まさに“プロジェクトX”――ゲーム黎明期を支えた男たち「ゲームデザイン・テクノロジーの源流」:国際シンポジウム「インタラクティブ・エンタテインメントの歴史と展望」:(1/3 ページ)
12月2日、京都の立命館大学衣笠キャンパスにおいて開催された「インタラクティブ・エンタテインメントの歴史と展望」では、ゲームの創世記を支え、現在も活躍をしている「生き証人」を招いて、「ゲームデザイン・テクノロジーの源流」と題して、それぞれの視点に立った“歴史”が語られた。
立命館大学チェアプロフェッサー/札幌市立大学設置準備室教学研究担当部長の武邑光裕氏による基調講演「インタラクティブ・エンタテインメントのデザイン展望」のあとを受け、ゲーム創世記を支え、後に登壇する宮本茂氏にして“妖怪”と賞賛されるゲームクリエイターたちが、自らの体験を踏まえてゲームの歴史とその作品のアイディアがどこから来たのかを語った。午前とは打って変わって和やかな雰囲気の中、まずは「Pong」を世に送り出し、ゲームの父と呼ばれるATARI創業者のノラン・ブッシュネル氏が登場した。
ゲームの創世記を生きるゲームの父がその歴史の源流を語る
ここで「ゲームデザイン・テクノロジーの源流」と題しているように、ブッシュネル氏からはじめるのは、至極当然といえるだろう。1961年、スティーブ・ラッセルによって製作された「Space War」は、現在のゲームと比べるまでもなく、ただ宇宙船を操って相手を倒すだけの本当に簡単なものだった。しかし、当時のコンピュータは高価であり、大学などの研究機関でしか触ることができない限られた知識階級のものでしかなく、これでゲームをやろうとするものなど居なかったという。しかし、いざゲーム(と呼ぶにも単純すぎるが)ができるとなると、瞬く間に全世界中へと飛び火していくことになる。
大学で勉強しながらピンボールなどで遊んでいたブッシュネル氏は、1966年に「Fox&Geese」というゲームを開発する。これは、当時一般的だったパンチカードプログラムで、3週間かかったそうだが、コンピューターが高価だった当時、25ドルの遊びに100万ドルのコンピューターを使うのは無茶な話だったようだ。こうしてブッシュネル氏は自らが「Pong」を開発するに至るまでの歴史を紐解いていく。
ブッシュネル氏はその後、カリフォルニアの人工知能研究施設に入所し、安いコンピューターを購入。これを機に本格的にゲーム開発へ乗り出す。1970年には「Computer Space」を発売し、1972年、ついに「Pong」を発売する。
1972年にATARIを設立し最初に開発された「Pong」は、その後類似品がごまんと世に出るほどの大成功を収める。「Pong」は、単純なテニスのようなもので、タマを相互に打ち合うゲーム。アーケードとして成功を収めたブッシュネル氏は、次に家庭用の「Pong」に着手する。Pong for consumers ship、通称「Home Pong」の誕生である。こうして家庭にゲーム機が登場した……とはうまくいかなかったようだ。当初、「Home pong」は玩具としても、テレビ周辺機器としても売れなかったようで、ピンボールやテーブルビリヤードテーブルなどとともにレクリエーション機器としてマーケティングを変更し、はじめて売れたと明かす。当時、まだ4bitだ8bitだと騒いでいた時代であった。
ブッシュネル氏は1974年にナムコへAtari Japanを売却した際の写真をスクリーンに映し出し、若かった時代を振り返る。1976年にはブロック崩しの原型となった「Break out」を発売。1977年には家庭用ゲーム機の「Atari 2600 VCS」を発表、家庭へのゲーム機の浸透度合いが証明されることとなる。当初1人4〜8タイトルのソフトを購入したら御の字だと見立て出荷したのだが、それは大きな過ちだったのだという。ソフトが市場から消える現象が起きた当時を懐かしむ。ブッシュネル氏は“いいゲーム”とは、その時代にあった、明確な目的を持ったものであると持論を展開する。
