RPG要素の導入でよりお手軽に――アクション下手、シリーズファンともにプレイしてみるべし「新 鬼武者 DAWN OF DREAMS」レビュー(2/4 ページ)

» 2006年02月09日 16時20分 公開
[水野隆志,ITmedia]

バッサリからズババババッサリへの変化

 戦闘システムの面ではどうだろうか。

 鬼武者といえば、対のようになっているキャッチフレーズが「バッサリ感」だ。日本刀を振るって敵を真っ二つにするという、爽快感あふれる豪快な殺陣。それがどうなったのか見てみよう。

 敵をバッサリ切り捨てる魅力は確かにある。だが、その性質が少し変わっている。パッケージ裏や公式サイトにある新 鬼武者のキャッチは「ズババババッサリ感」。まさにその通りで、“ズバババ”の分だけプレイ感覚が異なっているのである。

 両者の相違は、第1作の鬼武者と比べるとわかりやすい。鬼武者の剣劇は、まさに一撃必殺という印象が強く、その分、一太刀一太刀が重かった。これに比べて、新 鬼武者は、スピードを重視したアクションになっている。手数で敵を圧倒し、トドメとして強烈な一撃を食らわせる。ボクシングに例えれば、すきをうかがってカウンターで相手をKOするスタイルと、猛烈なラッシュをかけてガードを崩し、そこにトドメを撃ち込むスタイルぐらいの違いがあるだろう。

photo 連撃という概念が強くなった新 鬼武者の剣劇。1体1体、仕留めていくのではなく、押し寄せる敵を一気果敢に切り伏せていくイメージだ

 アクションの方向性が変わった影響を、もっとも受けているのが、残りヒットポイントに関係なく一撃で敵を倒すという「一閃」のシステムだ。

photo 敵を一撃必殺する一閃。見た目が派手なだけではなく、ヒットポイントの多い敵に囲まれたときやボス戦では、これを修得しているかどうかで、生き残る確率が大きく違ってくる

 一閃には、次に挙げる5種類のバリエーションが用意されている。

一閃:敵の攻撃を寸前で回避し、側面から攻撃を打ち込む
弾き一閃:敵の攻撃をガードし、すぐさま反撃を加える
崩し一閃:敵のガードを崩したところへ攻撃を打ち込む
連鎖一閃:密集した敵に対して、連続して一閃を繰り出す
アシスト一閃:従者(後述)と協力して、より強力な一閃を放つ

 一閃や弾き一閃などは、第1作からあるお馴染みの必殺技だが、それでもほかのパターンとの組み合わせにより、連撃が効くようになったことの効果は大きい。一閃→連鎖一閃や、通常攻撃→崩し一閃など、コンボ技と呼べるような攻撃方法がさまざまあり、これによって、アクションの多彩さは確実に拡大しているのである。

 また、従来作にもあった、キャラクターの強化システムも継承されている。まず経験値の獲得によるキャラクターのレベルアップという概念があり、さらにストーリー攻略を進めていくのにともなって獲得できるポイントを使って行う「技の強化」と、敵を倒した際に入手できる魂を消費して装備の性能を向上させる「武器・防具の強化」という、2種類の方法が用意されている。

 前者では、通常攻撃そのものの威力が上がったり、初期段階ではできなかった攻撃方法を修得できる。後者では、攻撃力や防御力がアップするのはもちろん、剣ごとに秘められた特殊攻撃を解放したり、同時に携行できる装飾品の数を増やすなどのボーナスが得られる。装飾品は、パラメータを上昇させてくれたり、ゲームオーバー時に自動復活させてくれるなどの効果を持っているので、同時に複数の種類を携行できれば、その分、戦闘が有利になるのである。

photo キャラクターを強化するとき、特定の能力に一定数を配分すると、新たな攻撃方法が可能になる。写真は「追い打ち」に3ポイントを割り振って「兜割り」を修得したところ

 なお、上記2つ以外の方法として、マップ探索中に入手できる「力石」や「鬼石」などと呼ばれるアイテムを使い、ヒットポイントをはじめとする各種のパラメータを上げることも可能だ。発見しない限りは使用できないし、1個あたりの上昇率も微々たるものだが、ゲーム全体ではそれなりの数がセットされているので、その差は無視できないものとなるだろう。

 技の強化、武器・防具の強化、各種の石の使用という3つの手段を併用することで、キャラクターの能力はどんどん向上していく。アクションが苦手な人の救いとなるだけではなく、キャラクターを育てていく楽しみも味わえるのだ。

 以上を総合すると、アクションのやり込み要素も満載だが、すべてを使いこなせなくてもOK。使えるに越したことはないが、無理に修得しなくても、どうにかなるという作りになっていることが分かる。

 難易度設定が、初期段階で「通常」以外に「易しい」、「超易」の2モード用意されていることや、何度も同じ場所でゲームオーバーになった場合、そこから難易度を下げることが可能な仕様が搭載されていることを考えると、むしろライトユーザーを志向しているとさえ言えるかもしれない。

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