未知なる世界であがき、もがけ。ドライなデザインについて来られるか?(1/3 ページ)
「シルバー事件」「花と太陽と雨と」など、ゲームの定型を意図的に破壊することで独自の世界を追究してきた「グラスホッパー・マニファクチュア」。その個性派が、メジャーメーカー、カプコンの三上・小林両プロデューサーとタッグを組んで作り上げたアクションAVG。発売前の評価は高かったが、はたして真価はいかに!?
アナザーワールドとして描かれる「近過去」の世界
グラスホッパー・マニファクチュアの作品を知る人ならば、物語の年代設定を聞いただけでいかにも“らしい”とうなずくだろう。2003年。すなわち、発売年よりも2年前。近未来というのは珍しくないが、ここでは近過去の時代を舞台にしているのである。
しかも、1998年に世界に恒久平和が確立された、という現実世界を鑑みれば、皮肉とも挑発的ともいいようのない歴史年表まで創っている。ここに見える、歪んだ遊び心こそ、彼らの核を成す精神といえよう。
「キラー7」は、恒久平和が訪れた時代に、テロのためにテロを行う「ヘブン・スマイル」と戦う暗殺集団・キラー7の姿を描いた作品だ。両者とも超常的な力を持った異能集団であり、対立こそしているものの、そこに明確な理由はない。
ヘブン・スマイルがテロのためにテロを行うなら、キラー7は仕事として彼らを排除することに徹する。破壊の権化と、完全無欠なるプロフェッショナルの戦い。そこには、正義、秩序、友情、愛などのポジティブな感情はいっさいない。ただ、殺し合いがあるだけ。非常に乾いていて、そしてクールな世界観だ。
7つの人格を使い分けるというアイディア
一風変わっているのが主人公である暗殺集団・キラー7の設定だ。素直に聞けば、暗殺者7人からなる集団に思えるが、それは当たってもいるし、間違ってもいる。たしかに暗殺者は7人いる。だが、同時に1人しかいない。
どういうことかというと、一種の多重人格と考えればわかりやすいだろう。ただ、多重人格との最大の違いは、人格が変わると肉体そのものも変わってしまい、身体能力も特殊技能も異なってしまうということだ。キラー7は、1人にして7人。7人で1人の暗殺者なのである。
ここで、7つの人格について、簡単に紹介しておこう。
まず、集団の顔ともいうべきが、ガルシアン・スミス。渋めの黒人エージェントだ。依頼人や情報屋と接触するのは彼の仕事になる。ただし、戦闘能力は低い。あくまで代表であって、戦闘や探索はそれに適した人格が担当するのだ。
次にダン・スミス。彼は「暴君」とあだ名される、好戦的な人格だ。7人中、もっとも安定した攻撃力を持っており、どんな場面でも頼りになる。スタンダードであり、切り札といえよう。
カエデ・スミスは、唯一の女性人格。最大の欠点は体力が低いこと。ザコの攻撃2〜3発で殺されてしまうので、激しい撃ち合いには向かない。ただし、銃にスコープが装備されており、遠距離からの狙撃が可能。特定の部位を射抜かねばならない状況では独壇場だ。また、リストカット(!)することで周囲に血をまき散らし、結界を解除する特殊能力を持っている。
コヨーテ・スミスは、盗賊タイプ。鍵開けや跳躍力といった潜入に適した能力を持っている。戦闘面では、やや心もとない。彼の能力を使う場面が終わったら、戦闘を得意とする別人格に変わったほうが安全だ。
マスク・ド・スミスは、メキシカン・プロレス、すなわちルチャ・リブレの元スター。パワー型で、打たれ強く、攻撃力も高い。怪力を活かして、障害物を破壊することもできる。反面、機動力に劣るので、動きの早い敵や複数の敵が出てくると苦戦を強いられる。
ケヴィン・スミスは、投げナイフの使い手。銃では倒せない特殊な敵との戦いは、彼の出番だ。また、透明化という、極めつけの特殊能力を有している。敵との無用な戦闘や、トラップなどを回避するときに役立つ。
そして最後にコン・スミス。目が不自由で、聴力を頼りにするという異色の少年ファイターだ。彼はスピード型で、素早い動きが身上。小柄な体格ゆえに狭い場所を通り抜けることができる。
ゲームでは、この7つの人格を使い分けて、敵を倒し、数々の仕掛けを解いて、ストーリーを進めていくことになる。物語展開はほぼ一本道。内容だけを考えれば、適材適所でキャラクターを使ってフラグを立てていくという、オーソドックスなアクションAVGになっている。
ただ、そのキャラクターをチームであって同時に個人という設定にしたために、独特のテイストが生まれている。クールな世界観に合致した、面白いアイディアといえるだろう。
