新しいのに懐かしい――名作はいつだって思い出スパイラル「バブルボブルDS」レビュー(1/3 ページ)

アーケードやディスクシステムで一世を風靡した「バブルボブル」が新しくなってニンテンドーDSに帰ってきた。初代も同時に収録された、お得な「バブルボブルDS」の出来栄えは?

» 2005年11月30日 19時34分 公開
[立花裕壱,ITmedia]

思い出いっぱいの懐かしアクション

 最近ではアクションというと、3D空間で群がる敵をなぎ倒すスタイルが一般的だが、ファミコンのころは2Dのステージクリア型が主流だった。2頭身のかわいいキャラクターがちょこまかと動き、敵を倒していくゲームが割と多かったように思う。

 ほのぼのとしたアクションゲームの中でも代表格がタイトーの「バブルボブル」だろう。初登場は1986年のアーケードで、ポップな画面デザインと独特のゲーム性で多くのファンを魅了した。当時の小中学生にとっては、その1年後に発売されたファミコンのディスクシステム版のほうが印象に残っているかもしれない。

 バブルボブルの面白さは何といっても2人同時プレイにある。「アイスクライマー」や「バルーンファイト」など、ファミコンには2人で遊べるゲームがいくつかあったが、これらのゲームは、協力しているはずがいつのまにか殺し合いになってしまうのがお決まりのパターンだった。

 それに比べ、バブルボブルは味方のジャマができないのでケンカにならず、2人だとクリアしやすさもケタ違い。画面の左右で担当を分けて、敵が動き出す前に一気に勝負をかければ、あっという間にクリアできて気分爽快! “俺たちって最強コンビだな”てな具合に、友情もバッチリ深まった。筆者も友人が家に来ると必ずバブルボブルを引っ張り出して遊んだものだ。

 真のエンディングを迎えるための裏面(スーパーモード)の存在も思い出深い。基本的にはシンプルなステージクリア型のアクションなのだが、ちょっとした仕掛けが存在し、簡単には真のエンディングにはたどりつけない。裏技ともいえる隠しモードの出現に本当にビックリさせられたのを覚えている。裏面をクリアしてエンディングを一目見ようと悪戦苦闘したのは筆者だけではないはずだ。

 思い出話は尽きないが、何はともあれ往年のファンにとってはBGMを聞くだけで郷愁に浸れるバブルボブル。そのタイトルがニンテンドーDSで「NEW AGE」バージョンとなって復活した。過去の名作が新たな形で蘇り、これまで知らなかった若い世代にも遊ばれることは意義のあることだと思う。

 しかも1986年登場の初代も「CLASSIC」バージョンとして同時に収録されている。“バブルボブルってどんなゲーム?”と興味を持ったユーザー、“久しぶりにバブルボブルを遊んでみよう”という初代のファン、どちらにも適した1本だろう。

photo こちらはCLASSICバージョンのタイトル画面。懐かしのゲームがニンテンドーDSでも遊べる

新生NEW AGEバージョンとは?

 では、さっそくNEW AGEバージョンについて見ていこう。ゲーム中ではまず、アワをはく怪獣「バブルン」か「ボブルン」のどちらかを選んでスタートする。それぞれの能力には違いがあり、バブルンは足が速く、ボブルンはジャンプ力が高い。

 ステージは全部で100。10ステージごとに区切りがあり、それぞれラストのステージはボス戦となる(普通にプレイするだけでは進めるのはステージ90まで。ある謎を解かないとステージ100への道は開かれない。この辺は初代のノリも少し入っている)。

 大まかなルールは初代とほぼ同じで、バブルンかボブルンを操ってステージ内にいる敵をすべて倒せばステージクリアとなる。バブルンたちはBボタンでアワをはいてぶつけることができ、命中すると敵がアワに閉じ込められる。そのアワを体当たりして割ればOKだ。

 ただし、アワに包まれた敵は、シャボン玉のようにフワフワと流れていき、そのまま放っておくとパワーアップして復活してしまうので注意が必要となる。プレーヤーの腕の見せどころは、アワのまとめ割りだ。敵をアワで包んでも、すぐに1体1体倒さずにわざと1カ所にためて、複数の敵のアワを一気に割れば、それだけ点数も高くなる。

photo NEW AGEバージョンでのキャラセレクト。右側に2キャラ分のスペースが……。ある条件を満たせば隠しキャラが出現する

 シンプルなルールで、プレイ感覚は初代とそれほど変わらないが、ニンテンドーDS用にアレンジされてパワーアップした部分も多い。パッと見てすぐに分かるのは、やはりビジュアル面の違いだろう。バブルンとボブルンはもちろん、敵の「どらんく」、「ひでごんす」、「すかるもんすた」などがアニメタッチになり、かわいく生まれ変わった。ステージの背景も描き込まれ、森、工場、遺跡と10ステージごとにテーマが分かれている。

