モップやコショウまで武器にして戦う“あの刑事”が帰ってきた「SEGA AGES 2500シリーズ Vol.26 ダイナマイト刑事」レビュー(1/4 ページ)

セガサターンでカルト的な人気を博した「ダイナマイト刑事」が、多彩な新モードや遊び心あふれる新要素の数々を盛り込んでプレイステーション 2に復活。グラフィックも大幅にグレードアップしているというプレイステーション 2版で、一番気になるのは「大統領の娘がどう変わったか」だったりして。

» 2006年05月17日 16時59分 公開
[小泉公仁,ITmedia]

セガが“セガらしい”と思えた頃の会心作

 このごろのセガ作品って、何となくお行儀がよすぎるというのか、おとなしい印象をわたしは受けてしまう。なぜだろう。良質の新作は数多くあるけれど、かつてのような突き出た個性が心なしか薄いような。要するに、「変なゲームをあまり出してくれなくなったなぁ」と、少しさびしい思いがするのである。こんなことを考えている時点で、やっぱり自分はセガフリークなんだなと再認識してしまうのだが。

 「ダイナマイト刑事(デカ)」は、わたしが(勝手に)抱いている“セガらしさ”を強く感じられる作品のひとつ。1996年にアーケード版が登場し、翌年にはセガサターンでも発売された刑事モノの格闘アクションだ。刑事が主役といってもクールだとかハードボイルドといったイメージにはほど遠く、キャラクター設定といいストーリー展開といい、全編にわたってB級映画を(それも確信犯的に)ほうふつとさせるテイストなのだ。

 例えば、主人公のブルーノ・デリンジャー刑事は、よくある“ゲームの主人公”然としたスリムでかっこいい若者などではなく、42歳の肉体派オヤジ。その風貌は、きっと誰が見たってあのハリウッド俳優を連想させるし、彼がその身ひとつでテロリスト集団と戦う様は、やっぱり某映画を思い起こさせる。そして、その戦いぶりがものすごくバカバカしい。基本はパンチやキックの肉弾戦か、ハンドガンでの銃撃だが、なぜかミサイルランチャーまであったりするし、挙げ句には清掃用のデッキブラシやコショウや柱時計と、ステージ上にあるものは何でも武器にしてしまう。

 このアクの強さが見事に当たった。あやふやな記憶で確信が持てないが、セガサターン版の初週売上は確か3位か4位にランクインして、累計でもかなりの好セールスを記録していたと思う。もちろん、わたしも発売日はゲームショップに走った。

 その「ダイナマイト刑事」が、約10年の歳月を経てプレイステーション 2で再び遊べる日が来ようとはゆめゆめ思わなかった。素直にうれしい。それも、セガサターン版のベタ移植だけでなく、グラフィックを大幅に向上させたモードや、オリジナルにはなかったアイテムやギミックを満載しているという。これまでのSEGA AGESシリーズの中でも、ひときわ気合いの入ったリメイク作品だ。

