“進化”は止まらない――「Animelo Summer Live 2010 -evolution-」2日目最速リポート!:アニメロ2010
常に“進化”を我々に見せつけ圧倒する「Animero Summer Live」が今年もさいたまスーパーアリーナで開催された。アニメの祭典2日目の様子をどこよりも早くお伝えする。
「evolution」――。
そのサブタイトル通り、進化し続けるアニメソングの「現在」をあますことなくステージに提示して見せた「Animelo Summer Live2010 -evolution-」。
昨年から引き続きさいたまスーパーアリーナで開催されたアニメソングの祭典は、ついに2日目のステージの幕開けを目前に控えていた。
昨日同様、会場前のけやき広場には多くの出店が並び、特設ステージではラジオ番組の公開収録や、志倉千代丸&桃井はるこのダブルプロデュースで活動するボーカルグループ・アフィリアサーガ・イーストのライブが行われ、賑々しいお祭り気分を演出。そしてもちろん今日も2万5000人のアニソン戦士がここに集う。
ある者はイヤホンを耳に通しつつ本日のレパートリーを予測し、またある者は応援するファン同志で円陣を組み気合いを入れている。「アニメソング」というキーワードの元に集結したあらゆる存在が、今日このさいたま新都心に新たな伝説を刻み込むことだろう。誰もがその予感に胸を躍らせ、その瞬間を心待ちにしていた。
ロケットスタートの2日目!
この日も開演予定時刻の午後4時ほぼジャストで客電が落ちた。そして1日目と同じく、生命の開闢を思わせる力強くも幻想的なパフォーマンスが繰り広げられる。喝さいで彼らを迎える観客たち。その時、会場にアニメソングファンなら誰もが知っている、あのギターフレーズが鳴り響く。
ステージにはMay'nと茅原実里が登場。悠久の時間を超える愛を歌った「創聖のアクエリオン」(アニメ「創聖のアクエリオン」OP)の「愛してる〜」のコール&レスポンスで祭典の始まりを告げた。
そのままステージに残った茅原は、最新シングル「Freedom Dreamer」で、さらに会場を興奮のるつぼに叩き込む。
「夏をエンジョイしてますかー?」
今年の夏は公私ともに充実しまくりの茅原は、最後の夏の思い出とばかりにアゲアゲのポップ・チューン熱唱した。
この勢いはまだまだ止まらない。milktubが今年初頭にリリースしたパンクロックなヒット・ナンバー「バカ・ゴー・ホーム」(アニメ「バカとテストと召喚獣」ED)をさいたまスーパーアリーナに投下する。
さらに「Happy Go!!」では彼らのライブではおなじみの「ワンツー・イヤホイ」のコール&レスポンスを敢行。会場を狂乱の渦に巻き込む。milktubとのコラボ・ステージを経て会場を沸かせたのがサイキックラバーだ。
例えるならイグニッション・シークエンス・スタートの「スタート」が彼らだろう。今年放送終了後も人気が衰えず、新作も製作された特撮番組の主題歌「侍戦隊シンケンジャー」で、まさしく「アッパレ!」なステージングを見せた。
シーンを牽引する歌姫が続々!
