次世代クオリティで描かれる“戦争”はすごく美しくて、何より重い:「NINETY-NINE NIGHTS」レビュー(1/2 ページ)
マイクロソフト ゲームスタジオが放つ、Xbox 360用大作アクション。敵で埋め尽くされた戦場から、何を感じて、何を楽しめるのか。単純に爽快(そうかい)感を求めて楽しむこともできれば、テーマについて深く考えることもできる本作、その魅力に迫る。
オレのまわりが「N3」なワケ
砂糖に群がるアリのごとき大部隊を、一閃の元に切り倒していく「NINETY-NINE NIGHTS」(以下、N3)は、爽快(そうかい)感を重視した3Dアクションゲームだ。このジャンルは、数多くのタイトルがリリースされている昨今の定番であり、筆者はもちろん、周りにもファンが多い。今回、そんなN3が到着した時も、どこから嗅ぎつけてきたのか、同僚がテレビの周りに集まってきた。あまりに集まりすぎて、筆者の周囲がN3みたいになってしまったほどだ……すみません、さすがにウソです。
ただ、ここで面白いのは、みんなが口裏を合わせたように“N3ってどうなの?”、“アレとどう違う?”と聞いてくること。その時は、まだXbox 360の電源すら入れていない状態だったので、“まだ分からないッスよー”と答えていた。が、今ならはっきりと“これまでにあった同種のゲームとはかなり楽しみ方が違う”と断言できる。
画面を埋め尽くす敵! 敵! 敵!
本作の見どころは数多くあれど、胸を張って“スゲェ!”と言えるのは、圧倒されるほどの敵の数だろう。現在、唯一の次世代機であるXbox 360のタイトルなので、かなり多くの敵が登場するだろうと期待はしていた。だが、筆者の予想はハッキリ言って甘かった。
まさか自分の操作するキャラクターが埋もれて見えなくなるほど、多くの敵が現れるとは! ステージによっては、どこを見ても敵だらけで、人ごみを抜け出すにも苦労するほどだった。ゲームの世界に没頭できるため、主人公に感情移入もしやすい。いつの間にか、戦場で奮闘する戦士の気分に浸っていること請け合いだ。
ただ、いくら敵の数が多いとは言え、攻撃がスイスイ出せないと、爽快(そうかい)感も半減するというもの。だが、N3でそのような心配は皆無だ。攻撃アクション(スキルという)は、XボタンとYボタンを特定の順番で押すだけなので、ゲーム初心者でも、ガチャプレイで華麗な連続技が簡単に出せるのは、非常に良いポイントだと思う。
敵を倒すと「赤オーブ」と呼ばれる、魂のようなものが登場する。このオーブを集めてゲージが一定以上溜まれば、強力な必殺技「オーブアタック」を発動できるのだ。これがまたシャレにならない強力さで、敵を一網打尽にできる。
さらに言うならば、オーブアタックで敵を倒すと、今度は敵から「青オーブ」が現れる。勘の良い人ならもうお気づきかと思うが、この青オーブを一定数以上集めれば、超強力な奥義「オーブスパーク」が使えるのである。その威力と派手さは本作を象徴しているかのごとく壮大で、相応の爽快(そうかい)感を味わうことができるのだ。一度味わうと、ヤミツキになるほどの魅力を秘めている。使用後の周囲は死屍累々といった光景で、ちょっとかわいそうな気にもなるが、“オレって最強!”という気分を嫌と言うほど堪能できるのだ。
N3には、連続して敵に攻撃を与えた回数を表す「コンボ」システムも用意されている。最大コンボ数を狙うのは、やり込みがいがあってかなり楽しいのだが、面白いのはその数が青天井ということだろう。適当にプレイしていても500くらいは楽に達成でき、意識してプレイすれば2000以上にも達する。
あまたのゲームをプレイしてきた筆者だが、これだけのコンボ数がはじき出せる作品は記憶にない。筆者は2400コンボを出して喜んでいたが、同僚にあっさりと2600コンボを出され、一気に敗北感を味あわされた。雪辱を晴らすため、今も必死になってコンボの練習をしているところだ。
(写真右)武器やアイテムはステータス画面で装備しなおすことができる。コンボ数を稼ぐには、攻撃力の弱い武器や、攻撃範囲を広くするアイテムを装備するなど、クリアー目的とは異なるカスタマイズが重要になる
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