オレがちょいっと本気を出せば街を牛耳るも思いのまま――市街を爆走するハチャメチャレースアクション:「ニード・フォー・スピード カーボン」レビュー(1/3 ページ)
公道を舞台にした爆走が楽しめるカーアクションシリーズ最新作。ライバルチームをけ落としてのし上がっていく快感を味わってみた。
実は息の長い定番レースゲームですよ
公道を舞台としたレースを楽しめる「ニード・フォー・スピード」シリーズ。日本での認知度はイマイチだと思うが、シリーズの歴史は長く、実に10作以上発売されている。シリーズ初期作は、日本では「オーバードライビン」という名称で発売されていた。往年のゲームファンならば、この名前を聞いたことがあるのではなかろうか。
このたび、その最新作である「ニード・フォー・スピード カーボン」が登場した。プレイステーション 2、プレイステーション 3、Wii、Xbox 360、Windows、PSPと、数多のハードで同時発売される、エレクトロニック・アーツお得意のマルチタイトルだ。今回は、その中でもXbox 360版を取り上げてレビューする。筆者にとって、Xbox 360がしっくり来たということもある。
さて、本作にはいくつかゲームモードが用意されているが、メインとなるのは“シナリオ”だ。
前作「ニード・フォー・スピード モスト・ウォンテッド」にて警察のブラックリストの頂点にまで上り詰めた主人公。古巣である「パルモント・シティー」へと戻ってきたが、何者かの陰謀によって、無実の罪を着せられてしまった。かつての仲間であるダリウスのお誘いにのり、街にいる数多のチームとバトルして覇権を争う……というストーリーだ。
オープニングイベントが終わると、1台の車をもらえる。CAMARO SS、Alfa Brera、MAZDA RX-8の、3種類の中から選択するのだが、筆者は国産車という理由でRX-8をチョイスした。ちなみに本作には実在車種が登場し、これらは加速力が良い「マッスル」、トップスピードが高い「ハイエンド」、ハンドリング性能が良い「スタンダード」というクラスに分類されている。RX-8はスタンダードだ。このあたりは、プレーヤーのスタイルに応じて選ぶとよいだろう。
目指すは街の完全支配!
本作の舞台である「パルモント・シティー」は、いくつかのブロックに分かれた架空の都市であり、都市上のさまざまな場所で、他チームとのバトルイベントが発生する。街を実際に走り、特定のスポットで十字キーの上を押すと、イベントに突入する仕組みだ。なお、ワールドマップ上に表示されるイベントスポットから、直接選択することもできる。
各地域にあるすべてのイベントにすべて勝利すると、その地域を自チームが支配できたことになる。これを繰り返し、「パルモント・シティー」全体を自チームの支配下に置くことが本作の目標だ。
実際のレースは、爽快感あふれるものに仕上がっている。操作感覚はかなりゲームライクで、コース取りやスピードをさほど重視しなくともカーブを曲がりきれる、お手軽なバランスだ。ただ、さすがにフルスピードでヘアピンカーブを曲がれるほどのライト感覚ではない。
街の細部は詳細に作り込まれており、ワイルド感タップリなアメリカの町並みを疾走している、という臨場感は申し分なしだ。スピード感もかなりあり、また前作よりもフレームレートが安定しているため、気持ちよくドライブできるのは良い。
また、レースイベント中には、「ニトロ」と「スピードブレイカー」という2つの特殊機能を使うことも可能だ。ニトロは一定時間トップスピードを上昇させることができるもので、スタートダッシュ時やライバルに離された場合などで大きな力を発揮するだろう。スピードブレイカーは、発動中に時間の流れがスローになるというシステム。せまい通路を通り抜けたり、ライバルをカーブでオーバーテイクする場合などで役立つ。
この2つの機能はゲージ制で、高速で走行しているとゲージが徐々に溜まっていく。使用しないと意味がないし、ゲージの上限も決まっているため、積極的に使っていきたいシステムだ。気軽に使えるのも長所だろう。
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