なお、人格に関して忘れてはならないのが、第8の人格、ハーマン・スミスの存在だ。車椅子で生活する老人で、普段は態度の悪いメイドの世話になりながら恍惚とした日々を送っている。
ところが、このハーマンこそがこそが真の人格で、ほかの7人格は、ハーマンが活動に際して用いるパーソナリティなのだ。7人の中では、ガルシアンだけがハーマンと直接会話をすることができる。そこでハーマンはガルシアンを通してほかの人格をコントロールしている、という仕組みになっているわけだ。
わかりやすさを排除する、特異な制作コンセプト
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
-
不二家の「プレミアムショートケーキ(国産苺)」が半額に! 3日間限定キャンペーン
-
中山美穂、金髪&ミニ丈の大胆イメチェンに視聴者びっくり! “格付け”出演の最新ビジュアルに「誰だか分からなかった」
-
日本エレキテル連合・中野、ネタで酷使し容姿に異変→手術を決断 「ダメよ〜、ダメダメ」でブレイク、2022年にがん公表
-
動物病院の会計中、振り返って愛犬を見たら…… “柴らしい”もん絶級の光景に「天使かよ!」「帰れるもんねw」
-
「ハンガー・ゲーム」出演俳優、撮影中の性的暴行被害を告白 泣きながら撮った当時の写真添え「すごくつらかった」と胸中明かす
-
ミス筑波大モデル、25キロ減量したビフォーアフターに「ホント凄い」 整形疑う声も「元々は埋もれてたようですね」
-
上沼恵美子さん直伝「ホタテの一番おいしい食べ方」に絶賛の声続々! 「発想が主婦目線」「マネして作ってみます」
-
【今日の計算】「8×4−2+1」を計算せよ
-
1歳赤ちゃん、寝ぼけまなこの謎行動が150万再生突破 「仕事の疲れ、吹っ飛んだ」「少し出ちゃったの可愛すぎ」
-
「めざましテレビ」“新お天気キャスター”が「美しすぎる」と注目 ミス東京GP獲得から約4カ月で
- 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
- フワちゃん、収録中に見えてはいけない“部位”が映る まさかの露出に「拡大しちゃったじゃん」「またか」の声
- 「これは悲劇」 ヤマザキ“春のパンまつり”シールを集めていたはずなのに…… 途中で気づいたまさかの現実
- 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
- 田代まさしの息子・タツヤ、母の逝去を報告 「あんなに悲しむ父親の姿を見たのは初めて」
- 「遺体の写真晒すのはさすがに」「不愉快」 坂間叶夢さんの葬儀に際して“不適切”写真を投稿で物議
- 大友康平、伊集院静さんの“お別れ会”で「“平服でお越しください”とあったので……」 服装が浮きまくる事態に
- 妊娠中に捨てられていた大型犬を保護 救われた尊い命に安堵と憤りの声「絶対に許せません」「親子ともに助かって良かった」
- 極寒トイレが100均アイテムで“裸足で歩ける暖かさ”に 今すぐマネできるDIYに「これは盲点」「簡単に掃除が出来る」
- 「奥さん目をしっかり見て挨拶してる」「品を感じる」 大谷翔平&真美子さんのオフ写真集、球団関係者が公開
- 釣れたキジハタを1年飼ってみると…… 飼い主も驚きの姿に「もはや、魚じゃない」「もう家族やね」と反響
- パーカーをガバッとまくり上げて…… 女性インフルエンサー、台湾でボディーライン晒す 上半身露出で物議 「羞恥心どこに置いてきたん?」
- “TikTokはエロの宝庫だ” 女性インフルエンサー、水着姿晒した雑誌表紙に苦言 「なんですか? これ?」
- 1歳妹を溺愛する18歳兄、しかし妹のひと言に表情が一変「ちがうなぁ!?」 ママも笑っちゃうオチに「かわいいし天才笑」「何度も見ちゃう」
- 8歳兄が0歳赤ちゃんを寝かしつけ→2年後の現在は…… 尊く涙が出そうな光景に「可愛すぎる兄妹」「本当に優しい」
- 1人遊びに夢中な0歳赤ちゃん、ママの視線に気付いた瞬間…… 100点満点のリアクションにキュン「かわいすぎて鼻血出そう!」
- 67歳マダムの「ユニクロ・緑のヒートテック重ね着術」に「色の合わせ方が神すぎる」と称賛 センス抜群の着こなしが参考になる
- “双子モデル”りんか&あんな、成長した姿に驚きの声 近影に「こんなにおっきくなって」「ちょっと見ないうちに」
- 犬が同じ場所で2年間、トイレをし続けた結果…… 笑っちゃうほど様変わりした光景が379万表示「そこだけボッ!ってw」
- 新幹線で「高級ウイスキー」を注文→“予想外のサイズ”に仰天 「むしろすげえ」「家に飾りたい」