“美人”は3日で飽きる、というけれど……!? (2/3 ページ)

» 2005年06月22日 16時34分 公開
[板橋舟人,ITmedia]

会話の選択肢がとても膨大

 基本となるパラメータ以外にも、“柔軟性”、“直観力”、“威圧力”といった会話に関するパラメータがあるのが面白い。会話パラメーターが高いと、会話時に新たな選択肢が登場するようだ。

 たとえば悪漢が行く手をふさいでいる場面。通常では、戦闘するか、さらに援軍を呼ばれての戦闘になるかの2通りしかなく、どうあがいても戦闘を避けられない。だが、ここで“威圧力”のパラメータが高い場合、高圧的な内容の選択肢が増え、悪漢を脅して戦闘を行わず撃退できたりする。

 この、パラメータによって選択肢の数が上下するのは、非常に考えられたシステムだ。単にゲームを効率よく進める選択肢を探すのではなく、主人公の選択肢が増えることで、プレイヤーが最も行いたい行動が可能になり、感情移入度は大幅に増大する。ちょっとワル系のキャラクターが好きな場合、「お前にかまっている時間はない」なんて選択肢を即選んでしまうことだろう。

photo 会話に関するパラメータもある。身体や知性など基本パラメータの平均値から算出されるというルールは、テーブルトークRPGのシステムに近い
photo 会話パラメータがによって、会話の選択肢が増加。選択肢によっては、その結果も大きく異なることもある

 なお、この会話パラメータは、“身体”や“精神”などのパラメータから算出されるほか、装備アイテムによって増加させられることも可能。国産RPGでは、このような会話に関する多様性がほとんどないため、本作をプレイした人はかなりの衝撃を受けるのではなかろうか。

痴話喧嘩は、時として非常にヤバイ結果に

 クエストに関する会話は選択肢が非常に多く、選択によって結果が変わることも多々ある。では、どれくらい変わるのか、サブクエストをひとつ例にあげて紹介していこう。

 ある村で、2人の女性から求婚されている男がいる。片方の女性とは子供の頃結婚の約束をしたのだが、その男はすっかり忘れてもう1人の女性と付き合ってしまった、という一昔前のギャグマンガに出てきそうなシナリオだ。

photo メインとなるストーリーとは関係ないサブクエストも、膨大な数が登場する

 主人公はその仲介を行うのだが(ちなみに無視してもOK)、その後3人+主人公が一堂に会して会話をすることに。幼なじみの女性に「まあ子供の頃の話だし、スパッと諦めて新しい相手を探せば?」というのが最も無難な解決策だと思われるし、本作でもその選択肢がある。当然、修羅場は無難に終わり、さらにその後、幼なじみの女性の新しい伴侶を探すサブクエストまで登場する。

 だが、そんな普通の選択肢以外に「女性2人で決闘して、勝ったほうが男性と結婚しろ」なんて選択肢が普通に登場することが、本作の大きな魅力といえる。ちなみにこの選択肢を選ぶと、本当に決闘してしまう。

photo “力こそ正義!”といわんばかりの、漢気あふれる選択肢もチョイス可能。こんな選択肢、よく考えつくものである

 いや、決闘とはいえない、一方的なものだった。たった一撃によって、現婚約者は男性の幼なじみに殺されてしまった。大激怒した男性は、幼なじみの女性に猛烈に文句を言いまくる。幼馴染の女性は、さらに手が滑ってその男性をも手がけてしまう。

 今度はその幼なじみの女性が逆ギレ、「決闘とか言いだした主人公が悪い、どうするんだ!」と手下を率いて襲い掛かってくる。ああ、いったい誰がこのような惨劇を想像できたのであろうか! といいつつ、あまりの展開の激しさに笑いが止まらない筆者は、上手く戦うことができず、負けてしまった。この場合の結果は、読者諸君が実際にプレイして確かめていただきたい。

photo いきなり襲い掛かる幼なじみ。オタク世界で幼なじみといえば“萌え”要素満点なのだが、彼女は一味違った。怖ぇ〜
photo そして主人公に対して逆ギレ。問題は全て力で解決、強い者こそ正義。そんな生き方も全然アリなのだ

 もちろん、すべてのイベントがこのように両極端の結果が待ち受けているわけではない。だが、この「両極端な選択肢が登場し、さらに結果までもが変わる可能性がある」ことが重要なのだ。感情移入度は高まるし、ゲーマー的な視点から見れば、過程と結果が複数あれば全てを体験してみたくなるし、複数回プレイするモチベーションも上昇する。

