間口は広く、こだわりは深く――あのパズルゲームがいよいよ正式サービス開始「メテオスオンライン」インタビュー(1/2 ページ)

キューエンタテインメントのPCオンラインゲーム第1弾は、ニンテンドーDSで人気を博した打ち上げパズルゲーム「メテオス」をベースにした「メテオスオンライン」だ。本作ディレクターの平井武史氏に、正式サービス稼動前の多忙な時期に話を聞くことができた。

» 2006年11月22日 11時30分 公開
[聞き手:仗桐安,ITmedia]
画像 「メテオスオンライン」ディレクター 平井武史氏

 対戦が熱い良質なパズルゲームとして、初期のニンテンドーDSのラインアップの中でも評価の高い「メテオス」。その続編はニンテンドーDSでWi-Fi対応で来るのか……と思いきや、なんとPCオンラインゲームとなって登場。オンラインならではの楽しい要素も盛り込みつつ、「メテオス」本来の面白さは損なわれていない。そして何よりアイテム課金制の導入により、基本プレイは無料で遊べるという手軽さが大きな魅力だ。

 そんな「メテオスオンライン」のディレクターである平井武史氏に本作の魅力を語っていただいた。

「対戦をしたい」というニーズに対する答え

――「メテオスオンライン」の構想はいつぐらいにできたものですか。

画像 開発当初のバージョン。現在の画面とちょっと違う

平井武史氏(以下、敬称略) 2005年3月に日本版の「メテオス」をリリースし、9月までかけて米国版、欧州版、豪州版を作ってきました。その直後、2005年9月に今後のメテオスをどう展開しようかという合宿を行ったんです。面白いものを作ったという自負はありましたが、ユーザーからは対戦が面白いのになかなか対戦ができない、もっと対戦をしたいという声が寄せられました。日本各地にいる凄腕ユーザーは「俺が一番メテオスが強い」とみんな言っているようでして(笑)。九州にいる私の友人もそう豪語していて、でも遠いから対戦しに行けない、と言うんですよ。

 また、実際にイベントなどのステージ上でメテオスの対戦が行われているときに、その脇で来場者同士が対戦している光景をよく見かけたんです。この「もっと対戦をしたいのに近くに相手がいない」というのが、ニンテンドーDS(以下、DS)版「メテオス」の欠点ではないか、という考えから、1年前にPCオンラインゲームの構想がスタートしました。

――今やDSには「ニンテンドーWi-Fiコネクション」という環境があるわけですが、DSで続編を作るという選択肢はなかったのですか。

平井 昨年の9月の段階では、まだニンテンドーWi-Fiコネクションが発表されていませんでした。ただ、メテオスをプレイしながら、待ち時間にサイトを見たり、他の人とメッセンジャーでやりとりをするようなワンアプリケーションとしての構想があったので、ニンテンドーWi-FiコネクションよりもPCオンラインゲームを選んだというのはありますね。オンライン対戦にとって待ち時間をどう過ごすかは重要だと思っています。

――本作がキューエンタテインメントのPCオンラインゲーム第1弾なのですが、なぜ「メテオス」に白羽の矢があたったのでしょうか。他にも「ルミネス」などの人気タイトルをお持ちですが。

平井 PCオンラインゲームを作るにあたり、中途半端なものは作りたくなかったんです。やるなら徹底的にやろうと思いました。そこで中国や韓国に訪れたりもして、オンラインゲームのマーケットを調査したんです。その頃、ちょうど月額課金からアイテム課金に流れがシフトしていたので、まずアイテム課金に適したコンテンツを検討しました。その上でコミュニティとしても強いものでなくてはならない、と考えた結果、弊社のコンテンツで「メテオス」が最も合致したんです。

「メテオスオンライン」ならではの操作方法

――DS版にはなかったメテオの“横移動”は、なぜ導入されたのですか。

画像

平井 ルールをシンプルにしたかったんです。DS版「メテオス」を初めてプレイするユーザーは「縦にしか動かせないですよ」と何回言っても、文字を書くのと同じ感覚で左から右に動かそうとする人が多かったんです。

 それと、横に動かすということは理論上はメテオが縦に揃いやすくなるんですが、「メテオス」は縦よりも横に3つ以上揃えた方がより大きなカタマリとなるため、最終的に強さを極めようと思ったら縦に動かさなくてはならない。横移動のみで有利になるということは少ない。縦横無尽に動かせることだけは出来ないようにしようと。一度操作をやめないと縦横の切り替えが出来ないようにしよう。そう考えると、横に動かすという選択肢を避ける理由はない、という結論に至りました。もちろん既存のユーザーのニーズも反映して、縦移動のみのルールも選べるようにしました。

 操作は、PCだとDSほど直感的にできないということは分かっていました。マウスでつかんで動かすというのは、これはやりづらい。タッチペンとの差をどうやって埋めようかという点を詰めるのに時間がかかりました。

――βテストの際にはマウスではなくタブレットでやっている猛者もいると聞きました。

平井 開発者の中にもタブレットでやっている人がいましたよ(笑)。確かにタブレットのほうがDS版の操作に近いんです。でも、ペンで上から下にメテオを動かすと、どうしても目線の動きもメテオを追ってしまい、メテオが下に行った時点で思考がいったん止まってしまうんです。それに比べて、マウスとキーボードでの操作だと、一気に下に落とせる操作が可能なので、思考を止めずに画像の認識ができるという利点があります。突き詰めればDSよりも速い操作が可能になりますよ。

とにかくチーム戦がキモです!

――他のプレーヤーに友人がいない、いわゆる“1人ぼっち”な立場だと「バトルロイヤル」(自分以外の全員が敵となるモード)に参加しがちだったんですが、チーム戦を促すようなアイデアは考えていらっしゃいますか。

平井 チーム戦では、現時点では「なかよし度」と「フレンドメテオ」という要素があります。なかよし度が高ければ、ペアルックを着られるようになったり、さらになかよし度が上がればトリオルックを着られるようになったりします。また、同じチームで戦った人は「なかよしリスト」に追加され、そこからフレンド申請することができます。

 チーム対戦は活性化させていきたいですね。バスケの3 on 3のような形で3人チームを作って遊んでほしいです。また、将来的にはギルドのようなものの導入を予定しています。このギルドは派閥みたいなもので「俺はジオライト派だ」というように惑星ごとにギルドがある惑星戦争のようなイメージを考えています。

――同時対戦人数が6人から増えることはありますか。

平井 それはないですね。逆に3人組での対戦にこだわっています。2人だと攻撃と防御が決まってしまって単調になる。3人だと3人目の役割をどうするかによって戦略に幅が出ます。1チームが4人だとちょっと多すぎるかな、というのもあって、3人対3人ができる6人対戦に決まりました。

――ライブで他のプレーヤーのプレイを見ることができるのが面白いです。

平井 これは開発内での調整に苦労したところです(笑)。リアルタイムに動いている6人分のデータを扱わなくてはならないので作るのが大変なんです。でも私は「メテオス」のオンライン対戦にはライブが必須だと主張しました。ライブで戦況を見て攻撃を選べるのが面白いし、対人戦では人とつながっているという感覚が重要だと思ったんです。うまい人のプレイを見ることができるというのもいいところですね。そして魅せるというところにこだわっていただければ。

――今後行われるであろうコンペに勝った場合のメリットは何かありますか。

平井 それはもちろん用意しています。ゲーム内のレアアイテムを賞品にする予定です。

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