昨年登場したGeForce 6800 Ultraをはじめとする「GeForce 6」シリーズは、それまでのGeForce FXと一線を画した構造が取り入れられたが、GeForce 7800 GTXとGeForce 6800 Ultraの変化は、その開発コード名が示すようにそれほど大きくはない(GeForce 6800はNV40、GeForce 7800 GTXはNV47)。ただし、シェーダユニットやパイプラインの本数が増えるなど、パフォーマンスに影響してくる部分は確実に進化している。
GeForce 7800 GTXの構成は従来のNV40やNV45とほとんど変わらない。ただし、先ほど「パフォーマンスに影響してくる部分は確実に進化している」と述べようにシェーダユニットの数、パイプラインの本数などがNV40世代のチップから拡張されている。
Vertex ShaderユニットはNV40世代の6基から8基へ、そしてPixel Shaderユニットは同じく16基から実に24基に増加した。GeForce 7800 GTXは従来のハイエンドGPUから、ともに1.5倍の規模になったことになる。
GeForce 7800 GTXを構成するトランジスタの数も約3億200万個となり、これもNV40の2億2000万個の1.5倍となっている。使うトランジスタの数は1.5倍と増えたが、採用したプロセスルールはNV40の0.13マイクロプロセスから0.11マイクロプロセスへと微細化したので、ダイサイズは「NV40の1.5倍」とならずにすんでいる。
NVIDIAの資料によると、VertexShaderユニットもPixel Shaderユニットも、その単体を抜き出してみるとNV40世代と同じ構造だ。すなわち、VertexShaderユニットではVectorユニットとScalerユニットが並列に配置され、各Shaderパイプラインに演算ユニットが2つ用意されている点や、PixelShaderユニットの下につながるROP PixelPipelineの本数と単体のROPの構造もNV40世代と同一である。
ただし、NVIDIAがGeForce 7800 GTXの資料として示しているユニットの構成を見てみると、NV40世代のPixcelShaderパイプラインが、16個すべてが並列に接続されていたのに対して、PixelShaderは大きく6つのラインに分かれて並列に配置され、その1つ1つにPixelShaderユニットが4つ含まれているようになっている。
処理の分岐は6つに分かれ、それぞれに4つのPixelShader Pipelineが含まれる「4×6=24パイプライン」というのがGeForce 7800 GTXで大きく変わったところと言えるだろう。
そのほか、コアクロック430MHz、メモリクロック600MHz(DDRの転送レートで1.2Gbps)と動作クロックはわずかにアップ。ビデオメモリインタフェース幅が256ビット(GDDR3サポート)と、GeForce 6800 Ultraから大きく変わらない部分も残している。
Direct X 9、ShaderModel 3.0、OpenGL 2.0のサポートなど、主な機能もNV40世代とほぼ変わらない。GeForce 7800 GTXでアップデートされたのは「CineFX 4.0」「UltraShadows II Technology」のサポートに、従来の3:2プルダウンに加えて2:2プルダウンや、HD MPEG-2、WMV9のハードウェアアクセラレーションをサポートする新世代PureVideoへの対応など。
また、現時点では影響しないが、次期Windows「Longhorn」で採用される予定の「Windows Graphics Foundation」(WGF)と「Longhorn Display Driver Model」(LDDM)をフルサポートすることになっている。
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