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なぜ、人はゲームにハマルのか?:第6回:ハラハラドキドキ感を演出するゲームサウンドの魅力 (1/2)

「なぜ、人はゲームにハマルのか?」をまじめに考察する不定期企画の6回目は、ゲームにおけるサウンドの重要性について紐解きます。

視覚、触覚と同時に聴覚でも楽しめるのがゲームのだいご味

 ビデオゲームは画面に表示されるキャラクターなどを見たり動かしたりして遊ぶものですが、それと同時にゲーム中に流れる個性豊かなBGMやSE(効果音)、すなわちサウンドを聞くことで耳でも楽しむことができるのも大きな魅力のひとつです。

 例えばアクションゲームであれば、巨大なボスキャラが出現したときにテンポの速いBGMが流れることでプレイヤーの緊張感を大いにあおる効果があります。またRPGにおいては、主人公のレベルがアップすると明るい曲調のファンファーレが鳴ったり、あるいは悪の大魔王を倒してエンディングを迎えると、画面にスタッフロールが流れると同時に曲が変わってプレイヤーを祝福してくれるなどといったように、サウンドを効果的に使用することでプレイヤーはゲームがますます楽しくなるわけですね。

 有名タイトルでの一例を挙げますと、1986年にファミリーコンピュータ用ソフトとしてエニックス(現:スクウェア・エニックス)が発売した元祖「ドラゴンクエスト」では、ダンジョン内の階段を降りて下のフロアへ進むたびにBGMの音程およびテンポが少しずつ下がるようになっています。これによって、プレイヤーにどんどんクライマックスの場面に近づいているという緊張感やスリルを与える効果をもたらしているのです。懐かしのムービーをご用意しましたので、過去にもうさんざん遊に倒したよというそこのアナタも、この機会にあらためてBGMによって緊張感が増す妙味を堪能してみてください。

 ちなみにこのアイデアは、1998年に扶桑社が発行した「スーパーゲームヒット学」という本に登場した堀井雄二氏が、作曲者のすぎやまこういち氏が発案したものだと仰っていました(「ドラクエ」豆知識!)。

(C)1986 ENIX

 と、いうことで今回は、プレイヤーがついついゲームに夢中になってしまう仕掛けを盛り込んだサウンドの数々をムービーや写真をいろいろ交えながらお話を進めていくことにしましょう!

スリル感を絶妙に演出するハリーアップ時のサウンド

 BGMのテンポを変化させることでプレイヤーの緊張感を煽る最もポピュラーな例が、タイムリミットが近づくとBGMが変化する、いわゆるハリーアップ時のサウンドではないでしょうか?

 その代表例は、昨年に生誕25周年を迎えた「スーパーマリオブラザーズ」でしょう。「スーパーマリオ」では、残りタイムが100未満になると警告音が鳴ると同時にBGMのテンポがアップする仕組みになっていますので、「早くゴールしないとマリオがやられちゃう!」などとハラハラドキドキしながらプレイした経験を多くのみなさんがお持ちのことでしょう。これは「NewスーパーマリオブラザーズWii」などのシリーズ作品でも同様です。あるいは、ラスト1周になるとBGMのテンポが急に上がる「スーパーマリオカート」シリーズにおいても同じことが言えますよね。

wk_110117game01.jpgwk_110117game02.jpg 「スーパーマリオブラザーズ」でも「スーパーマリオカート」でも、クライマックスの場面でBGMのテンポが速くなることでさらにスリル感が増す効果があります

(C)1985 NINTENDO
(C)1992 NINTENDO

 古いところでは、1985年にナムコ(現:バンダイナムコゲームス)が発売したアーケードゲームの「ドラゴンバスター」にもサウンドの変化によってスリル感を高める演出が存在します。本作ではステージをクリアするまでの制限時間は設けられていませんが、主人公の剣士クロービスのバイタリティが少なくなると警告音が鳴ってBGMのテンポがアップするようになっています。また、クリアするための出口に入らずにグズグズしているとケーブシャークという強敵が追いかけてきて(※このときにも不気味なサウンドが流れる仕組みになっています)、噛み付かれるとあっという間にバイタリティを減らされてしまうため、「出口まで急がないとヤバイぞ!」というさらなる恐怖感をプレイヤーに煽る効果があるのです。

※Wiiバーチャルコンソール版を使用
(C)1984 2009 NGBI

 同じく、旧ナムコ作品である1986年に発売された「トイポップ」では残りタイムがゼロになってもミスになりませんが、時間が経過するにつれてだんだんBGMのテンポが速くなるのと同時にフィールドが徐々に狭まり、逃げ場が減っていく面白い演出になっています。実際、筆者も初めてこの場面に遭遇したときは、コミカルな世界観とは相反するかのようなものすごい恐怖感に襲われてビックリした思い出があります。

※PS版「ナムコミュージアムVol.1」を使用
(C)1995 NAMCO., LTD. ALL RIGHTS RESERVED

 また、1979年に発売されたシューティングゲーム「ギャラクシアン」では、集団の中に待機していた敵が降下して攻撃してくると独特の飛行音が鳴るようになっています。やがて敵軍は数が少なくなると総攻撃を仕掛けてきますが、総攻撃が開始されると敵は待機状態に戻らなくなり、その結果として総攻撃中は飛行音がずっと鳴りっ放しになるので、やはりサウンドの効果でプレイヤーに対して心理的なプレッシャーを与えることになります。筆者も小学生時代、あまりの緊張感に襲われて我を失い、何度となく敵軍の思うツボにハマってしまったものでした(苦笑)。

 他にも、1987年にKONAMIが発売したファミコンソフト「ドラキュラII 呪いの封印」では、昼と夜とでBGMが変化するユニークなシステムになっていました。夜になると「ソシテ センリツノ ヨルガ オトズレタ…」というメッセージとともに、それまでノリノリだったBGMから一転して恐怖感を煽る曲にとガラリと変わり、街中にまでグロテスクな敵が次々と出現して襲い掛かってくるという、いかにもホラーアクションゲームにふさわしい秀逸な演出がありました。実際にプレイした経験がある人であれば、今なおその記憶が鮮明に残っているのではないでしょうか?

※PS版「ナムコミュージアムVol.3」を使用
(C)1996 NAMCO., LTD. ALL RIGHTS RESERVED
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