」があったからこそ、RPG初心者であってもアッという間に基本ルールや操作を学習し、ゲームの世界にどんどん夢中になってしまう。やがてこのゲームに感化された多くのプレイヤーたちが、まだその存在を知らない友人たちにゲームの面白さを話したり、あるいは実際にやって見せたりするうちに評判がどんどん広まり、記録的な大ヒットへとつながっていったと筆者は思うのである。

「スーパーマリオ」「メトロイド」の最初のシーンにも驚くべき秘密が!

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 今度はアクションゲームの例を取り上げる。同じく1985年にファミコン用ソフトとして登場した、任天堂の傑作アクションゲーム「スーパーマリオブラザーズ」のゲーム開始直後、ワールド1-1の場面に注目してみよう。

 ゲームが始まってから少し先に進むと、やがてブロックが画面内に現れる。これらのブロックをよく見ると、「?」マークがついたものがまざっていることにプレイヤーはすぐ気づくだろう。この「?」マークを1個をつけるだけで、「ここに何かあるかもしれないぞ!?」という無言のアピールをプレイヤーにしているわけである。そして、これらのブロックの中に1ヶ所だけ、取るとマリオが巨大化する「スーパーキノコ」が隠されているポイントがあることは、ゲームを実際に遊んだことのある人ならよくご存知だろう。

 ところで、この「スーパーキノコ」だが、みなさんは初めてプレイしたときにちゃんと取ることができただろうか? 敵のクリボーに捕まってやられてしまった場合を除き、おそらくほぼ100パーセントの人が、キノコを画面外に逃すことなく無事キャッチすることができたハズである。

(C)1985 NINTENDO
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