日本人でも外国人。これまでの常識がほとんど通用しないシリーズ初の欧州編「プロサッカークラブをつくろう!ヨーロッパチャンピオンシップ」レビュー(3/3 ページ)

» 2006年04月10日 21時03分 公開
[磯野正学,ITmedia]
前のページへ 1|2|3       

ヨーロッパ式の経営スタイル

 さて、ここまでは試合での変更点を中心にお伝えしてきたが、サカつく!はいちクラブチームのオーナーとなるスポーツ育成シュミレーションゲームである。オーナー=経営者となるわけだが、チームを育成(運営)するためには当然のことながら資金が必要となり、クラブの財政をよくするための経営が重要な要素となっている。

 ここでの一番の変更は、選手およびスタッフの年俸が月給制になったことだろう。前作までは、契約更改時に一括払いだったので、契約更改する時はまでに膨大なお金(スター選手ばかりで、年俸が一律3億なら×11で33億とか……)を貯めておく必要があったが、本作ではその心配がなくなった。

photo お金の単位はユーロと円のどちらにもできる。ヨーロッパ気分味わうなら、長さ・重さと併せてヨーロッパの単位に統一してみよう

 ただ、あまり年俸を高くしすぎると、月々の支払いで所持金が底をつく可能性があるので、毎月の給与を支払えるだけの資金を常に確保しておかなければいけない。シーズン終了までは所持金がマイナスになってもゲームオーバーにはならないが、筆者のように試合の勝利ボーナスや大会賞金をあてにして無駄遣いをすると、ゲームオーバーになってしまうこともある……取らぬ狸の皮算用はやめたほうがいいだろう。

 実際のクラブの経営は非常に難しく、ヨーロッパの人気クラブといえども赤字経営のところが多い。そこまでリアルを追求したのかは分からないが、本作の資金繰りはやや厳しく感じる。とは言え、これは既存のシリーズと同じようにプレイをした場合だ。本作ではヨーロッパに合わせたグローバルな経営戦略が必要となるのである。


photo 海外拠点を設置することで、現地の出身選手を獲得しやすくなるので、経営と育成を両立できるのもメリットだ

 例えばヨーロッパのクラブ収益を支えるものとして、試合での入場料とグッズ販売のほかに、試合の放映権料と選手の移籍金があるが、サカつく!ヨーロッパではこの要素を踏襲、これまで以上に試合の放映権料と選手の移籍金が重要となっている。具体的には、海外拠点を設けることで現地のテレビ局と契約できるようになっており、契約金(放映権料)を得るとともにクラブ人気を広められる。クラブ人気が上がれば、グッズ売り上げが伸びるなどの経済効果もある、といった感じだ。地元に根ざしたクラブ運営も大切だが、これまでのようにグッズを作り、試合に勝つだけでは世界のトップクラブの仲間入りは難しい。あらゆる手段を駆使する経営手腕が試されると言えるだろう。

対戦プレイこそがサカつく!の醍醐味なり

photo 試合の観戦方法は「対戦カード」のメニューから、「フルタイム」、「結果を見る」、「観戦しない」の3つを選べる

 サカつく!シリーズで忘れてはいけないのが対戦プレイだ。マイルームのオプションから対戦データを作成すれば、「VSモード」で1試合だけのエキシビジョンマッチが行えるのはもちろんのこと、最大16チームまでのリーグ戦およびトーナメント戦を行うことができる。設定を変えれば、シーズン中と違い一瞬で結果が分かるが、せっかくの対戦プレイなので試合を飛ばしてはもったいない。できればフルタイムで観戦してスーパープレイから凡ミスまで、すべての動きを楽しんでもらいたい。


 シリーズ10年目の記念碑的な本作は、シリーズの中で最も大胆に生まれ変わった作品である。フルタイムでの選手の動きなど、今後詰めていかなければならない部分もあるが、強豪ひしめくヨーロッパにクラブを構え、リーグ戦で戦える喜びは大きい。

 1部リーグとなれば、戦うチームはすべて強豪ぞろいで、どこに勝ってもうれしい気持ちになる。何より舞台をヨーロッパに移したことで、既存シリーズでは外国人枠に阻まれて実現できなかった、スーパースターぞろいのオールスターチームを組むことも夢ではなくなった。どの選手を取るか、今まで以上に選手獲得が楽しくなるのは間違いないだろう。どこまで強いドリームチームを作れるか? ぜひチャレンジしてほしい。

