採取して培養し、増殖させ、バトルする!?――ミクロな世界で個性的なキンたちとたわむれる:「くりきん ナノアイランドストーリー」レビュー(1/2 ページ)
“集めてバトル”系のゲームは数あれど、この作品で集めたり育てたりするのは、なんとキン! 架空の微生物を育てて戦わせるという何とも不思議なこのゲームで、キンのワラワラ感にハマろう。
キンをくりくりと動かすゲームです
「くりきん」である。
タイトルを聞いただけでは、確かにどんなゲームかよく分からないかもしれないが、これはとても楽しいゲームなのだ。なのに、筆者の友人などは、「なにそれ、栗きんとんのゲーム?」(それこそどんなゲームだ!)などとのたまったあげく、キンを戦わせるゲームだと言うと「意味が分からない」と寂しい返事を返してくる……。
さて、そんな本作、「くりきん ナノアイランドストーリー」は、先ほども書いたように、キンを集めて戦わせるゲーム。キンというのは、いわゆる“微生物”のことなのだが、実在のソレではなく、コミカルな姿をした小さな小さな架空の生き物と考えてほしい。それをタッチパネル上でワラワラと動かすのだ。徹底的にシンプルにしたリアルタイムストラテジーゲームみたいなものと言えば分かっていただけるだろうか。
もちろん、ちゃんと人間のキャラクターがいて、ストーリーもある。
ゲームの舞台となるのは、世界のどこかにある島「ナノアイランド」。ここには、キンを学ぶ学校「ナノアカデミー」があり、そこにある時やってくる転校生が、プレーヤーの分身となる主人公だ(男女の選択可能、名前も自由)。
キンは、ナノアイランドでは生活に欠かせない存在で、料理の味付けから建築、医療まで、さまざまなところで活用されている。また、この島では、意見が対立した場合などにキン同士を戦わせて決着をつける古くからのしきたりがあり、「キンバトル」と呼ばれている。
日本から来た主人公は、キンのことなど最初はまるで知らないが、すぐにキンを扱う才能が開花し、ナノアカデミーでも一目置かれる存在になる。そして、いろいろな出会いや事件を経験し、友人たちやさまざまなキンとともに成長していくのだ。
キンの採取が妙に楽しいのです
ゲームには、通信対戦ができる「つうしん」や、キンバトルだけを楽しめる「フリーバトル」などのモードがあるが、メインとなるのは、章仕立てで連続した物語が進んでいく「ストーリー」だ。
主人公は、最初は自分の体から取る「コユウキン」を1種類持っているだけだが、ストーリーの中で訪れることのできるいろいろな場所で「サイシュ」を行ったり、キンバトルに勝利したりすることによって、使えるキンの種類を増やしていくことができる。そして、ストーリーの各章は、アカデミーの宿題や事件解決などのために、特定のキンを入手することでクリアとなるものが多い。
キンのサイシュは、サイシュが可能な場所へ行って、スポイトに見立てたタッチペンで好きな場所をタッチし、それをその場でシャーレに入れて「バイヨウ」させれば完了となる。同じ場所でも、タッチするポイントによって手に入るキンが違うし、同じキンでも、よりレベルの高いキンがいるポイントなどもあるので、なるべくいろいろなポイントをタッチし、キンを探していく。もちろん、何のキンもいないハズレポイントもある。
ただし、1回サイシュを行うと、数に限りのある「スポイト」を1つ消費してしまうので、好きなだけサイシュするわけにもいかない。新しいキンや強いキンがいそうなポイントに狙いを付けてやっていく必要があるのだ。スポイトはアカデミーの「理科室」で、キンと交換して補充することができるが、交換でもらえるスポイトの本数はキンのレベルと同数となる。そのため、特にレベルの高いキンがいないストーリー序盤のうちは、スポイトを使い過ぎないように注意しないといけない。
また、キンは誰かとのバトルで勝った場合にも手に入る。ただし、ただ勝てばいいわけではなく、相手のキンを全滅させて勝利した場合にだけ、相手がそのバトルで使っていたキンをもらうことができるのだ。バトルによってもらえるキンは、その章でサイシュできる同種のキンよりレベルが高いことが多い。特定のバトルで勝つために必要なキンを、別のバトルで手に入れるというのも、有効なキンの入手方法だ。
さらに、特定のキン同士をバトルさせると、バトル終了後に「新種キン」が生まれることがある。生まれる確率はキンによっていろいろで、すぐに生まれてくれる新種もあれば、何度バトルしてもなかなか生まれてくれないレアな新種キンもある。新種が生まれるバトルの組み合わせについては、キャラクターとの会話の中で出てくるので、うっかり聞き逃さないようにしよう。
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