簡単操作で楽しめる戦闘シーン

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2405/01/news138.jpg イオンモールで販売「シフォンケーキ」にカビ発生、5000個回収へ “下痢”の報告で調査中……出店企業が謝罪
  2. /nl/articles/2402/21/news158.jpg 業務スーパーの“高コスパ”人気冷凍商品に「基準値超え添加物」 約1万5000個販売……自主回収を実施
  3. /nl/articles/2405/01/news092.jpg “スケスケ成人式コーデ”が物議のモデル、「3度見される服」を披露 「コレは見ちゃうわ」「洗っても大丈夫なのか」の声
  4. /nl/articles/2405/01/news095.jpg 秋元康、AKB48卒業の柏木由紀に送った手紙が物議 “冒頭の一文”に「昭和丸出し」「嫌すぎる」
  5. /nl/articles/2405/01/news013.jpg IKEAの新作カーテンが「家中これにしたい」ほどすてき!→どうやって付けているの? 垢抜けインテリア術に視線集中「すっごいかわいい」「色味が最高」
  6. /nl/articles/2405/01/news093.jpg 500円玉が1つ入る「桔梗のお花ケース」が100万件表示超え! 折り紙1枚で作れる簡単さに「お小遣いあげるときに便利」「美しい〜!」
  7. /nl/articles/2404/30/news015.jpg 【今日の計算】「500×99」を計算せよ
  8. /nl/articles/2404/30/news165.jpg 「これは変態だ」 職人が“鉄の塊”から作った「はぐれメタル」がガチすぎる 狂気の手作業に驚き「いかれてるw」
  9. /nl/articles/2405/01/news104.jpg 「そっち使うの?!」「これは天才」 さびだらけの鉄くぎをぐつぐつ煮込むと……? DIYに役立つ“まさかの使い道”が200万再生
  10. /nl/articles/2405/02/news013.jpg 2歳娘、自分のバースデーフォトをセルフタイマーで…… プロ顔負けの仕上がりに「すごーーーーーーー!!」「天才すぎます」と称賛の声
先週の総合アクセスTOP10
  1. 釣りに行こうとしたら、海岸に子猫が打ち上げられていて…… 保護後、予想だにしない展開に「神様降臨」「涙が止まりません」
  2. 身長174センチの女性アイドルに「ここは女性専用車両です!!!」 電車内で突如怒られ「声か、、、」と嘆き 「理不尽すぎる」と反響の声
  3. しぶとい雑草“ドクダミ”を生やさない超簡単な方法が115万再生! 除草剤を使わない画期的な対策に「スゴイ発見」
  4. 天井裏から変な音がする→スマホを突っ込んで撮影したら…… 映った“とんでもねぇ”モノに「恐ろしい」「何これ」と騒然の196万表示!
  5. 小1娘、ペンギンの卵を楽しみに育ててみたら…… 期待を裏切る生き物の爆誕に「声出して笑ってしまったw」「反応がめちゃくちゃ可愛い」
  6. 誰も教えてくれなかった“裁縫の裏ワザ”が目からウロコ 200万再生のライフハックに「画期的」と称賛【海外】
  7. 「電車の中で見ちゃダメ」「笑ったww」 実家からLINE「子ヤギがすばしっこくて捕まらない」→送られてきた衝撃姿が320万表示!
  8. 顔の半分は童顔メイク、もう半分の仕上がりに驚がく 同一人物と思えない半顔メイクが860万再生「凄いねメイクの力」
  9. 元「AKB48」メンバー、整形に250万円の近影に驚きの声「整形しすぎてて原型なくなっててびびった」
  10. スーパーで買ったレモンの種が1年後…… まさかの結果が635万再生「さっそくやってみます」「すごーい!」「手品みたい」
先月の総合アクセスTOP10
  1. 庭に植えて大後悔した“悪魔の木”を自称ポンコツ主婦が伐採したら…… 恐怖のラストに「ゾッとした」「驚愕すぎて笑っちゃいましたw」
  2. 小1娘、ペンギンの卵を楽しみに育ててみたら…… 期待を裏切る生き物の爆誕に「声出して笑ってしまったw」「反応がめちゃくちゃ可愛い」
  3. 生後2カ月の赤ちゃんにママが話しかけると、次の瞬間かわいすぎる反応が! 「天使」「なんか泣けてきた」と癒やされた人続出
  4. 「歩行も困難…言動もままならず」黒沢年雄、妻・街田リーヌの病状明かす 介護施設入所も「急激に壊れていく…」
  5. 車検に出した軽トラの荷台に乗っていた生後3日の子猫、保護して育てた3年後…… 驚きの現在に大反響「天使が女神に」「目眩が」
  6. 「虎に翼」、新キャラの俳優に注目が集まる 「綺麗な人だね」「まさか日本のドラマでお目にかかれるとは!」
  7. 釣りに行こうとしたら、海岸に子猫が打ち上げられていて…… 保護後、予想だにしない展開に「神様降臨」「涙が止まりません」
  8. 身長174センチの女性アイドルに「ここは女性専用車両です!!!」 電車内で突如怒られ「声か、、、」と嘆き 「理不尽すぎる」と反響の声
  9. 築152年の古民家にある、ジャングル化した水路を掃除したら…… 現れた驚きの光景に「腰が抜けました」「ビックリ!」「先代の方々が」
  10. 「葬送のフリーレン」ユーベルのコスプレがまるで実写版 「ジト目が完璧」と27万いいねの好評