“ガンダム”であり“無双”であるギャップを、心から楽しめる大人だけに許された愉悦:「ガンダム無双」レビュー(1/3 ページ)
PS3で発売された初の無双は、「真・三國」でも「戦国」でもなく、なぜか「ガンダム」。これほど大規模プロジェクトを近年耳にしなかったため、注目度は確かに高かった。しかし、食い合わせという面ではどうなのか。ユーザーが気になるのもそのあたりと踏んで、レビューのテーマとしたい。
押し黙ってパッケージを眺めること数分間
ワタクシ、小城は、「機動戦士ガンダム」(以下、初代)ファンである。ZやZZになると、とんと疎くなるが、初代ガンダムには並々ならぬ思い入れがあり、名セリフを意味なく乱発したがる典型的な深度の浅いオタである。そして同時に、無双シリーズのファンでもある。特にストーリーとしての三国志が好きな筆者にとって、いち武将となって戦場を駆け抜ける「真・三國無双」シリーズは、三国志マニアの夢をかなえてくれた至福のゲーム。シリーズが出たら有無を言わずに買うことが義務になっている。そんな筆者が、本作のパッケージを目の前にして、腕組みをしながら数分間身動きがとれなかった。
「うーむ……。ガンダム、無双、か……」
この見慣れた「無双」ロゴの上の段に、キチキチに詰まった半角カナのような「ガンダム」の文字。ギャグか? ギャグなのか? それならそうと、早めに言ってくれ。しかしパッケージのイラストは大真面目にガンダムである。ガンダムのくせに「機動戦士」の文字がなくても堂々としているのは、このタイトルくらいではないだろうか。こいつは手強いのかもしれない。
パッケージを裏返してみた。そこには、「迫り来る1000機のザク! 君は生き延びることができるか!?」とある。アニメの次回予告のキメゼリフが使われているところ、やはり判断がつきかねない。普通に考えて1000機のザクに囲まれたら、かの赤い彗星ですら命を落とすであろうに、生き延びることができるか!? と挑戦的だ。しかも、去る資料によると1年戦争当時はザクIIは300機ほどしかロールアップしていないはず。黒船的な本作の唐突な襲来に、パッケージを睨みつけながら腕組みを解けずに「うーむ、うーむ」と唸り続ける筆者なのであった。
基本操作は無双シリーズの継承
これを見て唸り続けるのは、年のせいで頭が固くなったからだろうかと、別次元の悩みまで発生してきたので、ひとまず不健康な凝固は中断。プレイもせずに評価は下せないので、遊んでみることにした。
モードは、原作に沿ったストーリーが楽しめる「OFFICIAL MODE」、謎の惑星を舞台に複数の作品がクロスオーバーする「ORIGINAL MODE」、プレーヤー同士で対戦する「VERSUS MODE」、戦績やパイロットの解説などを見ることができる「GALLERY」、環境設定する「OPTION」、中断したプレイを再開する「RESTART」の6つ。
まずは初代ガンダムのストーリーを追ってくれるということなので、少しは安心感があるだろうと「OFFICIAL MODE」を選択してみた。最初から選べるのは、アムロ・レイとカミーユ・ビダン、ジュドー・アーシタの3名。筆者が選ぶパイロットはもちろん、アムロ・レイである。操縦するモビルスーツも自動的にガンダムになる。このモードの全ミッションをクリアしたあとは、登場したパイロットやモビルスーツを変えて、同じストーリーを楽しむことができるらしい。これは非常に楽しみだ。パイロットやモビルスーツを全部出して、それぞれを全部クリアするまでは、やめられないだろう。
ストーリーがアニメーションで長々と解説されるのかと構えていたら、あっというまにブリーフィング画面に。そこで原作に沿ったストーリーの解説が端的に行なわれた。従来の無双シリーズと違うのは、ブリーフィング画面を使用して、キャラクターによる作戦の解説が行なわれることだ。最初のミッションであれば、レビル将軍がアムロたちに今回の作戦を説明してくれる、というわけ。
操作は無双シリーズそのまま。□ボタンで通常攻撃を行い、数回コンボを加えたときに△ボタンを押すとチャージ攻撃を交えた連続攻撃が発動する。シリーズと違うのは、操作するのが人間ではなくモビルスーツであること。そのため若干操作に違いがあり、R1ボタンはジャンプに、×ボタンはダッシュやブーストに使用する。ジャンプやブーストは、スラスターの残量分のみ連続使用が可能。スラスターが切れてしまうと、一定時間ジャンプやブーストが使用できなくなる。
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