カウントダウンがホール内に響く。
「3……2……1……0!」
満を持して登場したのは、歌唱力に定評のある人気声優・小林ゆうこと「YU」率いるロック・ユニットCrush Tearsだ。
「AHHHHHHHHHHH!!」
完全にブチ切れモードのYUはギターのRYO、ベースのTAKUMAを脇に従え、魂の絶叫を絞り出す。
そして先日リリースされたばかりの1stアルバムのリード・ナンバー「Astro Rider」でロック・ディーヴァとしての存在感をアピールした。次いで飛蘭が、負けじとエモーショナルなライブを展開する。
アニメ「聖痕のクェイサー」OPテーマとしてヒットした「Errand」では、自慢のロングトーンをソリッドなロック・トラックに乗せて披露。
「今まで出会った人。これから出会う人。そしてここにいる皆の笑顔を守りたい! だから私を信じてついてきて!」
高らかに誓う飛蘭の言葉に、オーディエンスは大歓声で応えた。ここまでほぼノンストップでロックなステージが展開してきた2日目のアニサマ2010。ここでちょっとひと休み……できるはずもなく、元気いっぱいのミルキィホームズがステージに登場する。
漫画、小説、アニメとメディアミックス展開をする「探偵オペラ ミルキィホームズ」の世界から飛び出した主演女性声優4人がゲーム版主題歌「雨上がりのミライ」をキュートに歌唱した。
昨日、そして本日、ここまでのライブで疲れたアニソン戦士たちを癒すように「Flower」を歌うのは奥井雅美だ。ノンタイアップの楽曲だが、「皆が幸せになってくれたらいいな」というメッセージが込められたバラードが、オーディエンスたちを包み込むのだった。
また、歌のみならず切れのいいダンスで会場を魅了したのが彩音だ。
躍動感あふれるパフォーマンスを、ニンテンドーDS用ゲーム「ひぐらしのなく頃に絆」主題歌「Angelic bright」に合わせてステージ全体に展開した。
現在のアニソンシーンを牽引する歌姫たちの饗宴を締めくくったのは、アキバ系サウンドの開拓者にしてトップアーティスト・桃井はるこだ。
「人間の進化で一番大事なのは言葉だと思います。このアニサマでポジティブな、いい言葉を発したい!」
アニサマ2010のテーマである“進化”をモモーイ流に解釈して、「勝利の女ネ申☆」をタオルを振り振り熱唱した。
実力派シンガーが盛り上げる終盤戦
前日はJAM Projectとしてステージに立った遠藤正明が、この日はソロでステージに立った。
熱血ヒーローソングのイメージが強い彼だが、バラードシンガーとしても超一流の遠藤は、PCゲーム「マブラヴ オルタネイティブ」挿入歌「Carry On」でむせび泣く男の魂を情感たっぷりに歌い上げる。
また、さいたまスーパーアリーナをたちまち異空間に引きずり込んだのがALI PROJECTだ。「妖怪花魁百鬼夜行」と自称する通り、宝野アリカはデカダンなアレンジが施された花魁スタイルでステージを闊歩。ドラァグクイーンを率いてアニメ「刀語」新オープニング・テーマ「刀と鞘」を優雅かつ妖艶に歌唱した。怪しげなムードが漂うステージから一転。ダンサーチームがステージに登場し、アクロバティックなパフォーマンスを繰り広げる。彼らが出てきたということは……?
オーディエンスの予想は的中。アニメ「マクロスF」にて銀河にその名をとどろかせる歌姫・シェリルの歌唱を担当したMay'nが「ユニバーサル・バニー」でステージに登場。心からライブを楽しんでいるかのような笑顔を湛えつつ、切れのいいダンスと伸びやかなボーカルで会場を魅了した。
盛大なフィナーレを飾る豪華ゲスト&コラボ
まだまだ続く。ゆかり王国からやってきたお姫様、田村ゆかりが登場すると、客席が一面ピンク色のサイリュームの輝きに包まれる。
最新シングル「おしえてA to Z」(アニメ「B型H系」OP)では、お姫様らしいキュートな振りつけで国民をメロメロに蕩かす。この日、めでたくさいたま新都心はゆかり王国に占領されてしまった。
「Animelo Summer Live2010 -evolution-」1日目をアニメソングの音楽性の幅広さと懐の深さが前面に出たレパートリーとするなら、2日目はアニメソング・ファンにはたまらないお宝ステージが魅力のレパートリーだといえる。
その最たるものが人気アーティスト同士のコラボレーションステージだ。
冒頭の茅原実里&May'nをはじめ、miktub&サイキックラバー、彩音&飛蘭といった激レア・ライブが続々展開。その中でも最高潮を記録したのが、m.o.v.e.のmotsuと田村ゆかりのコラボによる「You & Me」だ。アニサマを通じて交流を深めた両者が満を持してリリースしたキラーチューンの生コラボで、さいたまスーパーアリーナが揺れに揺れた。
と、ここでシークレット・ゲスト、KOTOKOが登場。彼女の参戦はこの瞬間までトップシークレット扱いだったため、「Shooting Star」のイントロが流れ始めた瞬間にどよめきが起き、次の瞬間悲鳴ともいえる歓声が巻き起こる。
