今度のボンバーマンは揺れるんです――美しくもリアルに進化した国民的ゲーム「ボンバーマン アクト:ゼロ」レビュー(1/2 ページ)

単純ルールながら熱中度が高い、アクションゲームの傑作「ボンバーマン」シリーズ。その最新作がXbox 360に登場した。果たしてどのように変化したのであろうか。

» 2006年08月18日 17時03分 公開
[板橋舟人,ITmedia]
photo 硬派路線へ移行したボンバーマン。Xbox 360のイメージにはピッタリとマッチしているように感じる

 日本人のゲーマーならばほとんどの人が知っているであろう「ボンバーマン」。その歴史は古く、初代のファミコン版が登場したのは1985年のことだ。この前身であるPC用ゲーム「爆弾男」を含めると、さらに歴史は長くなる。つまり25年以上遊ばれ続けてきた定番ソフトなのだ。

 そんな「ボンバーマン」シリーズの最新作「ボンバーマン アクト:ゼロ」がXbox 360に登場した。映像はこれまでのコミカルタッチから、猛烈に渋く変化。主人公であるボンバーマンが、何だかアメコミに登場しても違和感がないほどシブくなっているのである。ステージ全体もどちらかと言えば暗い印象で、子供向けという印象の強いシリーズだが、本作は映像面のみ見るならば、180度逆へ方向転換したような感じだ。ただしそれは悪いことではない。インパクトが大きく、かつ硬派なイメージなため、オジサン世代のプレーヤーにとっては、逆に好印象だろう。

ボンバー“ガール”も作れます

 本作はキャラクター作成からスタートする。とは言っても、性別とカラーを選ぶだけの簡単作業で、一度設定した後でもメニューから自在に変えられる。ここで注目したいのは性別で“女性”を選択できること。つまり「ボンバーマン」ならぬ「ボンバーガール」を操れる、といったところであろうか。

 顔はいかついマスクをかぶっているため、萌え要素は残念ながらないが、ピチッとしたスーツを身にまとったその肢体は実にセクシーで(ものすごくわずかだが胸も揺れる)、男性プレーヤーの目を楽しませてくれる。ほんの気持ち程度とはいえ、ボンバーマンでお色気を楽しめるのは完全に筆者の予想外。良い意味で期待を裏切られつつ、“性別は女性一筋でいこう”と決めたのであった。ちなみに、男性キャラクターもかなり格好良いことも伝えておく。

photophoto (写真左)カラーは8種類から選択可能。言われなければ「ボンバーマン」と分からないほどの変容をとげている
(写真右)後ろ姿がなかなかナイスな女性タイプ

もちろん中身はまっとうなボンバーマン

 3Dになったこともあり、見た目はもはや別のゲームともいえる本作だが、基本システムはシリーズに忠実だ。過去作のファンならばマニュアルを読まずに遊べるあたりはありがたい。

 本作のルールについて解説しておこう。ステージは長方形で、1ブロックごとに破壊できない「ハードブロック」が置かれている。それ以外の、編み目状の部分は移動できるが、ブロックが置かれていることもある。この通路に置かれたブロックは「ソフトブロック」といい、ボム(爆弾)で破壊することが可能だ。ボンバーマンは、移動できる場所ならば好きな所にボムを置くことができる。ボムは一定時間後に爆発し、ボムを中心に上下左右に炎が伸びる。この炎で、ソフトブロックを壊したり、敵を攻撃するわけだ。

photo ゲットしたパネルの効果が画面で解説されるのはありがたい。また現在有効な効果は、画面左側にアイコンで表示される

 なお、ソフトブロックを破壊した時、アイテムパネルが出現することがある。アイテムには、同時に設置できるボムの数が1個増加する「ボムアップ」、爆風の炎の大きさが1段階アップする「ファイアーアップ」、ボムが爆発するタイミングを自在に調整できる「リモコン」などがあり、これらでボンバーマンを強化すれば、それだけ攻撃力が増す。

 中でも面白いのは、爆風がソフトブロックを貫通するようになる「貫通ボム」だ。ソフトブロックをはさんだ向こう側にボムが置かれていた場合、通常ならば安全地帯となるのだが、「貫通ボム」状態では文字通り爆風が貫通してくるため、ミスになってしまう。安全地帯が減るため、よりスリリングな戦いが楽しめる。

photo ピンク色の炎が「貫通ボム」。自分がゲットしても気が抜けない、ハイリスクハイリターンなアイテムだ

 本シリーズの大きな特徴として、“自分のボムの炎に当たってもミスになる”ことと、“ボムは一定時間後に爆発する”が挙がると思う。自らのボムで自爆することは非常に多く、そのためこちらから攻撃を仕掛ける時も、常に緊張感がつきまとう。また、“ボムがすぐに爆発しない”というシステムは、敵を戦略的に追いつめる楽しさに一役買っている。これらのシリーズならではの面白さは、もちろん本作にも十二分に引き継がれているわけだ。

ゲームシステムが変わってしまう「FPB」の存在

 本作には、昔ながらの真上から見下ろした「スタンダード」のほか、ボンバーマンのやや後方から見下ろした視点の「ファースト・パーソン・ボマー(FPB)」という、2つのプレイスタイルが用意されている。

 3Dになったことで、操作感は若干変わったと言えるスタンダードだが、それでも過去シリーズと同じ感覚で遊べることは間違いない。シリーズタイトルをプレイしている人であれば、違和感なく楽しめることだろう。特筆すべきはやはりFPBにある。基本ルールはスタンダードとまったく同じだが、ゲーム中の視点が変わることと、「ライフ」というパラメータが新たに追加されることが大きな違いだ。

 ライフはその名の通り、ボンバーマンの体力を現す。炎に当たると徐々にダメージを受け、ライフがゼロになるとゲームオーバーとなる仕組みだ。つまり爆風を受けても即死しないため、より遊びやすくアレンジされているのである。また、左スティックを押し込むことで「ガード」体勢を取ることができ、この状態の時は爆風から受けるダメージが減少する。

 後方からの視点であるため、油断していると自分の視界外から攻撃されるというデメリットがある反面、ライフ制のため多少ミスしても挽回(ばんかい)可能というメリットがある。操作になれるまでは戸惑うかもしれないが、慣れてしまえばかなり遊びやすいと言えるだろう。その代わり、シリーズ独特の緊張感も薄れてしまうのは残念だが……。

photo 過去シリーズと同じ感覚で遊べるスタンダード。3Dになったことで、操作感は若干変わったかもしれない
photo 迷宮を探索しているような雰囲気が楽しめるFPB。ブロックに接近するため、迫力は増大している
photo 視点を遠ざけたり、カメラを回転させることも可能。迫力は低くなるが、遊びやすさは上昇する

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