一足お先に次世代機気分――HDTV+5.1chで現行機を遊ぶススメ Part5:ゲームキューブ編(3/4 ページ)

» 2006年02月16日 17時10分 公開
[小泉公仁,ITmedia]

オマケソフトも480p対応の「R:レーシングエヴォリューション」

 では、HDTV+5.1ch環境にオススメのGC用ソフトをいくつかご紹介しよう。480p対応ソフトが豊富なGCとはいえ、16:9ワイド、プロロジックII対応の三拍子揃ったソフトとなると、さすがに限られてくる。その数少ないソフトの1つが、「R:レーシングエヴォリューション」(ナムコ)だ。

 このソフトは、2003年11月に3機種で同時発売されており、プレイステーション 2版は16:9ワイド対応のみだが、GC版は480pにも対応している。480p表示では、遠方の景色などが少しざわついて見えるものの、全体的にちらつきが抑えられて引き締まった映像になる。さらに、ワイド表示で視界が広く開ける分、臨場感がより高まる。

画像 「オプション」の「画面タイプ」で「16:9」に変更すれば、HDTVのワイド画面にフル表示できる
画像 車体の光沢感などはいまひとつ物足りないが、480pでは映像の鮮明さが高まり、ぐっと引き締まった印象になる

画像 サウンドデザインのうまさも本作のポイント。ほかの車を追い抜くときの音の移動感や、レース中に挿入されるピットからの無線の声など、音による演出がさえている

 プロロジックIIによるサラウンド効果もなかなか“聴き応え”あり。レース中にほかの車と競り合っているとき、各車のエンジン音が自分の周囲を移動していくのが分かる。リプレイ再生時やムービーシーンでも、場の空気感、音の移動感を実感できる場面が多く、サラウンド環境があればいっそう楽しめる内容だ。ナムコのサウンドデザインには個人的に一目置いているが、このソフトでもBGMのセンスの良さと、各種効果音とのバランスの良さが光る。とりわけ、エンドロールにフルコーラスで流れるテーマ曲「Show The World」は、必聴のできばえ。ちょっぴりガラージュ風のハウスアレンジに“ステファニー・クック”の優雅なボーカルが絡み合い、何度聴いても心地よい。

 なお、GC版(初回版)のみ、ナムコと任天堂のコラボによる非売品ソフト「PAC-MAN vs.」が同梱されているが、実はこれも480pに対応(16:9ワイドやプロロジックIIには非対応)。同ソフトは「クラブニンテンドー」でも会員にプレゼントされたが、そちらはなぜか480pに対応していないだけに、「R」同梱バージョンは貴重な1枚だ。

プレイステーション 2版も出たが、画質や音質ではGC版の方が上?「バイオハザード4」

 “これをプレイするためにGCを買った”という方も多いのでは。移植やリメイクを含め、シリーズの全作品がGCに投入された「バイオハザード」(カプコン)だが、最新作の「4」はシリーズで初めて480pとプロロジックIIに対応している。昨年末にプレイステーション 2にも移植されたが(こちらも480p、プロロジックII対応)、両方をHDTV+5.1ch環境で比べてみると、画質・音質ともGC版の方がクオリティは高い。

画像画像 左がGC版、右がプレイステーション 2版の画面で、どちらも480p対応。決してプレイステーション 2版の画質が“悪い”わけではないものの、GC版の方が木々や建造物などのディテールがしっかり描かれていて、立体感、奥行き感のある映像。“もや”の表現もGC版の方がリアル
画像 要所をおさえたサラウンドの使い方で、ステレオ音声でプレイする場合と比べても格段に怖い……。極端な差異ではないが、画質、音質ともGC版の方がやや優れているので、そのあたりにこだわるならGC版をオススメ(ただし、プレイステーション 2版には追加要素もあるので悩ましいところ……)

 5.1ch環境でのサラウンド効果や音質も、光デジタルで出力したプレイステーション 2版より、アナログ音声で出力するGC版の方が優れていると感じられるのは、ちょっと意外なところ。GC版の後にプレイステーション 2版をプレイしてみると、BGMや各種効果音が少しこもったように聞こえる。様々な環境音による包囲感の演出はどちらも高水準だが、個々の音のクリアさでGC版の方がわずかに上回っているので、その場の不気味さがより強調される印象。自分の背後で扉が「バタン」と閉まる音がしたり、視界に入っていない方角からうめくような敵の声が聞こえたりと、サラウンドでプレイすると恐怖感がいっそう増幅されるので、5.1chシステムを導入したら真っ先に試してみたい1本だ。


