ドワンゴが携帯放送局「パケラジ」開局

» 2005年02月22日 19時38分 公開
[杉浦正武,ITmedia]

 ドワンゴは2月25日から、携帯向けのストリーミング放送サービス「パケラジ」を開始すると発表した。同社が提供する着信メロディ&マナー着信音総合サイト「いろメロミックス」会員なら無料で視聴できる。

Photo 番組イメージ。番組表に沿って各プログラムが配信されているため、ユーザーは「何か面白い番組をやっていないか」と携帯を操作することになる

 ドワンゴが開発したアプリをダウンロードして、独自フォーマットに対応した各種番組を視聴する方式。番組は、主に静止画と音声を組み合わせたものになる。

 「携帯で動画再生は限界がある。静止画に、文字を少し動かす程度でいいと判断した」(ドワンゴの小林宏社長)。本質は、ラジオ放送サービスと考えてよい。ドコモはFOMA900i、700iシリーズ以降のFOMA端末、auはW21SAが対応しており、W21HをのぞくW2xシリーズ端末にも順次対応する予定だ。

Photo サービスのコンセプトを説明するドワンゴの小林社長。番組には携帯ならではの、コンテンツとバイブレーションやLEDを連動させる機能も盛り込むという

 ドワンゴは従来から、メディア化戦略を打ち出している(2004年9月9日の記事参照)。これまでもサイト上で簡単なゲームや、「いろメロ生放送」と呼ばれる情報番組を提供していたが、今回「新たなメディア」(ドワンゴ)の始動に踏み切った。

 パケラジの音声コーデックは、着ボイスで利用しているものと基本的に同じ。これを連続再生しつつ、静止画の切り替えを同期させて1つのコンテンツにする。パケット量は「コンテンツにもよるが、品質の高いものを頑張って作ると1分300Kバイト程度」(ドワンゴ)。このため、ユーザーはパケット定額制コースに加入していることが前提となる。

 番組制作にあたっては、コンテンツプロバイダに制作ツールを貸し出す方式。画像データや文字データ、音声を収録して、これをPCで編集すれば番組を制作できる。作業はさほど難解なものではなく、コンテンツプロバイダの負担は小さいという。

PHoto 例えばこのコンテンツは、30分で簡単に作られたという
PHoto コンテンツ制作ツールのインタフェース。シーンごとに画像を並べていくイメージだ

 できたコンテンツは、PCからサーバにアップされ、配信される。サーバはドワンゴが用意する予定。「いろメロミックスのノウハウもあるので、数万人の同時アクセスには耐えられる」(ドワンゴ)という。番組は、時間を決めて配信することもできるが、リアルタイムに中継サービスを行うことも可能。その場合、サーバ側の処理の関係上、実際とは30秒ほど遅延して音声が配信されることになる。

Photo 音楽ライブも中継可能だ

どんな番組が視聴できるのか?

 番組は、音楽、お笑い、スポーツ、ニュース、グラビアなど多彩なジャンルが用意される予定。技術的にはいくらでも番組を増やせるため、暗証番号を入力して視聴する「特別番組」などもプロモーション用に制作したいという。

 サービスの提供にあたり、ドワンゴはコンテンツパートナーとしてタワーレコード、テレビ朝日ミュージック、ワタナベエンターテインメント、サンズエンタテインメントなどと提携する。会場にはこれらの企業、事務所に所属するタレントが駆けつけ、発表に華を添えた。

Photo 人気男性ユニット「w-inds.」の3人が登場。ヴィジョン・ファクトリーがコンテンツ提供するため、w-inds.の出演番組なども配信される
photo イエローキャブの元社長として知られる野田義治氏(写真中央)率いる、サンズエンタテインメントもコンテンツ提供する。内容は、もちろんグラビア番組だ
Photo 左から、太田彩乃、五十嵐りさ、小林恵美、伊藤あい、大網亜矢乃
Photo ドリームステージエンターテインメントがコンテンツ提供するため、格闘技「PRIDE」の特別番組も放送される。会場では、高田総統が例によって「ビターン!」と叫ぶコンテンツも披露された
PHoto サービス開始を記念して、ドコモプロダクト&サービス本部の夏野剛氏と、KDDI執行役員の高橋誠氏も祝辞を寄せた

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