ブッシュネル氏は、現在のゲーム業界にも苦言を呈する。実物と見紛うばかりのリアルすぎるゲームばかりでは、その差別化を難しくしてしまう。また、ソフト製作のコストが上がっている現状では、開発陣が冒険することができず、革新性をも失わせるものではないかと現在の潮流を危惧する。米国でのライトユーザーや女性ユーザーが減少しているとしたデータからは、以前あったはずのシェアを狭めている原因を知るべきだと語気を強める。「ライトユーザーは昨今のインタフェースの複雑化に嫌気が差している。もっと操作に関しては単純なものでもいいのではないか」と提案した。奇しくも後に登場する任天堂と同じ主張を、ゲームの父は感じているようだ。だからこそブッシュネル氏に言わせると「レボリューションは面白いことをしている」とのこと。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
-
不二家の「プレミアムショートケーキ(国産苺)」が半額に! 3日間限定キャンペーン
-
中山美穂、金髪&ミニ丈の大胆イメチェンに視聴者びっくり! “格付け”出演の最新ビジュアルに「誰だか分からなかった」
-
日本エレキテル連合・中野、ネタで酷使し容姿に異変→手術を決断 「ダメよ〜、ダメダメ」でブレイク、2022年にがん公表
-
動物病院の会計中、振り返って愛犬を見たら…… “柴らしい”もん絶級の光景に「天使かよ!」「帰れるもんねw」
-
「ハンガー・ゲーム」出演俳優、撮影中の性的暴行被害を告白 泣きながら撮った当時の写真添え「すごくつらかった」と胸中明かす
-
ミス筑波大モデル、25キロ減量したビフォーアフターに「ホント凄い」 整形疑う声も「元々は埋もれてたようですね」
-
上沼恵美子さん直伝「ホタテの一番おいしい食べ方」に絶賛の声続々! 「発想が主婦目線」「マネして作ってみます」
-
【今日の計算】「8×4−2+1」を計算せよ
-
1歳赤ちゃん、寝ぼけまなこの謎行動が150万再生突破 「仕事の疲れ、吹っ飛んだ」「少し出ちゃったの可愛すぎ」
-
「めざましテレビ」“新お天気キャスター”が「美しすぎる」と注目 ミス東京GP獲得から約4カ月で
- 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
- フワちゃん、収録中に見えてはいけない“部位”が映る まさかの露出に「拡大しちゃったじゃん」「またか」の声
- 「これは悲劇」 ヤマザキ“春のパンまつり”シールを集めていたはずなのに…… 途中で気づいたまさかの現実
- 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
- 田代まさしの息子・タツヤ、母の逝去を報告 「あんなに悲しむ父親の姿を見たのは初めて」
- 「遺体の写真晒すのはさすがに」「不愉快」 坂間叶夢さんの葬儀に際して“不適切”写真を投稿で物議
- 大友康平、伊集院静さんの“お別れ会”で「“平服でお越しください”とあったので……」 服装が浮きまくる事態に
- 妊娠中に捨てられていた大型犬を保護 救われた尊い命に安堵と憤りの声「絶対に許せません」「親子ともに助かって良かった」
- 極寒トイレが100均アイテムで“裸足で歩ける暖かさ”に 今すぐマネできるDIYに「これは盲点」「簡単に掃除が出来る」
- 「奥さん目をしっかり見て挨拶してる」「品を感じる」 大谷翔平&真美子さんのオフ写真集、球団関係者が公開
- 釣れたキジハタを1年飼ってみると…… 飼い主も驚きの姿に「もはや、魚じゃない」「もう家族やね」と反響
- パーカーをガバッとまくり上げて…… 女性インフルエンサー、台湾でボディーライン晒す 上半身露出で物議 「羞恥心どこに置いてきたん?」
- “TikTokはエロの宝庫だ” 女性インフルエンサー、水着姿晒した雑誌表紙に苦言 「なんですか? これ?」
- 1歳妹を溺愛する18歳兄、しかし妹のひと言に表情が一変「ちがうなぁ!?」 ママも笑っちゃうオチに「かわいいし天才笑」「何度も見ちゃう」
- 8歳兄が0歳赤ちゃんを寝かしつけ→2年後の現在は…… 尊く涙が出そうな光景に「可愛すぎる兄妹」「本当に優しい」
- 1人遊びに夢中な0歳赤ちゃん、ママの視線に気付いた瞬間…… 100点満点のリアクションにキュン「かわいすぎて鼻血出そう!」
- 67歳マダムの「ユニクロ・緑のヒートテック重ね着術」に「色の合わせ方が神すぎる」と称賛 センス抜群の着こなしが参考になる
- “双子モデル”りんか&あんな、成長した姿に驚きの声 近影に「こんなにおっきくなって」「ちょっと見ないうちに」
- 犬が同じ場所で2年間、トイレをし続けた結果…… 笑っちゃうほど様変わりした光景が379万表示「そこだけボッ!ってw」
- 新幹線で「高級ウイスキー」を注文→“予想外のサイズ”に仰天 「むしろすげえ」「家に飾りたい」