現代アーティストの新たな表現の場に――新感覚映像コンテンツ「画ニメ」発表(1/2 ページ)
5月30日、東京・秋葉原においてアート融合映像コンテンツ「画ニメ」についての記者発表会が行われ、代表作品を手がけた天野喜孝氏、佐野史郎氏、奥秀太郎氏も駆けつけた。
東映アニメーションは5月30日、新感覚映像コンテンツ「画ニメ」レーベルの立ち上げを発表した。画ニメとは、「画・言葉・音楽」を使ってアーティストのこだわりの世界を表現する新映像コンテンツのこと。今回、画ニメプロジェクトのパートナーとして幻冬舎グループが販売促進、普及活動を担当することも明らかにされた。
まず東映アニメーション代表取締役社長 高橋浩氏が「東映アニメーションは今年創立50年という節目の年を迎えました。今年は新たな50年に向けて新たな挑戦をします。アニメーション・実写など既存の動画コンテンツとは一線を隔す新たな映像表現、画ニメレーベルを立ち上げることになりました」と挨拶。幻冬舎代表取締役社長 見城徹氏は「ハードを駆使して、映像に音楽を加えたりと趣味の世界ではあったかもしれないが、画ニメというタイトルをつけてそれを承認させるということは、大変な発明だろう。それをどんな風に売っていこうかという戦略を立てているところで、今わくわくしている。画ニメが世界的に『Ganime』となり普遍化するように懸命に売っていこうと思う」と力強く語った。
続いて東映アニメーション チーフプロデューサー 北崎広実氏による画ニメの具体的な説明に入る。「画ニメとはアーティストの持つ創造性を映像によって解き放つことをテーマに掲げた新感覚の映像コンテンツです。絵画やイラスト、版画、写真など静止画の画を軸に、言葉、音楽を織り交ぜたもの。強烈な個性で画の魅力を引き出すことで、既存のアニメーション以上の作家の持つ創作イメージを余すことなく伝えることができる」(北崎氏)。
さらに北崎氏は、「通常のアニメーションや、映画などは、大勢のスタッフと予算を必要とするため、リスクが大きく、また完成した映像がアーティストの意図通りにならないこともある」と指摘し画ニメの利点を明確にしていった。「画ニメは、脚本から作画までの製作工程を個人の力でまかなえるため、より実践的なアイディアにチャレンジすることが可能です。現代にも才能豊かなアーティストはたくさんいるが、これまで自由に表現する媒体が存在しなかった。現代アートをひとつ上のステージに押し上げ、アーティストの新たな表現の場をなりえる」(北崎氏)。
画ニメは、「ざくろ屋敷」を手がけた深田晃司、深澤研両氏のように、才能ある新人アーティストの発掘も目的のひとつとしており、プロ・アマ問わず一般公募をするとのことだ。また海外のアーティストとの共同制作を目指すことも明らかにされた。
しかし北崎氏は「やりたいことをやるということは、妥協を許さないということでもある」と襟を正す。最後に「今後画ニメは、より多くのアーティストとともに新しい映像製作に挑戦します。画ニメは最終的にひとつの映像ジャンルとして目指していきたい」と同氏は抱負を述べ、締めくくった。
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