 そのほか、わたしが所有するGC用ソフトで試してみた中では、「ピクミン2」と「テン・エイティ シルバーストーム」の2本にHDTVや5.1chの導入効果を強く感じた。ピクミン2は、サラウンドによる音の演出が秀逸で、独特の幻想的な雰囲気に浸れる。テン・エイティは、NINTENDO64でも発売されたスノーボードゲームの続編だが、480p表示での映像の鮮明さが際立っていた。

画像 プロロジックII対応ソフトの中でも、サラウンド効果を実感しやすいのが「ピクミン2」。ピクミンたちの「えっほっほ」といったかけ声が、方向を変えながら聞こえてくるのが楽しい。480p表示の映像も透明感が強く感じられ、発色も鮮やかになる
画像 「テン・エイティ シルバーストーム」は、480p表示にすると映像の鮮明さが大きくアップし、特に衣服にこびり付いた雪の質感は見るべき価値のあるもの。プロロジックIIにも対応しているが、サラウンド感は平均レベル

GCの主なHDTV・5.1ch対応ソフト
タイトル(メーカー) 映像出力(480p以上) ワイド対応 サラウンド音声出力 コメント
R:レーシングエヴォリューション(ナムコ) 480p 16:9 プロロジックII 480p対応で、16:9ワイド表示も可能なレースゲーム。プロロジックIIによるサラウンド効果を実感しやすく、音の移動感が明快。なお、初回版に同梱の「PAC-MAN vs.」も480p対応。
バイオハザード4(カプコン) 480p × プロロジックII 後からPS2版も発売されたが、画質・音質ではGC版の方がやや優れる。緻密に描かれた映像もさることながら、5.1ch環境の導入効果が高く、音の包囲感に圧倒される。
ピクミン2(任天堂) 480p × プロロジックII 480pでは色にじみがかなり抑えられ、クッキリとした美しい映像。サラウンド効果が特に素晴らしく、音からも不思議な雰囲気が楽しめる。特に、オニヨンの発着シーンの音は立体的に響く。
テン・エイティ シルバーストーム(任天堂) 480p × プロロジックII NINTENDO64で発売されたスノボゲームの続編。480pでは映像の精細感が明らかに違い、雪の質感にきめ細かさが感じられる。サウンド面についてはやや大雑把な印象。
ファイアーエムブレム 蒼炎の軌跡(任天堂) 480p × プロロジックII 480pにすると、テキストや2Dのキャラクタービジュアルがクッキリと表示されて見やすい。ムービーシーンもキレイ。今作からバトルシーンが3D化されたが、効果音の立体感はやや乏しい。
ルイージマンション(任天堂) 480p × ドルビーサラウンド GC本体と同時発売の480p対応ソフト。音声は3chのドルビーサラウンド仕様で、音の定位感が曖昧になりやすいが、音の広がりはまずまず。おどおどしたルイージの仕草や声がかわいい。
ウェーブレース ブルーストーム(任天堂) 480p × ドルビーサラウンド こちらもGC本体と同時発売。初期のソフトとは思えないほど水面の揺らぎや水しぶきの表現が見事で、480pではそれがいっそう際立つ印象。サラウンド効果はいま一歩。
ビューティフル ジョー(カプコン) 480p × × 本作と続編の「2」ともに480p対応で、ちらつきのない非常に美しい映像。サラウンドには対応していないが、迫力のある演出。なお、PS2移植版は「1」「2」とも480pに対応していない。
P.N.03(カプコン) 480p × プロロジックII 特筆に値するようなグラフィックではないものの、480pに切り替えると、建物内や敵の無機質な感じがより強調される。プロロジックIIにも対応しているが、サラウンド効果を実感できる場面が少ない。
メトロイドプライム2 ダークエコーズ(任天堂) 480p × プロロジックII 480pで表示すると、解像感にやや欠けるものの、ちらつきが少なくなって見やすい。透過光の表現はキレイ。サラウンド効果は、BGMに独特の包囲感はあるものの、効果音の定位感がやや甘め。
スーパーモンキーボール2(セガ) 480p 16:9 プロロジックII 480pと16:9ワイド表示に対応したアクションゲーム。サウンド設定に「サラウンド」の項目はないが、「ステレオ」設定でプロロジックII出力ができる。音の移動感がわかりやすい。
ゼルダの伝説 風のタクト(任天堂) 480p × プロロジックII キャラクターなどの輪郭にギザギザが目立つが、480pの鮮明さを実感しやすいソフト。序盤のシーンでは、後方からも波の音が聞こえるなど、サラウンドを活かした演出がところどころに見られる。
バテン・カイトス 終わらない翼と失われた海(ナムコ) 480p × プロロジックII GCのみで発売されたRPG。480p表示ではテクスチャの緻密さがより強調されて、とてもキレイな映像。ムービーシーンも美しい。5.1ch環境では、BGMが広がりのある音で響き渡る。

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