ちょうど全国ツアーが真っ最中のKOTOKOは、前日にも青森公演を行ったばかり。その後に関東に直行し会場に駆け付けた彼女は、今秋スタートのアニメ「もっとToLOVEる-とらぶる-」主題歌「Loop-the-Loop」を熱唱した。
2日間にわたる「Animelo Summer Live2010 -evolution-」のトリを務めたのは、今やアニソンシーンの最前線をひた走る歌姫・水樹奈々だ。「Don't be long」、「PHANTOM MINDS」の劇場版「魔法少女リリカルなのは The MOVIE 1st」楽曲がスタートすると、観客席はウルトラオレンジのサイリュームが咲き乱れる。天井まで明るく照らすほどの輝きに包まれながら、水樹は豊饒な歌唱力をいかんなく発揮した。
本編ラストを飾ったのは、水樹奈々と奥井雅美のコラボステージだ。力強い歌声を誇る歌姫たちの両翼で「UNCHAIN∞WORLD」を、さいたま新都心の夜に羽ばたかせた。
アンコールでは2007年度アニサマのテーマソング「Generation-A」、2010年度のテーマソング「evolution 〜for beloved one〜」を出演者全員で披露。2日間、全力で駆け抜けた仲間とアニソンファンを称えあうのだった。
幅広い音楽性を内包し、世界中にファンを増やし続け、進化の歩みを止めることのないアニメソング・シーン。その「現在」を見事に真空パックしたかのような2日間であったといえる。
なお、すべての出演者が去った後、スクリーンには「Animelo Summer Live 2011」の開催決定を告げるアナウンスが表示された。次の伝説に向けて、アニメソングは進化をし続ける。
曲順 | 曲名 | アーティスト | ||
1 | 創聖のアクエリオン | 茅原実里×May'n | ||
2 | Paradise Lost | 茅原実里 | ||
3 | 優しい忘却 | 茅原実里 | ||
4 | Freedom Dreamer | 茅原実里 | ||
5 | バカ・ゴー・ホーム | milktub | ||
6 | Happy Go!! | milktub | ||
7 | Get wild | サイキックラバー×milktub | ||
8 | 超!最強!ウォーリアーズ | サイキックラバー | ||
9 | 侍戦隊シンケンジャー | サイキックラバー | ||
10 | Astro Rider | Crush Tears | ||
11 | Communication Breakdown | Crush Tears | ||
12 | SERIOUS-AGE | 飛蘭 | ||
13 | 戦場に咲いた一輪の花 | 飛蘭 | ||
14 | Errand | 飛蘭 | ||
15 | 雨上がりのミライ | ミルキィホームズ | ||
16 | 恋華大乱 | 奥井雅美 | ||
17 | flower | 奥井雅美 | ||
18 | Arrival of Tears | 彩音 | ||
19 | Angelic bright | 彩音 | ||
20 | Northern lights | 彩音×飛蘭 | ||
21 | トンドルベイビー | 桃井はるこ | ||
22 | 21世紀 | 桃井はるこ | ||
23 | 勝利の女ネ申☆ | 桃井はるこ | ||
24 | BELIEVE IN NEXUS | 遠藤正明 | ||
25 | Carry On | 遠藤正明 | ||
26 | 薔薇獄乙女 | ALI PROJECT | ||
27 | 刀と鞘 | ALI PROJECT | ||
28 | 亂世エロイカ | ALI PROJECT | ||
29 | ユニバーサル・バニー | May'n | ||
30 | 愛は降る星のごとく | May'n | ||
31 | Ready Go! | May'n | ||
32 | おしえてA to Z | 田村ゆかり | ||
33 | Tiny Rainbow | 田村ゆかり | ||
34 | fancy baby doll | 田村ゆかり | ||
35 | You & Me feat.motsu | 田村ゆかり feat.motsu | ||
36 | Shooting Star | KOTOKO | ||
37 | Loop-the-Loop | KOTOKO | ||
38 | Re-sublimity | KOTOKO | ||
39 | Don't be long | 水樹奈々 | ||
40 | NEXT ARCADIA | 水樹奈々 | ||
41 | PHANTOM MINDS | 水樹奈々 | ||
42 | UNCHAIN∞WORLD | 水樹奈々×奥井雅美 | ||
〜アンコール〜 | ||||
EN1 | Generation-A | All Artist | ||
EN2 | evolution 〜for beloved one〜 | All Artist |
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