レボリューションのコントローラにはまだ秘密がある――「ゲームデザイン・テクノロジーの今と未来」国際シンポジウム「インタラクティブ・エンタテインメントの歴史と展望」:(3/3 ページ)

» 2005年12月03日 09時02分 公開
[加藤亘,ITmedia]
前のページへ 1|2|3       

その後はディスカッションによるゲームの将来について

 現在、Valveにてリードゲームデザインおよびソフトエンジニアを務めるロビン・ウォーカー氏は、「Half-life 2」を例に、定期的なプレテストを重ねてゲームデザインを構築していく独自のプロセスを経て、開発が進められていると紹介。

 実際のある環境をスクリーンショットにして時系列で並べ、いかに変化を遂げていったのかをわかりやすく説明する。こうしたプレテストの結果、得られるアイディアもあり、効率的であるとし、創造的だと奨める。キャラの行動やオブジェクトの処理など、途中何度もフィードバックされてその完成度を高めていくのだという。最初のプレテスト時のものから、最後まるで違うものになっているなんてザラなのだ。

 ロビン・ウォーカー氏については後日別件での取材で詳しく紹介するとして、講演はさらに続く。まず「メタルギア ソリッド4」のプレイステーション 3での実機映像が流されると、現在コナミ執行役員であり、ゲームソフトカンパニー エグゼクティブヴァイスプレジデント 小島プロダクション監督の小島秀夫氏が登場。

 続いてすでに登壇していた前途の3人、浜村氏と宮本氏、ウォーカー氏を交え、ディスカッションへと移行。浜村氏の司会のもの進められた。その中でも印象的だったのは、小島氏による“オンラインに関するある恐れ”についての箇所。「今まで我々はユーザー個人に向けて、それこそかゆいところに手が届くようなゲームデザインを心がけてきました。それに慣れ親しんだユーザーが、いざオンラインによって生身の人間を相手にした際、時には嫌なことがあったり、我慢しなくてはならない時もあると思います。今後、そういったオンライン上でのコミュニケーションが確立される前に、AIが劇的な進化を遂げてしまい、プレーヤーの心地よいパートナーとなってしまった場合、プレーヤーは都合のいいAIでしか遊ばなくなるのではないか。それは悲しいことで、僕らはゲームで人の役に立ちたいと考えているので、そういう未来はあってはいけないと思う」と、小島氏は杞憂であればと不安感を表したことだろう。

 ちなみに彼らが今一番注目しているキーワードはという話題では、ウォーカー氏が「アクセスと反応性」と、ゲームはもっと新しいものが表現できると答える。「センス」と答えた小島氏は、技術に巻き込まれることなく、作り手がセンスを発揮し、受け手が感受性豊かになったと思えるものを作らないといけないと、今後様々なものが表現できる中での選択を見誤らないようにと示唆。宮本氏は、レボリューションのテーマとなっている“家族”であり“みんな”というイメージだと回答。人に驚いてもらいたい性分なので、家族が話題にできるようなをどれだけ作れるかだと思うと、宮本氏の永遠のテーマと言わしめる言葉で締めくくった。

前のページへ 1|2|3       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

先週の総合アクセスTOP10
  1. 釣りに行こうとしたら、海岸に子猫が打ち上げられていて…… 保護後、予想だにしない展開に「神様降臨」「涙が止まりません」
  2. 身長174センチの女性アイドルに「ここは女性専用車両です!!!」 電車内で突如怒られ「声か、、、」と嘆き 「理不尽すぎる」と反響の声
  3. しぶとい雑草“ドクダミ”を生やさない超簡単な方法が115万再生! 除草剤を使わない画期的な対策に「スゴイ発見」
  4. 天井裏から変な音がする→スマホを突っ込んで撮影したら…… 映った“とんでもねぇ”モノに「恐ろしい」「何これ」と騒然の196万表示!
  5. 小1娘、ペンギンの卵を楽しみに育ててみたら…… 期待を裏切る生き物の爆誕に「声出して笑ってしまったw」「反応がめちゃくちゃ可愛い」
  6. 誰も教えてくれなかった“裁縫の裏ワザ”が目からウロコ 200万再生のライフハックに「画期的」と称賛【海外】
  7. 「電車の中で見ちゃダメ」「笑ったww」 実家からLINE「子ヤギがすばしっこくて捕まらない」→送られてきた衝撃姿が320万表示!
  8. 顔の半分は童顔メイク、もう半分の仕上がりに驚がく 同一人物と思えない半顔メイクが860万再生「凄いねメイクの力」
  9. 元「AKB48」メンバー、整形に250万円の近影に驚きの声「整形しすぎてて原型なくなっててびびった」
  10. スーパーで買ったレモンの種が1年後…… まさかの結果が635万再生「さっそくやってみます」「すごーい!」「手品みたい」
先月の総合アクセスTOP10
  1. 庭に植えて大後悔した“悪魔の木”を自称ポンコツ主婦が伐採したら…… 恐怖のラストに「ゾッとした」「驚愕すぎて笑っちゃいましたw」
  2. 小1娘、ペンギンの卵を楽しみに育ててみたら…… 期待を裏切る生き物の爆誕に「声出して笑ってしまったw」「反応がめちゃくちゃ可愛い」
  3. 生後2カ月の赤ちゃんにママが話しかけると、次の瞬間かわいすぎる反応が! 「天使」「なんか泣けてきた」と癒やされた人続出
  4. 「歩行も困難…言動もままならず」黒沢年雄、妻・街田リーヌの病状明かす 介護施設入所も「急激に壊れていく…」
  5. 車検に出した軽トラの荷台に乗っていた生後3日の子猫、保護して育てた3年後…… 驚きの現在に大反響「天使が女神に」「目眩が」
  6. 「虎に翼」、新キャラの俳優に注目が集まる 「綺麗な人だね」「まさか日本のドラマでお目にかかれるとは!」
  7. 釣りに行こうとしたら、海岸に子猫が打ち上げられていて…… 保護後、予想だにしない展開に「神様降臨」「涙が止まりません」
  8. 身長174センチの女性アイドルに「ここは女性専用車両です!!!」 電車内で突如怒られ「声か、、、」と嘆き 「理不尽すぎる」と反響の声
  9. 築152年の古民家にある、ジャングル化した水路を掃除したら…… 現れた驚きの光景に「腰が抜けました」「ビックリ!」「先代の方々が」
  10. 「葬送のフリーレン」ユーベルのコスプレがまるで実写版 「ジト目が完璧」と27万いいねの好評