「スペースインベーダー」前夜祭に行ってきました
タイトーの人気コンテンツ「スペースインベーダー」のショップが、表参道ヒルズに期間限定でオープンすることを受けて、2006年7月1日から7月16日までの間、六本木ヒルズ1Fのバー「ハートランド」にて、「スペースインベーダー」前夜祭が開催されている。
タイトーの人気コンテンツ「スペースインベーダー」のショップが、表参道ヒルズにある「Idea Frames」内に、2006年7月15日から8月31日までの期間限定でオープンすることを受けて、2006年7月1日から7月16日までの間、六本木ヒルズ1Fのバー「ハートランド」にて、前夜祭が開催されている。期間中には、ハートランド内に「モダンペッツ」のデザイナーである中野シロウ氏が描きおろしたインベーダー・アート作品を展示。また、プロジェクター(4面)を使ったインベーダーの最新イメージ映像の上映などが行われている。
記者が訪れた、前夜祭初日となる2006年7月1日には、中野氏が来場。インベーダーとの出会いや作品を通じて伝えたい思いなど、さまざまな話をうかがうことができた。
「社会現象になった時はまだ小学生でした。当時は横浜にいて、大型のゲームセンターというのができはじめていた時代。100台ぐらいインベーダーの筐体が置かれていたんですが、プレイしていたのは大人ばかりという印象ですね。僕もお小遣いは300円ぐらいでしたけど、全部つぎ込んでプレイしていました」と切り出した中野氏。続けて「1回100円ですからね。当時の子どものお小遣いなんて、1発でなくなってしまいますよ(笑)」と、当時を振り返る。
中野氏にとっても思い出深いインベーダーというタイトルだけに、今回の話が来た時も素直に面白いと感じたという。「これだけキャラクタービジネスがある中で、インベーダーは表に出てきてない。世界にも通じるアイコンなのにですよ。流行った当時にグッズはあったみたいですけど、その後はさっぱりだったみたいです。でも、そこが非常に面白いと感じました」
作品の作成期間は1枚に対して1日。中野氏は全10枚のうち4枚(ほか6枚はモダンペッツのスタッフ2人が3枚づつ)を担当したというので、期間は4日になる。正直に言えば、そんな簡単に作れるものなのか? という疑問もわくが、それを察したのか、中野氏はすぐに「手直しを細かくやるというよりは、インスピレーションを大事にして描いたんですよ。それに実作業が1日というだけで、その前から作品に対するイメージは練っていました」と語ってくれた。
今後の展開については「タイトーさんとの話し合いでいろんなことができればと思いますね。あれだけインパクトのあるものなのに、声があるわけでも、歩き方があるわけでもない。色が全然付いてないんですよ。想像という部分では、数限りなくいろいろできるはずです」とした中野氏。「女性や若い人の中には、インベーダーをやったことのない人もいると思います。今後もいろんなものを投じていく予定なので、その中から面白さを感じてもらいたいです」との意気込みを語ってくれた。
中野氏のほかにも、表参道ヒルズのショップにて、2006年8月4日に発売す限定200枚のコラボレーションCD「SAYONARA DISCO STAR」を歌うバンド「ファンキーパンキー」のメンバーも来場。ファンキーパンキーは、ヴォーカルのウエムラタクさん、ベースのヒネさん、ドラムスのハラアキヒロさん、ギターのキタシンイチさんの4人からなるバンド。2000年11月の結成以来、関西エリアを中心に活動している。
インベーダーというよりは、その後に登場したファミコンのシューティングゲーム世代だという彼らだが、今回のコラボレーションCDの話が来た時の印象を、ウエムラタクさんは「純粋に面白そうだと思いました」と語る。「音楽をやってて、コラボレーションができる。しかもそれがインベーダーですよ。未知との遭遇というか、純粋に興味をそそられましたね」(ウエムラタクさん)
元もと、ほかのアーティストがゲーム音楽とのコラボレーションしているのを見て、面白いと感じていたのだという。「ゲーム音楽はレベルが高いんですよ。侮れないです。特に昔のゲーム音楽は、限られた環境の中で作っているにも関わらず、表現力がすごい。そういうことをバンドでも出せたらなぁ〜、というイメージはあって、ぜひ挑戦したいと思っていました」(ウエムラタクさん)
なお、限定200枚CD「SAYONARA DISCO STAR」は、彼らの未発表曲だったらしく、いちから作成したのは歌詞だけになる。何とか世に出したいという気持ちがありつつも、きっかけがなかった未発表曲だが、今回の話を受けた際、インベーダーに合致するものを感じ、ついに世に出すことができたのだという。
インベーダーという社会現象まで巻き起こしたタイトルに対して、手がつけられないほどのものというイメージに支配されず、自分たちの思いをありのままに表現しているという「SAYONARA DISCO STAR」。「失礼な話かもしれませんが、偉大なものという緊張はなかったですね。逆にあまり深くまで知らない分、やりやすかったかもしれません」とはウエムラタクさんの言葉だ。
“ピコピコチューン”という音が印象深いインベーダー。これをファンキーパンキーがどのように料理しているのか? 限定200枚ということもあり、入手はかなり困難を極めるとは思うが、何とか手に入れて、それを確かめてもらえればと思う。
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