難解になっていく格闘ゲームに辟易している方へ「NARUTO ナルティメットヒーロー3」レビュー(1/3 ページ)

今でも根強い人気を誇るのが、ジャンプで連載されている数々のマンガ――。中でも、このところ頻繁にゲーム化されている作品の1つが「NARUTO -ナルト-」だろう。その中から今回は、PS2で発売された忍道対戦アクションゲーム「NARUTO ナルティメットヒーロー3」をレビューした。

» 2006年01月10日 03時22分 公開
[篠崎薫,ITmedia]

格闘ゲーム人口は減少気味?

 最近、コア層以外には受けが良くないと思われがちな格闘ゲームだが、実はそうではない分野も存在する。それは、ルールやコマンドなどをできるだけ簡易にし、誰もが気軽にプレイできるようにした、お手軽格闘ゲームだ。通常の格闘ゲームであれば“5フレーム以内にボタンを押して、さらに続けてレバーを下へ入力……”などと、非常に難しい説明がされていたりする。しかも、覚えるべきコマンドも大量にあるため、誰もが気軽にプレイ! という感覚からはほど遠い。格闘ゲーマーから見れば、本格的格ゲー以外はアバウトすぎて、まともに戦えないという意見もあるだろう。

 とはいえ、格闘ゲームが「鉄拳」や「バーチャファイター」、「ギルティギア」シリーズのようなタイトルばかりになってしまえば、プレイ人口はどんどん減少してしまうはず。そんな現状だからこそ、お手軽格ゲーは誰もが遊べる、間口の広いジャンルとして新しく広まっていくのではないだろうか。そして、そのようなタイトルの1つとして登場したのが、今回取り上げた「NARUTO ナルティメットヒーロー3」だ。

 「NARUTO -ナルト-」は、週刊少年ジャンプの看板タイトルの1つとなっていて、今でも高い人気を誇る作品だ。これまでにも何度かゲーム化されているが、今回はそれらの中から最新作となる「NARUTO ナルティメットヒーロー3」をピックアップした。ジャンルは忍道対戦アクションとなっているものの、どちらかといえば対戦格闘アドベンチャーという印象を受けた。メインとなる“究極への挑戦”や“ナルト英雄録”など、収録されているモードも豊富。とにかく、充実した内容になっている。さらに、本作はゲームとしては珍しく、DVDアニメーションも同梱されている。まずは、こちらから見ていこう。

 付属しているDVDアニメは、本作のメインモードである“究極への挑戦”をプレイするにあたっての、ヒントが隠された内容になっている。“究極への挑戦”モードでは、赤と青のクリスタルを集めるのが目的なのだが、通常は相手と戦って勝つと手に入るクリスタルが、ゲーム中では道ばたに落ちていたりするのだ。その理由だけでなく、さらに気づかない場所にあるクリスタルの位置も、DVDアニメを見ると分かるようになっている。

 なるほど、ゲームとDVDが連動しているとうたわれているだけあり、うまい仕掛けが作られていると思った。アニメとしての画質も申し分なく、手を抜いて作られているという形跡が全くないのも、非常に好感が持てる。しかし、内容があまりにも薄いので、見ていて楽しめるものかと言われると、ちょっと難しいかもしれない。あくまでも、ゲームのヒントがわかる、程度に止めておくのがいいだろう。とはいえ、このような試みはなかなか無いだけに、今後に期待が持てる。

アニメを見た後で本編をプレイすると、なるほどとうなずける場面が数多く登場する。これはユニークな仕様だ
バトルシーンも盛り込まれているものの、そのほかの場面がちょっと盛り上がりに欠ける印象があったのが残念

非常に練り込んで作られているという印象を受けた戦闘シーン

 ゲーム本編に収録されているのは、先ほどから何度も登場している“究極への挑戦”の他に、ナルトのこれまでの戦いを追体験できる“ナルト英雄録”、コンピュータや2P相手に対戦ができる“強敵との決闘”、対戦の練習ができる“イルカの講習”、ミニゲームが遊べる“白熱の遊技場”、さまざまなアイテムが購入できる“短冊街の露店”、ゲットしたアイテムを眺めたりできる“ナルトの自宅”がある。

メニューは思った以上に豊富に揃っているので、長くおつきあいできるタイトルだと言える

 “究極への挑戦”モードは、DVDアニメの所にも記したように、赤と青のクリスタルを数多く集めるのが目的となる。プレーヤーはナルトとなり、木ノ葉の里を舞台に繰り広げられる、木ノ葉無差別台乱戦を戦い抜く。戦いは予選と本戦に分かれていて、予選を勝ち抜くには5ポイントとなる赤のクリスタルと1ポイントの青のクリスタル合わせて、60ポイント獲得する必要があるのだ。本戦は、なるべく多くのクリスタルを集めることが目的となる。クリスタルは道ばたに落ちているものもあれば、ライバルと戦い勝つことで大量にゲットできる場合も。とはいえ、落ちているクリスタルは全体からすれば、ごくわずか。なので、必然的にライバルと戦うことになるのだ。

これまでにゲットしたクリスタルは、ステータス画面に表示される。予選では60ポイントになるよう、ここでマメにチェックしたい
ライバルに話しかけて戦うことを選択すると、戦闘シーンへと突入する。自信がない人は、直前のセーブを忘れずに
舞台となる木ノ葉の里のなかでもメインとなる戦いの場所・木ノ葉中心街。ここを自由に歩き回りながら、落ちているクリスタルを拾ったり障害物を壊す・街角に立っているキャラに話しかけて戦いを挑むなど、さまざまなアクションを起こす

 木ノ葉の里をあちこち歩き回り、ライバルを見つけたら早速戦いが始まる。フィールドは木ノ葉中心街なら街の、演習場では池があるなど、現在いる場所に応じた地形になるのだ。ステージは、手前と奥の2つのラインがある、独特のシステムを採用している。イメージ的には、餓狼伝説のフィールドを思い出してもらえると早いかもしれない。ただし、頻繁に行き来して戦うことはほとんどなく、手前のラインだけで勝負が決することが多かった。

中心街で戦うと、このような感じになる。雰囲気もバッチリ再現されていると言えるのでは?
奥と手前にキャラが位置すると、やたらと小さくなって見づらくなるのが欠点。しかし、飛び道具をかわしたりするときなどは便利
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