狩猟の季節到来! PSPでのハンターライフはここまで快適になった:「モンスターハンター ポータブル 2nd」レビュー(1/2 ページ)
カプコンの狩猟アクション「モンスターハンター」シリーズの最新作がPSPで登場した。新しいモンスター、武器、防具システム、クエスト――確実なボリュームアップとともに徹底してユーザーフレンドリーに作り直された本作は、狩人たちの心を熱くする快作に仕上がっている。さあ、貴方もポッケ村で、ハンター生活を始めませんか?
「モンスターハンター」最新作がPSPで登場!
「モンスターハンター」シリーズ(以下、「MH」シリーズ)にいったいどれだけの時間を費やしただろうか。初代「MH」を発売日に手にしてからというもの、このシリーズにどっぷりと漬かってきた筆者は、以後「モンスターハンターG」(以下、「MHG」)、「モンスターハンター ポータブル」(以下、「MHP」)、「モンスターハンター2(dos)」(以下、「MH2」)ともれなくプレイしてきた。各タイトルごとに300〜400時間はプレイしているので、累計1000時間は越えているはずである。おそらくもっとディープなファンはそのさらに上を行っているだろう。
未プレイの人からすれば「いったい何がそんなに面白いの?」と思うところもあるかもしれない。しかしやってみた人間、ハマってしまった人間が達するシリーズ独特の面白さがそこには確実にあるのだ。
プレーヤーの主な目的は、片手剣、ランス、ライトボウガンなどのさまざまな武器を使って己の何倍もの大きさを有するモンスターを狩猟すること。依頼人からのクエストを受注して目的を達成する、という流れの繰り返しになる。ひたすらいろんなクエストを受注することになるのだが、クエストをクリアしていくことで新たなクエストが増えたり、倒したモンスターからはぎ取った素材を元に新しい武器、防具を生産、強化できるので、少しずつプレーヤーの選択肢が増えていく楽しみがある。
非常に奥の深い操作性で武器ごとにまったく挙動が違う点も面白さの大きな要因だ。同じモンスターを相手にしても、たとえばハンマーとヘビィボウガンではまるで違うゲームをやっているかのような操作感覚が味わえる。必然的に得意な武器や苦手な武器が生まれ、各人のプレーヤースキルにばらつきが生まれるその自由度が、永く愛されている理由のひとつと言っていいだろう。
プレーヤー側のプレイスタイルの自由度もさることながら、飛竜や古龍などと呼ばれる大型モンスターの生態や特徴もそれぞれ個性的で、実に多彩だ。大きな耳を持つイャンクックは音爆弾というアイテムを使うと一定時間動きが止まる、とか、トサカ部分から閃光を発するゲリョスには閃光玉というアイテムが効かない、死にまねをするのでぐったりしても安心できない、などなど。それらの生態情報を得れば得るほどプレイは快適かつ楽しいものになっていく。
それらの要素を踏まえた上で「MH」シリーズのもっとも魅力的かつ特徴的な要素は「RPGのようなレベルが存在しない」という点だと筆者は考えている。より強い武器、よりよい防具を装備することで明らかに狩猟の難易度は下がるが、それでも対するモンスターの情報を知らなければあっけなく力尽きることもある。逆にプレーヤースキルの高い達人であれば、弱い武器と防具でも立ち回りのうまさでダメージをくらわずに狩猟することも可能だったりするわけだ。要するに目に見えないプレーヤーそのものの「レベル」が、勝敗を大きく左右する。これはもうひたすらにプレイして体で覚えて体に染み込ませなくてはならない要素だ。
また、「MH」、「MHG」、「MH2」というプレイステーション 2で発売されたタイトルに関して言えば、プレイステーションBBに対応しておりブロードバンド回線を介してネットワークプレイができる点も大きい。最大4人でチームを組むことができるので、さまざまな戦局が生まれ、数々のドラマも生まれてきたことだろう。
たとえば、1人がモンスターを麻痺状態にし、1人が毒状態にし、誰かが落とし穴を掘ってモンスターを穴に落とし、また別の誰かが麻酔玉を投げて捕獲するなど、分業をすることで狩猟の効率が飛躍的に高まる。誰かのピンチを誰かが助けたり、誰かの報酬にはレアアイテムがあったけど、誰かの報酬にはなかったり(「MH」シリーズでは低確率で得られるレアアイテムが存在し、それらを得るためにプレーヤーが何度もクエストに挑んだりする)、誰かが立て続けに3回力尽きて心が折れそうになったり、そういった協力プレイにおける一喜一憂がたまらなく面白いのだ。
ちなみにPSPで発売された「MHP」および本作「モンスターハンター ポータブル 2nd」はアドホックモードにて4人での通信プレイが可能。こちらもプレイステーション 2版と同様に複数人でのプレイの面白さを味わうことができる。
さて。長々と「MH」そのものについてお伝えしてきたが、次項からは本作が今までのシリーズ作品からどう変わったのか、PSPで提供される最新の狩猟環境はどんなものなのかをご報告していこう。
新たな村、新たなクエスト、さまざまな改良点
「MHP」が「MHG」を携帯ゲーム機向けに再構築したタイトルだったのと同様に、本作は「MH2」の素材を使用して、さらに手軽さを追及した内容になっている。「MH2」をやり込んだ人なら「あれと同じなの? だったら別にいいや……」と思っている人もいるかもしれない。しかしここで声を大にして「あいや、待たれい!」と筆者は叫びたい。本作は「MH2」の移植作品ではない。あくまでも「MH2」の素材を使用しているというだけで、まったくの新作だと思ってもらっていい。
まず一番の変更点はハンター(=プレーヤー)の拠点が新たに登場したポッケ村であること。「MHP」ではココット村だったが、本作では雪山の近くにある小さな村からプレイが始まる。必然的に最初に行けるフィールドが雪山になり、その後プレイの進行に伴い行けるようになるフィールドの出現順番が違うし、モンスターの登場順もかなり大胆に変更されているので、新鮮さを感じるはずだ。「MH2」と各フィールドのマップはほぼ同じだが、今まで一方通行だった場所が一方通行じゃなくなっていたり(高い段差のところにツタがあったりする)、採集で採れるアイテムのバリエーションもガラリと変わっている。
もちろん、ただやさしくなっただけでなく、集会所で受けられるクエストを進めていけば、強力な武器と防具を装備していても1人では手強いモンスターも出現する。そんな絶妙なバランスに、上級者の皆さんにも安心していただけるはずだ。とにかく至るところに間口を広く、プレイをしやすくしようという作り手側の意思が感じられる内容に仕上がっている。
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