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連休の谷間に飛び込んできたナムコとバンダイの経営統合。ゲーム・玩具分野の巨大企業の誕生だが、「意外に驚きはない」とする関係者は多い。両社ともセガとの“成田離婚”の過去を持つように、他社との経営統合の道を模索していた上、少子化でシュリンクが見えている同分野で生き残るため、業界再編の動きが加速するのは予測されていたことだった。
バンダイは、同分野のメジャー企業としては株式時価総額が相対的に低いことで知られる。バンダイの連結売上高(2005年3月期見通し)約2632億円に対し、時価総額(5月9日終値換算)は約2340億円。だがスクウェア・エニックスは連結売上高(同)730億円に対し時価総額(同)は約3852億円、コナミは連結売上高(同)2750億円に対し時価総額(同)は約3210億円と、バンダイの“割安度”が目立つ。
「ゲーム開発は外部委託」(高須武男社長)というバンダイの最大の強みは「機動戦士ガンダム」などの強力なキャラクター版権と、それを活かす随一のマーチャンダイジングノウハウ。外資による株式交換による企業買収が解禁されれば、貸借対照表には計上されない強力な資産を狙ってM&Aの標的にもされかねない。
業界再編と言えば、折しもコナミがタカラ株式を売却し、インデックスがタカラ筆頭株主になったばかり。コナミはバンダイを含む数社に売却を持ちかけたもようだ。インデックスはタカラについて、「電気自動車や家電などに投資するうち、本業が希薄化した。極端に言えば、新しいヒット商品がなくとも本業回帰でいい」と評し(関連記事参照)、佐藤慶太前社長の楽しげながらムラっけのある路線を明確に否定した。
日本のゲームやキャラクターは、その成長を子どものころからつぶさに見てきたわれわれの世代の誇りでもある。しかしそれが「産業」にまで育ち「市場」として巨大に広がってしまった以上、社会経済という大人の事情も頭をもたげてくる。アニメ作品の「製作委員会」に投資ファンドが参加するようになったころから何となく観なくなってしまった記者だが、今は「夢と感動の提供が企業使命という点で共通している」というナムコとバンダイの統合成果を見守りたい(早速「仮面ライダー響鬼」の「太鼓の達人」なんてジョークが飛び交っているが)。
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