伝説の男が再び動き出す。東京と大阪で桐生一馬を待ち受ける運命は?:「龍が如く2」レビュー(1/2 ページ)
前作からわずか1年という短期間でリリースされた第2弾。錯綜する幾多の思惑と野望が紡ぎ出した巨大な陰謀が、一度は極道から足を洗った伝説の男を再び渦中に引きずり込む。東京と大阪という2大都市を舞台に新たな人間ドラマの幕がいま開く。
前作を知らなくても問題なく楽しめます
プレイステーション 3やWiiの登場で、一世代前のハードになったプレイステーション 2。とはいえ、ソフトのラインアップを見れば、まだまだ第一人者の地位を譲ったというのは早すぎる。中でもこの「龍が如く2」は、2006年末のクリスマス商戦における最大級の話題作だ。ひょっとしたら、前作から1年というのは早すぎないか、単なる焼き直しではないのか、と危惧する人もいるかもしれない。あるいは、いくら話題になっているとはいえ、あまり食指が動かない、あるいはプレイするのにためらいを覚える、という人もいるかもしれない。
制作スパンの件に関しては、システムは前作を継承しつつ新要素を加え、グラフィックもそれほど目立たないもののバージョンアップが図られている。どちらも革新的な変化ではないが、とはいえこれは停滞ではない。前作である程度の完成度に到達していた作品だけにさほどいじくり回す必要がないとの判断だろう。細部では遊びやすく改良されており(例えば極め要素のひとつである「ロッカーの鍵」の表示方法など)、正統な続編という仕上がりだ。
また、ためらいに関して、その原因を挙げるとすれば、次の3点あたりが有力だろう。「1.ヤクザものは嫌い、ないし苦手」、「2.前作をプレイしていない」、「3.アクションが苦手だから」。以下、これらの諸点について考えてみたいと思う。
まず最初に“ヤクザもの”であるという点であるが、これについてはある種の誤解ないし思い込みがある可能性がある。ヤクザものと一口に言っても、そこには大きく2つのタイプがある。実録ものと言われる実際のヤクザ間の抗争に基づいて作られた物語。ドラマを構成する必要上から主人公をヤクザに設定している物語。この2つはヤクザが主人公でも、内容はおよそ異なる。前者では抗争そのものがテーマだが、後者では主人公の生きざまがメインとなる。映画で例を挙げれば、「仁義なき戦い」シリーズや、その流れを汲む東映Vシネマ系列には前者が多く、高倉健主演作品、特に近年の作品は後者が圧倒的に多い。前者は血で血を洗うバイオレンスや虚々実々の駆け引きが見せ場となり、後者ではヤクザだった過去やヤクザ時代の義理が絡む人情劇になる。
「龍が如く」シリーズは、完全に後者に属するドラマだ。主人公・桐生一馬は権力や支配などに関心を持たない。愛する者のため、親友のため、恩人のために拳を振るう。ケンカは滅法強いが、その背中には寂しさと孤独感が漂う。いかに危険とわかっていても、愚かとわかっていても逃げない。打算や妥協を排して、己の信条に身を捧げる。そして常に他人のことを第一に考える。
一馬の人物像において重要なのはヤクザであることではない。芯の強さ、そこから生まれる優しさと厳しさにある。この人物を単にヤクザは嫌い、で片づけてはもったいない。この点に関しては、一馬役の声優・黒田崇矢さんの演技が素晴らしい。抑制された感情の中にわずかに滲む怒り、悲しみ、喜びをその場その場の展開に合わせて実に絶妙に演じ分けているのだ。この声の名演を聞くだけもプレイする価値があると言っても過言ではない。
もちろん、一馬の周囲には、粗暴だったり、凶悪だったり、ずる賢かったり、精神がねじけている連中もあまた登場する。しかし、こうした人物は「龍が如く」シリーズにおいては悪役として位置づけられるのだ。主旨はあくまで一馬が体現する男気にある。
次に第2の、前作との関係であるが、これについては第1点以上に安心してもらっていいと思う。冒頭に前作のストーリー概要を紹介するくだりが設けられているので、あらすじレベルならばほとんど問題ない。そして今回の物語は、前作のラストから時間軸的には繋がっているものの、内容的にはかなり独立性の高い話なのである。従って、「龍が如く2」からプレイしたとしても、ストーリー上、混乱することはないはずだ。
なお、第1、第2の点に絡んで、ひとつ注意して戴きたい点がある。前述したように「龍が如く2」はヤクザ抗争ものではなく、男気のドラマである。ただ、ヤクザ社会を舞台にしているので、その世界特有の用語や概念が頻繁に出てくる。さらに前作で起きた事件の結果、一馬に近しい人々はかなり大きな影響を受けている。これらはストーリーと直接関わってくるだけに、知っていないとどこか靄がかかったような気分を感じる恐れがあるのだ。そこでこれらの点について、後ほど2のストーリーを紹介する際に改めて触れておきたいと思う。そこを読んで戴ければ、すんなりドラマを楽しんで戴くことができると思う。
さて、最後に残った第3、すなわちアクションゲームは苦手、という点だが、実はこれが一番難しい。「龍が如く2」がアクションゲームなのは事実だし、こればかりは変えようもない。ただ、はっきりしているのは、一般的なアクションゲームに比べると、「龍が如く2」はかなり簡単なほうに属する、ということだ。アクションゲームに慣れている人だと逆に少し物足りなく感じるかもしれないというくらい、サクサクと進めていける。
