マーベラス、欧州・北米で自社発売から撤退 不振で今期も赤字に

マーベラスは今期も赤字に陥る見通し。注力していた欧州・北米での自社発売から当面撤退し、国内も実績あるシリーズタイトル中心に絞り込むなど、方針転換する。

» 2010年01月22日 16時22分 公開
[ITmedia]

 マーベラスエンターテイメントは1月22日、2010年3月期の連結業績予想を下方修正し、営業損益が前回予想から20億円悪化し、17億円の赤字になる見通しだと発表した。海外を中心に、販売が計画を大幅に下回る見込みになったため。不振を受け、欧州と北米での自社発売からは当面撤退し、国内も過去に実績のあるシリーズタイトル中心とするなど、経営方針を転換する。

 修正後の予想は、売上高が前回予想から23億円減の80億円、経常損益は20億円悪化して17億6000万円の赤字、純損益は18億円悪化して17億円の赤字。前期も12億2100万円の最終赤字だった。

 新たなオリジナルシリーズ創出などに向けて世界市場向け大型タイトルの開発に注力したが、海外市場ではソフトの店頭販売価格が大幅に値引きされるなど厳しい環境が続いており、販売計画が大幅に下回る見通しに。海外計画の見直しに伴い、コンテンツ資産の評価減7億2800万円を計上した上、複数タイトルの販売中止や発売延期を余儀なくされ、収益を圧迫した。

 経営効率向上のため、音楽制作を手がける100%子会社・デルファイサウンドの全株式と、英子会社Rising Star Gamesの保有株式(50%)を1月末までに売却する。子会社売却益として1億2200万円を特別利益として計上する一方、連結子会社で「家庭教師ヒットマンREBORN!」などを手がけるアニメ制作会社・アートランドの業績見通しを勘案して減損損失4700万円を計上する。

 二期連続の計画未達と最終赤字見通しを受け、実施中の役員報酬減額を追加。中山晴喜社長は月額報酬の77%をカットする(従来は20%カット)。

 これまで欧州・北米での自社発売体制確立と新規タイトル開発に注力してきたが、不振を受けて当面撤退し、今後はライセンス販売主体にすることで海外販売リスクを最小化する。国内でも実績のあるシリーズタイトル中心にポートフォリオを編成し、開発投資を絞り込む。確実に利益が出る体制への転換を図った上で、ソーシャルアプリやブラウザゲームなどの成長市場へと経営資源を集中投下し、中長期的な成長を目指すとしている。

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