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シグナルトーク代表取締役 栢 孝文氏に聞く:“麻雀ゲーム”ではなく“麻雀”を再現する「Maru-Jan」の試み

耐久といえば8時間だろう――。そんな軽い気持ちで始まった生放送企画「マルジャン放送局8時間スペシャル『全面対決!プロ雀士 vs 丸雀士!』」を振り返る。

あくまでも“運次第”の麻雀をいかにエンターテインメントとするか

wk_110214maru100.jpg シグナルトーク代表取締役の栢 孝文氏

 「“耐久”といえば8時間だろう、という軽いノリで企画はスタートしました」――。シグナルトーク代表取締役の栢 孝文氏は、1月26日に開催されたオンライン麻雀ゲーム「Maru-Jan」を使用した生放送企画「マルジャン放送局8時間スペシャル『全面対決!プロ雀士 vs 丸雀士!』」をこう振り返る。

 やるのであれば話題になる面白いものを創ろうと考え、今後のインターネット生放送の可能性を計ろうともした。通常の1時間配信と異なり、ある程度の機材の準備も必要で、企画段階から飽きさせない工夫が必要だった。麻雀ファンの視点では、さまざまなプロの打ち方が一気に見られたのが面白いのではないかとの思いもあった。

 プロ雀士とはどれほど強いのだろうか? という単純な疑問を解消すべく、先日登録会員数が50万人を突破したオンライン麻雀ゲーム「Maru-Jan」のユーザーを対象に行われた先述の生放送企画は、企画名のとおり8時間ぶっ通しでプロと対決でき、それを観戦することができた。

 以前から生放送では、プロに対局してもらったり、栢氏自身が出演しているのだが、その際ユーザーに勝てないことも多かったという。そこで、いっそのことユーザーとの対戦イベントをやろうという流れになるのは自然だったのかもしれない。実際に有料のオンライン麻雀ゲームだということもあり、本当にこだわってオンライン麻雀を遊んでいる人が多く、そうした対戦企画もある程度はウケがよいのではないかという目算もあったのだろう。

 うれしい誤算としては、プロ雀士の反応が良かったと栢氏。普段の麻雀は黙って打つものなので、自分の麻雀観や打ち方を話しながら打つ事が楽しかったとの感想も多かったそうだ。今回の企画ではユーザー側の勝利に終わったが、プロからまたやりたいという声も挙がっているという。もちろん、ユーザーからも「またやってほしい」「自分も参加したい」という声も多かった。

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 通常数千人規模に考えを伝えるには大きな会場と大きな費用が必要だったが、インターネット上での放送では容易にそれが可能だ。ユーザーへの満足度を高めるためにも、この利点を使わない手はない。ましてや、「Maru-Jan」はオンライン麻雀ゲームだ。途中、回線トラブル等があり改善すべき点は多々あったが、概ねユーザーとのつながりを持つという点では大成功だったのではないだろうか。次回の開催では、ネットワークの技術的な問題をクリアして、安定したコンテンツを送りたいとの目標もできた。今度は何時間ぶっ通しになるかはまた別の話だ。

 麻雀というコンテンツを“エンターテインメント”として提供するシグナルトークにはひとつの仮説がある。麻雀は基本的には運のゲームで、プロが成り立ちにくい世界と言われている。プロが強いか弱いかという議論はあるとして、プロが勝つかどうかは誰にも分からなく、当然勝ったり負けたりする。つまり、プロではなくても、世界で一番の麻雀が強い人だとしても、勝つかどうかは運次第なのだ。

 それを踏まえて、麻雀をエンターテインメントとして扱う際には、2つの要素が必要だと考えている。それは「その時どういう考えをもって試合結果になったのか」。そして「どういうプロセス・考え方でその結果になったのか」というもの。

 運そのものを楽しむ点で見れば、スポーツの試合とは違い、面白い負け方や下手な勝ち方ということが必要なのではないだろうか。プロは試合結果も大事だが、対戦を見せるという観点からは、面白い言葉を持っていたり、タメになる考え方があるというのが必要なのだ。「勝ったり負けたりするだけであれば、普通の麻雀打ちでもやっていることですので」と栢氏は付け加える。

 「Maru-Jan」はユーザビリティを高めるためにありとあらゆることをしていくと標榜している。サーバーの安定度を高め、通信の速度を高め、バグを少なくする。遊べないユーザーを減らし、課金する手段を増やす。サポートのメール返信速度を上げ、返信内容を丁寧にする。まだまだある。デザインを綺麗にし、さまざまな場所から「Maru-Jan」にたどり着けるようにポータルサイトと連携を行う。もちろん今回の生放送のようなイベントも積極的に行っていく。

 どれも基本的なものであり、どのオンラインサービスでも通常やらなければいけないことだ。だが、そうした基本的なことをまずひとつずつ高めていくことが結果的にユーザーのためでもあるし、サービスそのもののためでもあるのは誰しもが分かっているが難しいことなのかもしれない。ユーザーに1つのことに満足してもらうだけでなく、すべてに満足してもらえるようにしたいと栢氏は語った。

 「『Maru-Jan』は麻雀ゲームではなく、麻雀を再現しようとしています。他の麻雀ゲームがどうのということではなく、実際の麻雀と『Maru-Jan』との間にまだまだ差があると思っていますので、足りないものだらけだと思っています」(栢氏)

 まだまだ改善すべき点は多いということか。今後のバージョンアップについて、「よく6年バージョンアップを続けているとやることは無いんじゃないか? と言われますが、今後のやることリストの内容が多すぎて開発陣が大変な思いをしているくらいです」と、今後のバージョンアップが期待できるコメントを出している。

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 今後の目標としては、上記を踏まえて「Maru-Jan」の会員数を増やすことだけを目的とするのではなく、麻雀自体をより楽しんでもらえる様にしていきたいと栢氏。ユーザーの年齢層が広く、いかに彼らに“麻雀ゲーム”ではなく“麻雀”を提供できるかがカギとなるとみている。シグナルトークとしては、先日発表した認知症研究の予防・治療に向けた研究について、今後もさまざまな協力を得て準備し進めており、研究成果を発表していきたいとのこと。

 正直、この「マルジャン放送局8時間スペシャル『全面対決!プロ雀士 vs 丸雀士!』」の企画を聞いた際は、プロが投票数を多く集め、当然プロが勝つだろうと思っていた。運営側もそう思っていたという。しかし、実際はユーザーが勝利した。プロは残念に思っていたようだが、「Maru-Jan」を開発し運営し、こうして麻雀が好きで強いユーザーが長く遊んでくれていることに大きな自信と手ごたえを得たのは確かだろう。

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 栢氏の「本当に麻雀が好きで強い人、『Maru-Jan』で長く遊んでその間に強くなった人もいます。お客様が強いから他のお客様も強くなっていくということだと思いますので、私としてはお客様が勝ってちょっと嬉しいと思っています」というコメントに、あくまでもユーザーに顔を向けたサービスであるということを実感したのだった。


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