脈拍、体脂肪、口臭、消費カロリー……チェックはケータイにおまかせ──ドコモのウェルネスケータイCEATEC JAPAN 2007

» 2007年10月02日 13時35分 公開
[後藤祥子,ITmedia]

 CEATECのドコモブースに試作機として登場したのが、健康増進と維持をサポートするウェルネスケータイだ。ドコモの三菱電機製端末「D903i」をベースモデルに、脈拍や体脂肪、口臭をチェックする機能を搭載。メインディスプレイをタッチパネル対応にすることで、データも入力しやすくなっている。

 メタボリックシンドロームを気にする人が増えるなど健康への関心が高まる中、「何かケータイでサポートできることはないかと考えた」のが、開発のきっかけだったと説明員。開発に当たっては、操作やデータ入力に煩わしさを感じさせないよう配慮したという。

Photo スライドボディの三菱電機製端末「D903i」をベースにしたウェルネスケータイ

1台に高機能歩数計、脈拍計、体脂肪計、口臭チェッカーを搭載

 ウェルネスケータイの特徴は、ケータイが各種の健康系データの計測機器として機能する点。具体的には歩数と脈拍、体脂肪、口臭のチェックを行える。

 歩数計は、3軸の加速度センサーと3軸の地磁気センサーを利用したもので、「歩く」「走る」「階段を上る」「階段を下りる」「静止」の5つの状態を検知できるのが特徴。端末側でそれぞれの状態に合った消費カロリーをはじき出すので、より正確な消費カロリーを把握できる。歩数や消費カロリーは待ち受け画面に表示でき、端末を取り出すたびにチェックできるのも便利だ。

Photo 歩数や消費カロリーは待ち受け画面に表示できる(左)。ブースにはルームランナーが設置され、走った状態の歩数や消費カロリーをチェックできる点をアピールしている

 脈拍計は赤外線を利用しており、端末には通常の赤外線ポートのほかに、脈拍計測用の赤外線ポートを搭載。赤血球に赤外線を当て、その反射率から脈拍を割り出す仕組みで、赤外線ポートに20秒間指を載せることで計測できる。外光が入るとうまく測定できないことがあるという課題もあるが、うまくいったときの計測結果は市販の脈拍計と同等で、十分使えるレベルだという。

Photo 通常の赤外線ポートの横に、脈拍チェック用の赤外線ポートを用意。ここに指を載せて計測する

 体脂肪は、端末の上部と底部に手のひらの腹の部分を当てて計測。体重計などに搭載されている体脂肪計と同じ生体インピダンス測定を採用しており、端末からかすかな電流を流して計測する。

Photo 体脂肪は端末の両サイドに手のひらの腹を当てて計測。計測後は体脂肪率と自分の肥満度を示す表が出る

 口臭チェッカーは、底面のマイクの付近にガス素子を入れ、そこに息を吹き込んで計測する。口臭チェックによく使われるメチルメルカプタンというにおいの成分を検出することで口臭の度合いを測っており、「ニンニク料理を食べたあとにはしっかり反応する」(説明員)という。

Photo 口臭は端末の底面に息を吹きかけてチェックする

“続けるため”の仕組みも

 端末には、健康への配慮を続けるための仕組みも用意されている。1つは「ワークアウトミュージックプレーヤー」。端末に距離や時間、消費カロリーなどの目標数値を設定し、音楽を聴きながらジョギングやウォーキングを行える機能だ。

 もう1つはSNSとの連係機能。計測した各種データをiアプリ経由でサーバにアップロードでき、例えばこのデータをSNSと連携させれば、「家族や友達とデータを共有して、励まし合ったりしながら健康維持に関する取り組みを続けられる」というメリットがあるという。

 製品化については「未定」(説明員)としているが、この中の一部の機能だけでも、ライフスタイルに合った端末ラインアップの「70xi」シリーズに搭載されたら注目を集めそうだ。

Photo 「ワークアウトミュージックプレーヤー」(左)とSNSを使ったデータの共有例(右)。ワークアウトミュージックプレーヤーのボリュームつまみは、タッチパネルの上をぐるぐるとなぞって調整する

Photo データ入力はタッチパネルで行う(左)。ディスプレイ下部は、通常は十字キーとソフトキーのアイコンが青く表示されるが(右)、ワークアウトミュージックプレーヤー利用時には異なる操作画面が赤色で表示される

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

最新トピックスPR

過去記事カレンダー

2024年