あのスリルと興奮をもう一度、「駄菓子屋ゲーム貯金箱」が登場昭和の子どもたちに(2/2 ページ)

» 2010年03月24日 14時00分 公開
[芹澤隆徳,ITmedia]
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 「当時の雰囲気を再現したゲームとして新しく作ったんです」と説明してくれたのは、バンダイ・プレイトイ事業部の亀田真司氏。ちなみにJR東海、JR西日本の承認済み。

photophoto バンダイ・プレイトイ事業部の亀田真司氏と「駄菓子屋ゲーム貯金箱」の試作機。デザインやゲーム難度については、駄菓子屋ゲーム博物館の岸明仁館長が監修を担当しているという

 一方のFORMULA RACINGもなかなかレトロに仕上がっている。フォーミュラーカーのデザインは、どちらかというと昭和20〜30年代っぽいマッハでゴーゴーゴーな雰囲気だ。時代背景を考慮すると、昭和40〜50年代風にしてタイヤが6つあるマシンを入れてほしかったところか。

なつかしい悔しさと達成感

 さっそくプレイしてみた。上部のコインセレクター(特定のコインしか入らないため、こう呼ばれる。でも今回は貯金箱なので硬貨は選ばない)に10円玉を投入。右上のレバーを引き、そっとはじいてみる。10円玉はうまく軌道にのり、穴に落ちることなく左端まで辿り着いた。

photophoto コインを投入してスタート。品川までは簡単に辿り着く

 実際の10円玉ゲームも最初の1回はたいていの子どもがクリアできるように難易度を下げていて、後半に入るあたりから急に難しくなるもの。つまり、最初に成功体験を与え、どんどん硬貨を投入してもらうという寸法だ。そして駄菓子屋ゲーム貯金箱は、これを忠実に再現している。

 2つめは3回目でクリア。3つめは10回やってようやくクリアできるといった具合で、確実に難しくなっていく。ただし、レバーの感触を記憶し、10円玉の動きをよく観察すれば、どの程度の力でレバーを引けば良いかが次第に分かってくるようだ。

photophoto 名古屋、新神戸に到達。ゴールはもうすぐ

 10円玉の動きは、自分のテクニックにリニアに反応するため、繰り返せば、繰り返しただけの手応えがあって成功する確率も高まる。だからこそ、「次こそ」と思って次々と硬貨を投入してしまう。これが、かつて10円玉ゲームが子どもたちから硬貨を奪い続けた秘密であり、駄菓子屋ゲーム貯金箱は、そこまで忠実に再現してしまった。

photo ゴールの博多は両サイドに穴がある最難関。写真(イメージ)のように手前か奥に落ちてしまうことが多い

 10円玉が穴に落ちたときの悔しさ、そして苦労してゴールにたどり着き、「あたり券」が出たときの達成感。つまり、駄菓子屋ゲーム貯金箱は、本物同様に硬貨を吸い込み続けるヤミツキ系ゲームであった。きっと大人でも半日くらいは時間を忘れて熱中できる。

 「でも、本物の10円玉ゲームではお金がなくなってしまいますが、これなら逆に貯金できますよ」と亀田氏。なるほど、それが大人にお金を出させるための作戦でしたか。

 駄菓子屋ゲーム貯金箱は、5月22日に発売される予定。価格は、駄菓子屋換算で10円玉298枚ぶんだ(税込み2980円)。腕に覚えのある方は、ぜひ挑戦していただきたい。

駄菓子屋ゲーム博物館

photo 館内

東京都板橋区内にある日本で唯一の「駄菓子屋ゲーム博物館」。さまざまな10円玉ゲームにくわえ、当時の両替機やカプセル玩具販売機、雑誌などを多数展示公開している。開館時間は土日祝日が10時から19時まで、平日は14時から18時(火曜定休)。アクセスは都営三田線「板橋本町」駅から徒歩6分(詳細は博物館のWebサイトを参照してほしい)。なお、駄菓子屋ゲーム貯金箱は、駄菓子屋ゲーム博物館の岸明仁館長が監修を担当。デザインからゲーム内容まで、当時のものを忠実に再現したという。


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