第4回 思えば遠くへ来たもんだ：ひと夏の「童話王国」ホームステイ（2/5 ページ）

[ITmedia]

牛に倒された思い出に浸りつつ牛になる

●8月某日

　本日は市場に行くことになった。メンツは前回最後に出会ったAさん、Nさん（Mさんの別キャラ）、Mさん（前回で言うところのCさん）、初対面Sさん、そしてcobracchiの5人。イソップサーバのこぶたワールドにあるというレインボーマーケットにいざ潜入ルポ！

　いやあ、すごかったよマーケット。たくさんの人々がたくさんの物を売っていて活気があるというかごちゃごちゃ雑多でまさにそれは市場そのもの。

　Sさんから少しメム（お金）をもらい、小遣いをもらった子供がデパートを訪れたときのようにはしゃいで店内を見て回ったcobracchiだったが、売られているものの値段はまあいいとして対象レベルが「40」とか「50」とかなもんだから、まるで買えやしない。

　少しくらいは買えるものあるかな、と思ったがことごとく手の届かないものばかりでポカーンとしてしまった。まあいい。これも社会勉強さと気を取り直して戦闘タイムへと突入していくのであった。

　戦闘に明け暮れるうちにレベルは13に！　いいぞいいぞcobracchi。目標までもう少しだ。そんな折、仲間たちとの会話もはずみ、楽しくプレイしている中で「コブラ君にあれを飲ませてみよう」という話がささやかれはじめた。

　「何だ何だ何が始まるんだ？」とちょっとびびったが、どうやらプレーヤーキャラの容姿を変える薬の話をしているようだ。「うおお！」歓喜するcobracchi。かつて出会った方、街で出会った方のなかにも確かに幻獣のような姿をした人たちがいた。あれだ！　あの薬のことか！　ちょっと憧れていたので、喜んで薬を飲んでみることにした。

　街に帰ってから薬を受け取りぐびっと一気飲み。するとどうだ。金髪の精悍な青年であったcobracchiの体が一瞬にして白い牛さんになってしまったではないか。「きゃああ」悲鳴をあげながらもかなり楽しそうなcobracchi。「うしし」「んもー」などとしょうもないことを言ってみたりアクション機能で座ったり寝転んだり、思う様はしゃいでみた。

　この幻獣変身は思いのほか楽しかった。各アクションはちゃんと動いてくれるし、見た目のインパクトは相当なものだ。牛が猫を連れている絵も愉快だ。しかしここでハタと気がついてしまった。

　牛……。待てよ……。牛といえば……。そう、連載第1回を参照してほしい。最初にcobracchiを殺した恐るべき幻獣。それがほかならぬ「牛」さんだったのだ！　ひえええ。何と言う因果。cobracchiを恐怖のどん底に陥れた（ちと大袈裟）あのにっくき牛さんに今cobracchi自身がなってしまっている！　そんな感慨に耽りながらも「解除の薬を飲まない限りはプレイ時間24時間はその格好だから」と言われ「け、けっこう長いな」と少し心配になるcobracchi。頭の中ではなぜか「ドナドナ」が流れていた。