画像 セガサターンのヒット作「ダイナマイト刑事」をプレイステーション 2で復刻した「SEGA AGES 2500シリーズ Vol.26 ダイナマイト刑事」。プレイステーション 2版ではグラフィックが全面的にリニューアルされているほか、オリジナルにはなかった多彩なプレイモードが新たに盛り込まれている
画像 映像特典として、セガサターン版の発売当時に放映されていたテレビCMも収録。プレイステーション 2の画面にセガサターンのロゴが表示されているのって、なんとも奇妙な感じ……
画像 「♪おれのぶきをしってるかい?モップ!はしらどけい!コショウ!」の珍妙な歌詞が、当時大いに話題を集めた。「ダイナマイト刑事」の魅力を端的に表していて、いま見てもやっぱり笑える
       1|2|3|4 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2404/25/news016.jpg 「電車の中で見ちゃダメ」「笑ったww」 実家からLINE「子ヤギがすばしっこくて捕まらない」→送られてきた衝撃姿が320万表示!
  2. /nl/articles/2404/23/news090.jpg 誰も教えてくれなかった“裁縫の裏ワザ”が目からウロコ 200万再生のライフハックに「画期的」と称賛【海外】
  3. /nl/articles/2404/21/news011.jpg 小1娘、ペンギンの卵を楽しみに育ててみたら…… 期待を裏切る生き物の爆誕に「声出して笑ってしまったw」「反応がめちゃくちゃ可愛い」
  4. /nl/articles/2404/25/news043.jpg 娘の給食の献立表を見たら…… 正体不明の“謎の料理名”が「これはわからんw」と話題に その意外な正体に納得!
  5. /nl/articles/2404/25/news129.jpg プロ野球チップスでまた“不良品”流出 伊藤大海「176m」表記に続き…… カルビー謝罪「深くお詫び」
  6. /nl/articles/2404/24/news018.jpg 1年半ケージに引きこもっていたシャーシャー猫が、ある夜布団に入ってきて…… 感涙の行動に「まるで別猫」「こんな日が来るなんて」
  7. /nl/articles/2404/24/news017.jpg メルカリで300円の紙モノセットを買ってみたら…… 出品者のあたたかな心遣いに「利益は考えていないんでしょうね」「見ててわくわくします」
  8. /nl/articles/2404/23/news185.jpg 子どもに高級キーボードのパーツを捨てられた → 公式の“先読みしすぎた対応”が話題「そういうこともあろうかと」
  9. /nl/articles/2401/18/news015.jpg 巨大深海魚のぶっとい毒針に刺され5時間後、体がとんでもないことに…… 衝撃の経過報告に「死なないで」
  10. /nl/articles/2404/22/news124.jpg ダイソー「マルチ万能ほうき」が家事ラクの救世主 名前負け知らずの便利さに「これやばっ!!」「220円に驚き」の声
先週の総合アクセスTOP10
  1. 小1娘、ペンギンの卵を楽しみに育ててみたら…… 期待を裏切る生き物の爆誕に「声出して笑ってしまったw」「反応がめちゃくちゃ可愛い」
  2. 富山県警のX投稿に登場の女性白バイ隊員に過去一注目集まる「可愛い過ぎて、取締り情報が入ってこない」
  3. 2カ月赤ちゃん、おばあちゃんに少々強引な寝かしつけをされると…… コントのようなオチに「爆笑!」「可愛すぎて無事昇天」
  4. 異世界転生したローソン出現 ラスボスに挑む前のショップみたいで「合成かと思った」「日本にあるんだ」
  5. 【今日の計算】「8+9÷3−5」を計算せよ
  6. 21歳の無名アイドル、ビジュアル拡散で「あの頃の橋本環奈すぎる」とSNS騒然 「実物の方が可愛い」「見つかっちゃったなー」の声も
  7. 1歳赤ちゃん、寝る時間に現れないと思ったら…… 思わぬお仲間連れとご紹介が「めっちゃくちゃ可愛い」と220万再生
  8. 業務スーパーで買ったアサリに豆乳を与えて育てたら…… 数日後の摩訶不思議な変化に「面白い」「ちゃんと豆乳を食べてた?」
  9. 祖母から継いだ築80年の古家で「謎の箱」を発見→開けてみると…… 驚きの中身に「うわー!スゴッ」「かなり高価だと思いますよ!」
  10. 「ゆるキャン△」のイメージビジュアルそのまま? 工事の看板イラストが登場キャラにしか見えない 工事担当者「狙いました」
先月の総合アクセスTOP10
  1. フワちゃん、弟の結婚式で卑劣な行為に「席次見て名前覚えたからな」 めでたい場でのひんしゅく行為に「プライベート守ろうよ!」の声
  2. 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
  3. 水道検針員から直筆の手紙、驚き確認すると…… メーターボックスで起きた珍事が300万再生「これはびっくり」「生命の逞しさ」
  4. フワちゃん、収録中に見えてはいけない“部位”が映る まさかの露出に「拡大しちゃったじゃん」「またか」の声
  5. スーパーで売れ残っていた半額のカニを水槽に入れてみたら…… 220万再生された涙の結末に「切なくなった」「凄く感動」
  6. 桐朋高等学校、78期卒業生の答辞に賛辞やまず 「只者ではない」「感動のあまり泣いて10回読み直した」
  7. 「これは悲劇」 ヤマザキ“春のパンまつり”シールを集めていたはずなのに…… 途中で気づいたまさかの現実
  8. 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
  9. がん闘病中の見栄晴、20回以上の放射線治療を受け変化が…… 「痛がゆくなって来ました」
  10. 食べ終わったパイナップルの葉を土に植えたら…… 3年半後、目を疑う結果に「もう、ただただ感動です」「ちょっと泣きそう」