とはいえ、ここが肝心なのだが、簡単なのに爽快感は抜群なのである。何しろ、主人公である一馬は伝説の極道、龍と呼ばれるほどの男なのだ。これが弱々しくては話にならない。従って、ゲームスタート時点から一馬はかなり強い。その後、経験値を消費することで能力強化をすることができるので、どんどん強くなっていく。イージーさと爽快感。セガのキャッチコピーに“誰もがケンカで伝説になれる!”とあるが、その通りなのである。だから、アクションが苦手という人も、そんなに負担にならないのではないかと思う。アクション好きならば、能力強化システムの使用を極力控えることで難易度を上げるというプレイも面白いだろう。
ここまで、「龍が如く2」をプレイにするに先立って抵抗を感じそうな部分についてご説明してきた。いかがだったろうか? もし、これなら行けそうだ、思っていたのと違ってやる気が出てきた、と感じてくださる方がいれば、嬉しい限りだ。
では、ここでページを改め、「龍が如く2」のストーリーについてご紹介しよう。前述の通り、ヤクザ世界の基本知識もまとめておくので、詳しくない方はご参考にして戴きたい。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
-
祖母から継いだ築80年の古家で「謎の箱」を発見→開けてみると…… 驚きの中身に「うわー!スゴッ」「かなり高価だと思いますよ!」
-
小1娘、ペンギンの卵を楽しみに育ててみたら…… 期待を裏切る生き物の爆誕に「声出して笑ってしまったw」「反応がめちゃくちゃ可愛い」
-
【今日の計算】「2+13×2−6」を計算せよ
-
柴犬が仮設住宅に入ると、布団に隠れた大好きなお姉ちゃんが! 被災した柴犬が見せた最高の笑顔に「こちらまで幸せな気持ちになります」
-
パパがヒゲをそって大ショックな息子の反応が3600万再生 予想外な落ち込みように両親苦笑い【海外】
-
トリンドル玲奈の結婚相手は誰? 2024年に2歳年下俳優と結婚発表、ラブラブ2ショットを公開
-
「人生で一度は見てほしい」「息をのむ美しさ」 この世のものと思えない幻想的な“一本桜”に15万いいねの大反響
-
元パティシエ直伝、スライスチーズを使う激ウマ蒸しパンが209万再生! あまりのおいしさに「秒でなくなった笑」の声も
-
【今日の計算】「101×99」を計算せよ
-
スマホがネットにつながらないと思ったら…… 想定外すぎる落とし物の事例に「こわ!」「こんなん初めて見た」と驚く声上がる
- 小1娘、ペンギンの卵を楽しみに育ててみたら…… 期待を裏切る生き物の爆誕に「声出して笑ってしまったw」「反応がめちゃくちゃ可愛い」
- 富山県警のX投稿に登場の女性白バイ隊員に過去一注目集まる「可愛い過ぎて、取締り情報が入ってこない」
- 2カ月赤ちゃん、おばあちゃんに少々強引な寝かしつけをされると…… コントのようなオチに「爆笑!」「可愛すぎて無事昇天」
- 異世界転生したローソン出現 ラスボスに挑む前のショップみたいで「合成かと思った」「日本にあるんだ」
- 【今日の計算】「8+9÷3−5」を計算せよ
- 21歳の無名アイドル、ビジュアル拡散で「あの頃の橋本環奈すぎる」とSNS騒然 「実物の方が可愛い」「見つかっちゃったなー」の声も
- 1歳赤ちゃん、寝る時間に現れないと思ったら…… 思わぬお仲間連れとご紹介が「めっちゃくちゃ可愛い」と220万再生
- 業務スーパーで買ったアサリに豆乳を与えて育てたら…… 数日後の摩訶不思議な変化に「面白い」「ちゃんと豆乳を食べてた?」
- 祖母から継いだ築80年の古家で「謎の箱」を発見→開けてみると…… 驚きの中身に「うわー!スゴッ」「かなり高価だと思いますよ!」
- 「ゆるキャン△」のイメージビジュアルそのまま? 工事の看板イラストが登場キャラにしか見えない 工事担当者「狙いました」
- フワちゃん、弟の結婚式で卑劣な行為に「席次見て名前覚えたからな」 めでたい場でのひんしゅく行為に「プライベート守ろうよ!」の声
- 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
- 水道検針員から直筆の手紙、驚き確認すると…… メーターボックスで起きた珍事が300万再生「これはびっくり」「生命の逞しさ」
- フワちゃん、収録中に見えてはいけない“部位”が映る まさかの露出に「拡大しちゃったじゃん」「またか」の声
- スーパーで売れ残っていた半額のカニを水槽に入れてみたら…… 220万再生された涙の結末に「切なくなった」「凄く感動」
- 桐朋高等学校、78期卒業生の答辞に賛辞やまず 「只者ではない」「感動のあまり泣いて10回読み直した」
- 「これは悲劇」 ヤマザキ“春のパンまつり”シールを集めていたはずなのに…… 途中で気づいたまさかの現実
- 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
- がん闘病中の見栄晴、20回以上の放射線治療を受け変化が…… 「痛がゆくなって来ました」
- 食べ終わったパイナップルの葉を土に植えたら…… 3年半後、目を疑う結果に「もう、ただただ感動です」「ちょっと泣きそう」