前のページへ 1|2|3       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2405/01/news138.jpg イオンモールで販売「シフォンケーキ」にカビ発生、5000個回収へ “下痢”の報告で調査中……出店企業が謝罪
  2. /nl/articles/2402/21/news158.jpg 業務スーパーの“高コスパ”人気冷凍商品に「基準値超え添加物」 約1万5000個販売……自主回収を実施
  3. /nl/articles/2405/01/news092.jpg “スケスケ成人式コーデ”が物議のモデル、「3度見される服」を披露 「コレは見ちゃうわ」「洗っても大丈夫なのか」の声
  4. /nl/articles/2405/01/news095.jpg 秋元康、AKB48卒業の柏木由紀に送った手紙が物議 “冒頭の一文”に「昭和丸出し」「嫌すぎる」
  5. /nl/articles/2405/01/news013.jpg IKEAの新作カーテンが「家中これにしたい」ほどすてき!→どうやって付けているの? 垢抜けインテリア術に視線集中「すっごいかわいい」「色味が最高」
  6. /nl/articles/2405/01/news093.jpg 500円玉が1つ入る「桔梗のお花ケース」が100万件表示超え! 折り紙1枚で作れる簡単さに「お小遣いあげるときに便利」「美しい〜!」
  7. /nl/articles/2404/30/news015.jpg 【今日の計算】「500×99」を計算せよ
  8. /nl/articles/2404/30/news165.jpg 「これは変態だ」 職人が“鉄の塊”から作った「はぐれメタル」がガチすぎる 狂気の手作業に驚き「いかれてるw」
  9. /nl/articles/2405/01/news104.jpg 「そっち使うの?!」「これは天才」 さびだらけの鉄くぎをぐつぐつ煮込むと……? DIYに役立つ“まさかの使い道”が200万再生
  10. /nl/articles/2405/02/news013.jpg 2歳娘、自分のバースデーフォトをセルフタイマーで…… プロ顔負けの仕上がりに「すごーーーーーーー!!」「天才すぎます」と称賛の声
先週の総合アクセスTOP10
  1. 釣りに行こうとしたら、海岸に子猫が打ち上げられていて…… 保護後、予想だにしない展開に「神様降臨」「涙が止まりません」
  2. 身長174センチの女性アイドルに「ここは女性専用車両です!!!」 電車内で突如怒られ「声か、、、」と嘆き 「理不尽すぎる」と反響の声
  3. しぶとい雑草“ドクダミ”を生やさない超簡単な方法が115万再生! 除草剤を使わない画期的な対策に「スゴイ発見」
  4. 天井裏から変な音がする→スマホを突っ込んで撮影したら…… 映った“とんでもねぇ”モノに「恐ろしい」「何これ」と騒然の196万表示!
  5. 小1娘、ペンギンの卵を楽しみに育ててみたら…… 期待を裏切る生き物の爆誕に「声出して笑ってしまったw」「反応がめちゃくちゃ可愛い」
  6. 誰も教えてくれなかった“裁縫の裏ワザ”が目からウロコ 200万再生のライフハックに「画期的」と称賛【海外】
  7. 「電車の中で見ちゃダメ」「笑ったww」 実家からLINE「子ヤギがすばしっこくて捕まらない」→送られてきた衝撃姿が320万表示!
  8. 顔の半分は童顔メイク、もう半分の仕上がりに驚がく 同一人物と思えない半顔メイクが860万再生「凄いねメイクの力」
  9. 元「AKB48」メンバー、整形に250万円の近影に驚きの声「整形しすぎてて原型なくなっててびびった」
  10. スーパーで買ったレモンの種が1年後…… まさかの結果が635万再生「さっそくやってみます」「すごーい!」「手品みたい」
先月の総合アクセスTOP10
  1. 庭に植えて大後悔した“悪魔の木”を自称ポンコツ主婦が伐採したら…… 恐怖のラストに「ゾッとした」「驚愕すぎて笑っちゃいましたw」
  2. 小1娘、ペンギンの卵を楽しみに育ててみたら…… 期待を裏切る生き物の爆誕に「声出して笑ってしまったw」「反応がめちゃくちゃ可愛い」
  3. 生後2カ月の赤ちゃんにママが話しかけると、次の瞬間かわいすぎる反応が! 「天使」「なんか泣けてきた」と癒やされた人続出
  4. 「歩行も困難…言動もままならず」黒沢年雄、妻・街田リーヌの病状明かす 介護施設入所も「急激に壊れていく…」
  5. 車検に出した軽トラの荷台に乗っていた生後3日の子猫、保護して育てた3年後…… 驚きの現在に大反響「天使が女神に」「目眩が」
  6. 「虎に翼」、新キャラの俳優に注目が集まる 「綺麗な人だね」「まさか日本のドラマでお目にかかれるとは!」
  7. 釣りに行こうとしたら、海岸に子猫が打ち上げられていて…… 保護後、予想だにしない展開に「神様降臨」「涙が止まりません」
  8. 身長174センチの女性アイドルに「ここは女性専用車両です!!!」 電車内で突如怒られ「声か、、、」と嘆き 「理不尽すぎる」と反響の声
  9. 築152年の古民家にある、ジャングル化した水路を掃除したら…… 現れた驚きの光景に「腰が抜けました」「ビックリ!」「先代の方々が」
  10. 「葬送のフリーレン」ユーベルのコスプレがまるで実写版 「ジト目が完璧」と27万いいねの好評