第3回 「DOOM 3」「FarCry」を高解像度フルオプションで快適に動かす:Athlon64で構築する最強ゲームPC(2/3 ページ)
ジョン・カーマックの手になる最新エンジンを使った「DOOM 3」
FPS業界で「今日のFPSの原型となったタイトルを挙げよ」と質問すれば必ず"id Softwareが作ったDOOM"という答えが返って来るに違いない。強烈なインパクトを持った膨大なモンスターがプレーヤーに襲いかかり、その攻撃の合間を縫うように接近してショットガンでの一撃を加える、そんなDOOMのゲーム性は多くのユーザーに衝撃を与え、虜にした。
DOOMが発売され大人気となった'94年当時、FPSゲームといえば「DOOMのようなゲーム」であり、「DOOMクローン」という言葉がFPSゲームの代名詞となるぐらいDOOMとFPSは切り離せないものだった。そして、DOOMより10年の月日が経った現在、DOOM3が新たなFPSの未来を切り開くべく登場した。
このDOOM3、新作ゲームとしてももちろん注目されているが、それ以上に注目されたのはDOOM3が「id Softwareのジョン・カーマックがコーディングする新しい3Dエンジンによって作り出されたゲーム」であるという点だ。
DOOM以降もid SoftwareはFPS業界に影響力を保ち続けるのだが、それはDOOMに変わってリリースされた「Quake」シリーズがユーザーに支持されたというだけではない。「Quake」「Quake2」「Quake3」で使用された各ゲームエンジンを使ってid Softwareはゲームエンジン技術のライセンス事業を始めたのだ。これによって各社は時間と技術が必要なゲームエンジン開発を省略し、アクションゲームを短い開発期間でリリースすることが可能になった。
現在、もっとも多くの人々が遊んでいると言われる「Counter-Strike」で使われている「half-lifeエンジン」もQuake2エンジンを改良したものだ。また、第二次世界大戦を舞台にしたFPSとして人気の高い「Medal of Honar」シリーズもQuake3エンジンを改造して使用している。
多くの3Dゲームがid Software製ゲームエンジンの恩恵を受けているということは、当然3Dゲームにおける性能の高さをユーザーにアピールしたい各グラフィックスチップメーカーにとって、自然とid Software、ならびにゲームエンジンを開発しているジョン・カーマックを意識せざるを得なくなる。そんなid Softwareの新作であるDOOM3にはどういった3Dグラフィック技術が搭載されているのだろうか。
数歩先が見えない暗闇の中、気配だけを頼りに周囲をうかがいながら進んでいると、突如背後からモンスターが襲いかかってくる。そんなDOOM3の世界を構成する主要素であるグラフィックス技術の中核となるものは、「バンプマッピング」「スペキュラーマッピング」「ステンシルシャドウ」という三つの技術だ。
バンプマッピングはポリゴン表面に張り込むテクスチャファイルに物体の凹凸情報を持たせることで、あたかもそのポリゴンが凹凸であるかのように見せる技術。スペキュラーマッピングは光の反射具合をピクセル単位で制御して物体の光と影のリアリティを向上させる。そして、ステンシルシャドウはゲーム内に存在するオブジェクトの影を現実と同じように描き出す。
これらの技術自体は、そんなに目新しいものではない。しかし、DOOM3が描き出す映像は2004年に発売された、最新技術の使われたFPSと比較しても遜色ないものだ。DOOM3では今までゲーム内で一部しか使われなかったこれらの技術を全面に利用することで実現している。
DOOM3は、いたずらにゲーム内オブジェクトのポリゴン数を増やすのではなく、パーピクセルシェーディング技術と高性能化したグラフィックスチップの処理能力を最大限に生かしてゲーム空間内の事象をすべてリアルタイムに計算することで、現実的な質感を持ったゲーム画面を表現している。
そのため、DOOM3は古いビデオカードでも「一応」動くのだが、グラフィックスカードの差がそのパフォーマンスに決定的な差を及ぼす。快適に動かすためには高性能なグラフィックスカードが必須なのは言うまでもない。
FarCryもDOOM 3もフルオプションで堪能するならAthlon 64&NVIDIA SLIだ
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