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音質を大きくリファイン――コードレスサラウンドヘッドフォン「SE-DIR2000C」レビュー(1/3 ページ)

» 2005年07月26日 22時32分 公開
[本田雅一,ITmedia]

 初のドルビーヘッドフォン対応のデジタルコードレスサラウンドヘッドフォンとして2002年5月に発表されたパイオニア「SE-DIR1000C」は、DVDやゲームでのサラウンド音場を手軽に得られる製品として大きな人気を博した。今回試用した「SE-DIR2000C」は、その後、初めてのフルモデルチェンジだ。

(編集部注:その間に、SE-DIR1000Cの廉価版として2003年10月に「SE-DIR800C」が発売されている)

photo ドルビーヘッドフォン対応デジタルコードレスサラウンドヘッドフォン「SE-DIR2000C」

 SE-DIR1000Cは当時としては非常に優れた仮想サラウンドを実現していたが、2つほどの不満も存在していた。最新のSE-DIR2000Cでは従来機で指摘されていた問題はもちろん解決されている。しかも“カナメ”とも言える音質と仮想サラウンド処理の能力も、従来機と比較してハッキリとした改善を感じることができた。

AACデコードと簡単充電

 従来モデルはドルビーデジタルとDTSのデコーダ機能を内蔵し、DVD視聴用としては十分な性能と機能を備えていたが、デジタル放送で採用されているAACについてはデコーダを内蔵していなかった。

 また付属の単三形ニッケル水素充電池の充電は、従来モデルではサラウンドプロセッサ本体から伸びるDCプラグをコードレスヘッドフォンの充電端子に差し込まなければならず、スタンドにかけてポンと置くだけで充電することもできない。

 しかし今回のアップデートで両方の不満に対して対応が取られた。

 サラウンドプロセッサ部はAACデコード機能を備えるようになり、デジタル放送の5.1サラウンドも、ドルビーヘッドフォンの機能を用いて仮想音場へと展開させることが可能になった。さらにコードレスヘッドフォンは、本体に組み込まれたヘッドフォンスタンドに置くだけで、バッテリの充電を行うことができる。

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 充電機構の組み込みに伴いスピーカユニット部をつなぐブリッジ部分のフレームが、やや大型化しているものの、ヘッドフォン部の質量はわずか(10グラム)ではあるが軽量化された。

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 ……と、改善点を並べるとマイナーチェンジのように思われるかもしれないが、実際にはもっと本質的な違いがある。ヘッドフォンとしての音質が明らかに向上しているのだ。

高域のピークが取れ、長時間使用でも聴き疲れしない音に

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