 だが、見た目の一番大きな違いといえば、デュアルスクリーンを生かしてマップが上下2画面になったことが挙がる。普段の操作でタッチスクリーンは使わないものの、この2画面の仕様はニンテンドーDSならではの新しい要素だろう(特定のアイテムを取ると入れるボーナス面だけは、タッチ操作が必要となる)。

 上から降りてくる敵を、下画面で待ち伏せする。上画面に出現したアイテムを目ざとく見つけて下から取りに行く。上を見て、下を見て、また上を見る……。雰囲気は、どことなく昔懐かしい2画面のゲームウォッチといったところか。

 この上下の広がりに加えて本作では左右にもスクロールするようになり、ステージの広さがグッと増した。初代でもさまざまな工夫を施したステージが存在したが、NEW AGEバージョンでは、入り組んだ足場があったり、左右が分断されていたりと凝ったデザインのステージが増えている。遊びごたえという面では、初代よりも確実に進化を遂げたといえそうだ。

photo 縦・横幅ともにステージは体感で初代の2倍の広さを持つ。上下画面の両方に目を配るのはなかなか忙しく、新鮮な体験だ
photo 10面ごとに巨大ボスが登場。ボス戦までの9面で特定の条件を満たせばあるものを落とす。それがゲームクリアのカギ
photo 今回は天気の要素も新たに追加された。曇りになるとアワが早くきえ、雪が降ると滑りやすくなる
       1|2|3 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
先週の総合アクセスTOP10
  1. 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
  2. フワちゃん、収録中に見えてはいけない“部位”が映る まさかの露出に「拡大しちゃったじゃん」「またか」の声
  3. 「これは悲劇」 ヤマザキ“春のパンまつり”シールを集めていたはずなのに…… 途中で気づいたまさかの現実
  4. 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
  5. 田代まさしの息子・タツヤ、母の逝去を報告 「あんなに悲しむ父親の姿を見たのは初めて」
  6. 「遺体の写真晒すのはさすがに」「不愉快」 坂間叶夢さんの葬儀に際して“不適切”写真を投稿で物議
  7. 大友康平、伊集院静さんの“お別れ会”で「“平服でお越しください”とあったので……」 服装が浮きまくる事態に
  8. 妊娠中に捨てられていた大型犬を保護 救われた尊い命に安堵と憤りの声「絶対に許せません」「親子ともに助かって良かった」
  9. 極寒トイレが100均アイテムで“裸足で歩ける暖かさ”に 今すぐマネできるDIYに「これは盲点」「簡単に掃除が出来る」
  10. 「奥さん目をしっかり見て挨拶してる」「品を感じる」 大谷翔平&真美子さんのオフ写真集、球団関係者が公開
先月の総合アクセスTOP10
  1. 釣れたキジハタを1年飼ってみると…… 飼い主も驚きの姿に「もはや、魚じゃない」「もう家族やね」と反響
  2. パーカーをガバッとまくり上げて…… 女性インフルエンサー、台湾でボディーライン晒す 上半身露出で物議 「羞恥心どこに置いてきたん?」
  3. “TikTokはエロの宝庫だ” 女性インフルエンサー、水着姿晒した雑誌表紙に苦言 「なんですか? これ?」
  4. 1歳妹を溺愛する18歳兄、しかし妹のひと言に表情が一変「ちがうなぁ!?」 ママも笑っちゃうオチに「かわいいし天才笑」「何度も見ちゃう」
  5. 8歳兄が0歳赤ちゃんを寝かしつけ→2年後の現在は…… 尊く涙が出そうな光景に「可愛すぎる兄妹」「本当に優しい」
  6. 1人遊びに夢中な0歳赤ちゃん、ママの視線に気付いた瞬間…… 100点満点のリアクションにキュン「かわいすぎて鼻血出そう!」
  7. 67歳マダムの「ユニクロ・緑のヒートテック重ね着術」に「色の合わせ方が神すぎる」と称賛 センス抜群の着こなしが参考になる
  8. “双子モデル”りんか&あんな、成長した姿に驚きの声 近影に「こんなにおっきくなって」「ちょっと見ないうちに」
  9. 犬が同じ場所で2年間、トイレをし続けた結果…… 笑っちゃうほど様変わりした光景が379万表示「そこだけボッ!ってw」
  10. 新幹線で「高級ウイスキー」を注文→“予想外のサイズ”に仰天 「むしろすげえ」「家に飾りたい」